昭和57年版 通信白書

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3 東北・上越新幹線列車無線

東北・上越新幹線には,東海道・山陽新幹線で使用されている列車無線,防護無線,構内無線,保守用車接近警報無線,その他の連絡用無線が設備さているが,このうち列車無線については,そのシステムに違いをもたせている。東海道・山陽新幹線の列車無線システムは基地局と移動局間を原則として空間波により接続し,トンネルのように空間波が伝搬しにくい区間に限って漏えい同軸ケーブル(LCX)を利用して無線回線を構成しているが,これに対して東北・上越新幹線の列車無線システムは全線にLCXを布設している。このため東北・上越新幹線では,空間波方式では得にくい高品質で安定な回線の提供が可能である。
列車無線の通信形態は,基地局から移動局へは24ch容量の多重通信路,移動局から基地局へは単一通信路といった組み合せであり,いずれも400MHz帯の周波数を使用している。開業時の回線数は,列車指令系4ch,旅客指令系2ch,業務公衆系6ch及びデータ通信系3chである。列車及び業務の指令電話は中央指令所と列車乗務員の列車・運転旅客サービスに関する通話,業務電話は列車乗務員と国鉄業務機関との通話,データ通信は車両の故障情報,列車無線の故障情報及び列車位置を中央指令所へ伝送する機能を持っている。公衆電話は列車からの発信が100円硬貨投入によるプッシュダイアル方式の自動発信で全国のどこにでもかけられるようになり,列車着信は交換台扱いである。また通話を確保するために使用中chは他列車が使用できないように,自ゾーン(基地局のサービスエリアであり,約20km),進行方向の前方2ゾーン及び後方1ゾーンの計4ゾーンに対して閉塞をかけている。

第2-7-9表 新幹線列車無線の方式・機能・性能

 

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