昭和58年版 通信白書

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4 電離層観測衛星の運用

 53年2月16日に打ち上げられた電離層観測衛星(ISS-b「うめ2号」)は,搭載ミッション機器のすべてが正常に動作するものの,太陽電池の発電能力の低下により電離層及び電波雑音の世界分布観測を目的とした正規の運用モードを維持することが困難な状態となっていた。電波研究所は,ハウスキーピング(HK)データによる電力解析に基づき,日本上空における可視時間観測を中心とした運用を行い,鹿島局でミッションデータを取得していたが,電源系の能力低下がさらに進んだため,57年7月12日,ビーコン波を停止し,58年2月23日には,すべての運用を終了した。
 データの処理・解析は電波研究所本所で行い,電離層観測ミシションでは,イオノグラムから読み取られた電離層臨界周波数を基にしてその世界分布図を作成したほか,宇宙通信用電波のシンチレーションの原因となる電子密度不規則分布を統計的に調査し,世界の分布状況を明らかにした。

 

 

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