昭和60年版 通信白書

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3 第一種電気通信事業への参入の動向

(1)第一種電気通信事業への進出

 郵政大臣は,60年6月21日,第二電電株式会社,日本テレコム株式会社,日本高速通信株式会社,日本通信衛星株式会社及び宇宙通信株式会社の5社に対し,事業法施行後初の第一種電気通信事業の許可を行った。
 これは,各社から提出されていた第一種電気通信事業許可申請書について,事業法に定められた手続に従って審査した後,電気通信審議会に諮問し,その答申を受けて郵政大臣が許可を行ったものである。電気通信事業分野に新規参入を果たすことは,我が国においては未踏の分野への進出であり,大きな意義を有している。第一種電気通信事業者には,これを単なるビジネスチャンスに終わらせず,高度情報社会への転換という時代の変革を担う電気通信事業者としての自覚と事業の健全な発展が望まれる。

(2)予想される事業展開

 第一種電気通信事業の許可を受けた5社の概要は,第1-1-3表のとおりである。
 (地上系3社は61年秋からサービス開始)
 地上に電気通信設備を設置してサービスの提供を計画しているのは,第二電電(株),日本テレコム(株)及び日本高速通信(株)の3社である。
 第二電電(株)は,東京-名古屋-大阪間を幹線としてマイクロ無線局11局を建設し,61年12月から専用サービス,62年10月から電話サービスを開始する計画である。日本テレコム(株)は,第1期として東海道新幹線沿いに,また、第2期として山陽,東北,上越新幹線沿いに光ファイバケーブルを敷設し,61年10月から専用サービス,62年10月から電話サ-ビスを開始する計画である。日本高速通信(株)は,東名,名神高速道路沿いに光ファイバケーブルを敷設し,61年11月から専用サービス,62年9月から電話サービスを開始する計画である。
 (衛星系2社は63年春からサービス開始)
 一方,通信衛星を用いて,サービスの提供を計画している2社のうち,日本通信衛星(株)は,米国ヒューズ・エアクラフト社製の衛星2基を購入して打ち上げ,63年2月から専用サービスを開始する計画である。なお,通信衛星等購入の契約は,60年6月に結ばれており,Kuバンドを使用することとなっている。
 宇宙通信(株)では,米国フォード・エアロスペース社製の衛星2基を購入して打ち上げ,63年4月から専用サービスを開始する計画である。なお,同社の衛星はKa,Ku両バンドを使用することとなっている。

第1-1-3表 新規参入第一種電気通信事業者の概要(60年8月末現在)

 

 

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