昭和60年版 通信白書

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5 新しい通信ネットワーク

 これまで,通信ネットワークについては,電話網をはじめとする各種の通信網が個別に構成されてきた。しかし,最近では,通信技術の飛躍的進歩を背景として,これらの通信網をーつのネットワークに統合し,このネットワークを基礎として,音声,データ,画像等の種々のサービスを総合的に提供するサービス総合デイジタル網(<1>ntegrated Services Digital Network:ISDN)の構築が重要課題であると考えられてきている。我が国においてもこの流れの一環として,NTTによりINS(Information Network System:高度情報通信システム)構想が進められている。
 (INSモデルシステムの実験開始)
 59年9月,三鷹・武蔵野地区において,INSモデルシステムの実験が62年3月末までの予定で開始された。
 このモデルシステムは,INS実現のための各種技術試験及びINSにより提供されるサービスの有用性,経済性の把握等を目的としたものである。
 60年4月からは実験も第2期に入り,モニタの数が360人から550人へと増加されたほか,提供されるサービスも拡充が図られ,ホームバンキング,ホームショッピング等が加えられた。
 (日本縦貫光ファイバケーブルの完成)
 こうしたINSモデルシステムの実験とともに,電電公社は全国的INSの形成に向けてネットワークのディジタル化を積極的に進め,60年2月には旭川と鹿児島を結ぶ「日本縦貫光ファイバケーブル」を完成した(第2-1-13図参照)。
 INSネットワークの基幹としての役割を担うこの日本縦貫ルートは,約3,400kmの長さにわたって34都市を結んでいる。また,伝送能力は電話級換算約7万回線分となっている。
 今後は,日本縦貫ルートをベースに,全国の主要都市相互間をディジタル化するなど,ネットワークの統合化を進めていくこととしている。

第2-1-13図 日本縦貫光ファイバケーブル伝送路概略図

 

 

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