昭和58年版 通信白書

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10 漁業新通信システム

 現在,我が国の沿岸漁業に主として従事している総トン数10トン未満の漁船の船舶局は5万1,623局(57年3月31日現在)あり,主に26MHz帯及び27MHz帯のIWDSBの無線設備を設置して操業上の安全の確保と漁業経営の円滑な運営等に大きな役割を果たしている。
 一方,最近においては,操業に関する打合せ等の通信量の増加に伴い,陸上の施設と直接通話ができるシステムが要望されていた。
 漁業新通信システムは,この要望に対処し,58年6月15日から導入したもので,その主な諸元は,第2-7-10表のとおりである。この通信システムは,海岸局から50〜60kmの海域をサービスエリアとするものであるが,船舶から陸上の施設と通信する回線は,半複信方式の無線回線と公衆通信回線とが,海岸局に設置された手動方式の有無線連絡装置により接続され,海岸局と船舶局との連絡設定には,選択呼出技術を採用していることから,通信回線の秘匿性が確保されている。また,船舶局の無線設備においては,シンセサイザー技術を採用して,多数のチャンネルが使用できる構成とするとともに,機器の安定化及び低廉化が図られている。
 さらに,海岸局と船舶局との間及び船舶局相互間の通信は,現行の26MHz帯及び27MHz帯の1WDSBと同様な通信形態で確保できる。したがって,この通信システムは,まだ海岸局を開設していない地域及び船舶局を開設していない小型漁船にまで広く普及するものと予想される。

第2-7-10表 漁業新通信システムの主な諸元

 

 

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