昭和57年版 通信白書

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第2章 公衆電気通信

第1節 概  況

 我が国の電気通信は,昭和53年度までに永年の懸案であった加入電話の「積滞解消」と「全国自動即時化」を達成し,今や質的充実の時代を迎えており,56年度においても,引き続きサービスの向上を図るための諸施策が行われた。
 まず,電話加入区域の拡大については,53年度からの5か年計画で,従来の電話局から半径5kmの範囲を7kmに拡大する施策を進めているが,56年度においては247区域の拡大が行われ,残りの103区域についても57年度中に完了する予定である。さらに,この計画が達成されてもなお加入区域外にとどまる世帯についても,57年度から60年度までの計画で,おおむね10世帯程度以上まとまっている集落や離島については,原則としてすべて加入区域とすることとした。
 次に,新たなサービスとして,56年度には電電公社からクレジット番号通話サービス,ファクシミリ通信網サービス,ミニファクス及び自動着信転送サービス等が提供され,国際電電からは国際加入電信における預り伝送及び多あて先伝送の取扱いが開始された。
 また,料金については,56年8月に国内の遠距離通話料の引下げが行われ,国際通信料金においては56年4月に国際通話,国際加入電信及び国際専用回線の料金の値下げが行われたほか,さらに57年5月に国際通話及び国際加入電信料金の値下げが行われた。郵政省では,電気通信料金が国民に及ぼす影響にかんがみ,「電気通信料金問題調査研究会」を開催し,電気通信料金決定の基本的考え方,料金水準,料金体系等について検討を進めている。
 56年度における電電公社の設備投資総額は,1兆7,523億円(対前年度比2.5%増)で,これにより,一般加入電話134万加入(地域集団電話から一般加入電話へ種類変更したもの13万2千加入を含む。),公衆電話3万2千個の増設,4万2千個の100円公衆電話への取替え,マイクロウェーブと同軸ケーブルによる伝送路114区間及び新電話局62局の建設等が行われた。
 なお,我が国の公衆電気通信網において,初の光ファイバケーブルを用いた伝送方式が,56年12月に千葉市で実用化された。
 一方,国際電電においては,56年度中に382億円の設備投資が行われ,新中央局(栃木県小山市)及び茨城衛星通信所に海事衛星運用管制用設備の建設等が行われた。
 56年度の事業経営状況についてみると,電電公社は総収入4兆1,671億円,総支出3兆8,114億円で,差し引き3,558億円の収支差額を生じた。また,国際電電については,総収入1,712億円,総支出1,575億円で収支差額は137億円となった。
 

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