昭和58年版 通信白書

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3 テレテックス通信

 テレテックスは,文書作成・編集機能及び通信機能を有する端末装置相互間の文書通信に関しCCITTが定めた国際的な標準通信方式であり,ワードプロセッサに通信機能を付加したものと言える。テレテックスは,従来からの記録通信方式であるテレックス(加入電信)と比べ,情報の伝送速度が速いこと,使用できる文字数が多いこと,伝送する文書がページ単位であり文書体裁が優れていることなどの特徴を有しているため,事務用の新しい文書通信方式として注目されている。
 テレテックスの標準化については,1980年に開催されたCCITT第7回総会においてラテンアルファベット文字を基本とし日本語等非アルファベット文字の使用に対する拡張性を考慮した勧告が採択されている。これを受けて西独,カナダではサービスを開始しているほか,他の欧米諸国でも実用化への準備が進められている。
 我が国においては,近年,日本語情報処理技術の進展とともにオフィス・オートメーション(OA)の中核として日本語ワードプロセッサが数多く使用されるようになり,より高度なOAの展開を図るためこれらの装置を通信回線で結び文書伝送の効率化を図る気運にある。
 郵政省では,このような状況を背景に,我が国におけるテレテックスの健全な発展・普及を図るため,異なるメーカで製造された端末装置間の相互通信を確保すべく,日本語の取扱いに適したテレテックス,すなわち日本語テレテックスの標準通信方式の検討を,関係機関の協力を得て56年度から実施した。
 日本語テレテックスに関する推奨通信方式について,郵政省は58年10月の電気通信審議会の答申を受けて,58年11月日本語テレテックス装置推奨通信方式として告示した。テレテックスとファクシミリは,当面は各々の特徴を生かして独自の分野で利用されるが,将来は両者の融合形態が登場するものと予測される。

 

 

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