昭和57年版 通信白書

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3 通信用電源技術

 電気通信ネットワークの拡大と質的高度化に伴い,通信用電源システムには,良質で安定度の高い電力を,経済的に供給する責務が一段と増大してきている。また,省資源・省エネルギーの見地から,小形・軽量化や高効率化に対する配慮も強く要望されている。
 このような状況の下で,直流供給方式については,給電品質の向上と給電線コストの低減を図った電圧変換直流供給方式が実用化された。また,集積回路を大量に使用した通信装置に,高精度な低電圧直流電力を供給するため,変換周波数を高くした小形・高効率で信頼度の高いDC-DCコンバータの開発が進められている。
 高品質の無停電電源を供給する交流供給方式については,多重インバータ,PWM(Pulse Width Modulation)インバータ及びCVT(Constant Voltage Transformer)インバータに引き続いて,経済的で効率の高い商用同期式インバータの実用化が行われた。
 また,商用電源の得難い地域において,経済的で安定な通信電源を得るため,既に実用化されている太陽電池式電源装置に加えて,風力エネルギーを利用する風力発電式電源装置の開発を進めており,57年度末から商用試験が予定されている。
 その他,災害時における通信用電源確保対策として,小形でヘリコプターによる輸送が可能な可搬形ガスタービン発電装置が実用化された。
 さらに,大規模化するとともに複雑化・高度化する重要な通信用電源システムを良好に維持管理するため,その保守作業を効率的に支援する新しい技術も求められている。これに応えるため,無人局の電力装置を遠隔で監視するシステムの開発や,設備の有効利用と維持管理の省力化についての調査研究が行われている。

 

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