昭和58年版 通信白書

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第1節 情報通信をめぐる国際的動向

 情報通信に関する問題は,近年,先進国,開発途上国を問わずクローズアップされてきている。
 しかし,情報流通の自由と均衡に関する主張には,世界的にみて大きな相違があり,さらに南北問題や東西問題とも絡み,複雑な国際問題を引き起こしている。
 弟1に,先進国と開発途上国との間の問題としては,情報や文化の流れが先進国から開発途上国へと一方的なものとなっており,情報流通の不均衡,通信インフラストラクチャーの南北格差が,大きな問題となっている。
 第2に,先進国間における問題としては,西側先進国間においては通信とコンピュータとが結合したグローバルなネットワークの出現に伴い,コンピュータ利用の面で優越的地位に立つ特定国へ情報が集中することによって生ずる問題,すなわち越境データ流通等の問題が出現してきている。これらの問題は,当初,各国のプライバシー保護対策の問題として,また最近においては,情報通信産業等戦略産業の育成,先端技術の振興に関する問題等とのかかわりで取り上げられている。また,主として西側自由主義国と,ソ連を中心とする社会主義国との間においては,情報流通の自由等に対する考えの相違があり,新聞社や通信社の報道の在り方,直接放送衛星による外国向け放送等に関する政府の責任の在り方が問題となっている。

 

 

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