昭和58年版 通信白書

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4 ディジタル交換

 交換機のディジタル化によりディジタル伝送路と一体となって,通話品質の向上及び網全体の経済化を図ることができるばかりでなく,加入者線のディジタル化により,高速非電話サービスの提供あるいは電話と非電話サービスの同時提供といったサービス面での利便向上が期待できる。
 このようなディジタル交換機について電電公社では大局用の中継線交換機であるD60形自動交換機の商用試験を56年から4局で順次開始し,57年12月には大手町局で最初のサービスを開始した。
 引き続き,加入者線交換機及び中継線交換機機能を併せ持つD70形自動交換機の商用試験を57年から全国で開始し,58年10月には青森局で最初のサービスを開始した。
 一方,これらの技術をベースとしディジタル加入者線用インタフェースを持ったディジタル加入者線交換機をはじめ,通信処理用関門交換機能を有するディジタル中継交換機,音声蓄積サービス用の通信処理装置等の技術の確立を進めており,これらの交換技術をはじめ,各分野にわたる新しい技術を確認するため,電電公社では57年度より東京,三鷹地区を中心に高度情報通信システム(INS)のモデルシステムを実際に構築し調査を開始した。
 国際電電では,近い将来の本格的な国際通信網のディジタル総合化に対応するため,新型の国際関門局用ディジタル交換機の研究開発とディジタル共通線信号方式No.7の実証的検討が進められている。
 ディジタル交換機については,万一の障害に際してもサービス中断がない高い信頼性と,規模の拡張と機能の拡充に対する高い柔軟性を具備するシステムを実現することを目標として,汎用マイクロプロセッサによる分散制御方式のディジタル交換機IDS(International Distributed Switching System)が試作された。さらに,本システムのソフトウェアに対する高級言語(C言語)の適用性の評価が行われている。
 信号方式については,近年標準化されたCCITTNo.7信号方式を上記IDSに実装し,実証実験が行われている。さらに,これを用いて,58年8月から同信号方式の日本/オーストラリア間対向試験が開始された。

 

 

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