昭和57年版 通信白書

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8 緊急放送システム

災害時における予報・警報等の緊急情報を迅速,正確に住民に周知する手段としては放送が最も効果的である。しかしながら,放送の場合,深夜等ラジオ・テレビ受信機のスイッチが入っていない時には受信されないという欠点がある。
この問題を解決するため,コードデータ放送の一種である緊急放送システムの開発が郵政省の電波技術審議会を中心に進められている。
このシステムは,テレビやラジオの放送電波に特定の信号(緊急警報信号)を乗せて放送することにより,受信者の備えるアダプター(緊急警報信号受信機)を用いて自動的にテレビやラジオのスイッチを入れ,更に警報音を鳴らす方式のものである。
郵政省では55年1月,郵政省,NHK,民放事業者等を構成員とする「緊急放送システム技術懇談会」を設置し,緊息放送システムについて予想される利用形態,望ましい信号方式等について予備的検討を行った。さらに,55年3月電波技術審議会に「放送電波に重畳する緊急警報信号に関する技術的条件」について諮問を行い,56年3月,同審議会からその一部である「緊急警報信号方式の基本について」の答申を得た。同審議会は,56年度から野外実験による調査結果を審議に反映させながら技術基準の審議を進めてきたが,同一周波数の他の放送局のサービスエリア内の一部においても受信機が動作することが明らかとなったので,地域区分コードを設定するなどの不要動作対策を講ずるため,57年度も継続して審議を行い,できるだけ早期に完結することを予定している。

 

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