1 |
防災関係計画の見直し
[仕組み]
○ |
災害対策基本法及び大規模地震対策特別措置法により、地震防災を担当する国の機関(指定行政機関)や出先ブロック機関(指定地方行政機関)は「地震防災業務計画」の作成、医療機関は「地震防災応急計画」の作成が必要。 |
○ |
また、「東海地震の地震防災対策強化地域に係る地震防災基本計画」(以下「基本計画」という。)により、「注意情報」を発表する新たな情報体系が平成16年1月5日から施行となり、関係する機関は、これに合わせた地震防災業務計画等の見直しが必要。 |
[問題点]
○ |
「地震防災応急計画」の見直しがなされていない(2機関) |
○ |
対策本部等の構成員等の非常参集基準や業務分担が不明確なため、対策本部等が十分機能するか危惧される(1機関) |
[改善所見]
1) |
新たな情報体系を踏まえ、現行の計画を見直すこと(国立東静病院、国立療養所富士病院)。 |
2) |
対策本部等の構成員等の参集基準や業務分担を明確化するよう、現行の実施要領を見直すこと(静岡労働局)。 |
|
|
2 |
防災訓練の的確な実施
[仕組み]
○ |
関係機関は、防災訓練に関する事項を地震防災業務計画等に定め、防災訓練を実施することが必要。 |
○ |
基本計画の内容
1) |
毎年1回以上防災訓練を実施。実施内容、方法を明示。他の計画主体と共同での実施に配慮。 |
2) |
訓練内容は、警戒宣言前の準備体制、警戒宣言に伴う地震防災応急対策及び地震発生後の災害応急対策の実施。 |
|
[問題点]
○ |
自ら計画で定めた訓練を行っていない。訓練に長期未参加職員(1機関) |
○ |
内容の一部が共通する消防訓練を毎年複数回実施しているが、地震防災訓練は回数不足(1機関) |
○ |
夜間・休日等勤務時間外に地震に係る情報が発表、発令された場合や地震が発生した場合を想定した職員の非常参集訓練が未実施(3機関)、緊急連絡訓練は実施しているが非常参集訓練が未実施(2機関) |
[改善所見]
1) |
定められた地震防災訓練を的確に実施するとともに、長期間訓練に参加しない職員が発生しないよう措置すること(国立療養所富士病院)。 |
2) |
消防訓練に地震防災訓練の内容を付加するなど訓練内容を工夫し、定められた地震防災訓練を的確に実施すること(国立東静病院)。 |
3) |
地震に係る情報が発表又は発令された場合等に対策本部等が機能するかどうかを検証するため、勤務時間外を想定した非常参集訓練の実施を訓練計画に組み込むなど、より実践的な訓練とすること(静岡労働局、静岡運輸支局、浜松医科大学附属病院、国立東静病院、国立療養所富士病院)。 |
|
|
3 |
非常時における通信手段の確保
[仕組み]
○ |
基本計画では、地震予知情報等の伝達等に関して、次の点を規定。
1) |
各計画主体の機関相互間等において、確実に情報が伝達されるようその経路及び方
法を具体的に明示すること |
2) |
これを定めるに当たっては、防災関係機関等の特定の電話以外の公衆通信は規制される場合があることを考慮すること |
|
○ |
電気通信事業法は、電気通信事業者に対し、災害時優先電話の提供を規定。 |
[問題点]
○ |
固定電話及び携帯電話を保有しているが、災害時優先電話の登録は固定電話のみ(1機関) |
○ |
固定電話及び防災無線を保有し、固定電話に係る災害時優先電話の登録を行っているが、防災無線では、職員や上部機関との直接連絡は不可能(1機関) |
[改善所見]
1) |
確実に情報を伝達する手段を確保するため、保有する携帯電話について災害時優先電話の登録を行うこと(静岡労働局)。 |
2) |
確実に情報を伝達する手段を確保するため、固定電話以外に携帯電話等を保有し、それに係る災害時優先電話の登録を行うこと(国立療養所富士病院)。 |
|
|
4 |
被災者等に対する庁舎の活用
[仕組み]
○ |
阪神・淡路大震災において、国の出先機関の庁舎が被災者の避難所として一時的に使用されたケースあり。静岡県内でみると、「市町村地域防災計画」により、国立大学や附属小・中学校が一次避難地に、国の合同庁舎が津波避難ビルに指定されているケースあり。 |
○ |
一方、基本計画では、帰宅困難者に対する対応が新たに規定。こうした状況から、国の機関においても、被災者等への対応を明確化しておくことは、地震防災応急対策を円滑に実施する上からも重要。 |
[問題点]
○ |
合同庁舎として、被災者等への庁舎の活用について具体的な対応が明確になっておらず、また入居官署との間でその取り扱いを検討していない(4機関) |
○ |
被災者等に対する出先機関の庁舎の活用について、具体的な対応を定めていない(2機関) |
[改善所見]
1) |
合同庁舎として、入居機関と協議のうえ被災者等の受け入れの可否を明確にするとともに、受け入れる場合においては、入居機関と連携を図って被災者等への円滑な対応を行うため、庁舎の活用について措置すること
(静岡財務事務所、静岡行政評価事務所、静岡地方法務局、静岡労働局)。 |
2) |
出先機関の庁舎における被災者等の受け入れの可否を明確にするとともに、受け入れる場合においては、被災者等への円滑な対応を行うため、庁舎の活用について、措置すること(静岡地方法務局、静岡労働局)。 |
|
|
5 |
庁舎の耐震対策の的確な実施
[仕組み]
○ |
「東海地震対策大綱」(平成15年5月29日中央防災会議決定)において、公共施設の耐震診断や耐震化の緊急実施が求められ、学校、病院、市役所等については、診断の実施や結果の公表が必要。 |
○ |
上記大綱を受け、「東海地震緊急対策方針」(平成15年7月29日閣議決定)により、学校、病院、市役所等の公共施設の耐震診断を平成17年度を目途に実施し、耐震補強等を図り、その結果を公表するよう必要な措置を講ずるとされた。 |
○ |
また、平成8年度には、官庁施設として必要な耐震性を確保する目的で、「官庁施設の総合耐震計画基準」が制定され、官庁施設についての耐震安全性の目標が規定。 |
[問題点]
○ |
管理する病棟等9棟のうち8棟について耐震診断を実施していないものや、検討はしているものの、出先15庁舎のうち10庁舎について耐震診断を実施していないものがみられた(2機関) |
[改善所見]
所定の耐震安全性を確保していないおそれのある官庁施設であって、耐震診断が未実施となっているものについては、緊急度の高い施設から優先的に耐震診断を実施するよう措置する必要がある(国立療養所富士病院、静岡地方法務局)。 |
|