(資料)


労働者派遣事業の仕組み
   労働者派遣事業とは、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて、この派遣先のために労働に従事させることを業として行うもの。
労働者派遣契約の図

愛媛県内における労働者派遣事業の事業所数の推移
単位:事業所
年度
区分
平成8 平成9 平成10 平成11 平成12 平成13
  一般     20 20 23 27 35 40
特定 53 53 54 60 67 68
73
(100)
73
(100)
77
(105)
87
(119)
102
(140)
108
(148)
(注)事業所数は年度末の数(平成13年度については8月1日現在)。

派遣労働者19人からの意見の内容
(1) 業務内容の明示状況について
 
Q1.業務内容は就業条件明示書等で示されているか。
Q1.業務内容は就業条件明示書等で示されているかについてのグラフ
【主な意見】
明示書で示されるはずだが、見たことがない。
明示書の存在を知らなかった。
Q2.明示書等の記載で十分だと思うか。
Q2.明示書等の記載で十分だと思うかについてのグラフ
【主な意見】
明示された内容が具体的でなく、実際の仕事とギャップがある。
明示書がなく、業務内容は口頭で伝えられている。
実際に派遣先で打ち合わせを行ってみないと、業務内容が分からない。
Q3.契約外の業務を行うことはないか。
Q3.契約外の業務を行うことはないかについてのグラフ
【主な意見】
契約以外の業務があり、許容量を越えている。
契約内容と全く違う仕事を押しつけられ、抗議したら派遣先から嫌がらせを受けたことがある。
常識の範囲内で実施。契約外という意識はない。
(2) 派遣労働者の苦情への対応状況について
 
Q.苦情や相談に派遣元や派遣先が対応してくれているか。
Q.苦情や相談に派遣元や派遣先が対応してくれているかについのグラフ
【主な意見】
派遣元担当者が忙しいため相談の時間をとってくれない。
派遣先は直属の上司であるため相談できず、派遣元も最初のうちしか対応してくれない。
派遣元担当者は派遣社員の立場に立って派遣先と交渉してくれる。
(3) 時間外労働等の就労管理状況について
 
Q.時間外労働等の就労管理は適切に行われているか。
Q.時間外労働等の就労管理は適切に行われているかについのグラフ
【主な意見】
4週30時間までの残業となっているが、最近2カ月間で各月30時間以上残業させられており体力的にも限界を感じている。
(4) 事前面接等派遣労働者の特定行為について
 
Q1.派遣が決まる前に、派遣先で事前面接や試験はなかったか。
Q1.派遣が決まる前に、派遣先で事前面接や試験はなかったかについのグラフ
【主な意見】
顔合わせ形式の簡単な面接があった。
派遣元が履歴書を提出し、派遣が決定する直前に面接があった。
履歴書を提出した後の面接で、不採用となる場合もあると聞いて驚いた。
Q2.事前面接等についてどう考えるか。
Q2.事前面接等についてどう考えるかについのグラフ
【主な意見】
面接、試験の際に学歴や結婚予定などのプライバシーを聞かれるのは不愉快。
容姿・年齢・学歴等で品定めされることに憤慨。
事前面接は普通だと思う。働く場所、上司を見て判断できる。
(5) その他の意見
 
派遣スタッフを都合のよい労働力として扱い、気に入らなければ平気で契約を打ち切る会社もある。派遣先企業の意識改革が必要。
契約途中に個人の都合で辞めた場合、次の仕事を紹介してもらえないのではないかと不安。
更新の時に派遣先の都合が優先される。
契約と異なる部分があっても、申し立てをすると契約打ち切りになるのではないかと不安で、言い出せない。

労働者派遣事業に係る関係法令等の説明

(1)  派遣労働者の就業条件の確保等
 
  派遣労働者の就業条件の確保
 ( ア)    労働者派遣契約を締結するに当たっては、派遣労働者の就業の安定を図るため、従事する業務内容、時間外労働の時間数などの所定の事項を定める必要がある。(法第26条、同法施行規則)
 ( イ)    派遣契約書及び就業条件明示書に記載する「従事する業務内容」については、派遣元事業主、派遣先及び派遣労働者の三者間において就業条件を明確化し、トラブルの発生を防止するため、できる限り詳細に記載すること等が求められている。(労働者派遣事業関係業務取扱要領(以下「取扱要領」という。))
 ( ウ)    派遣先事業所は、派遣労働者を直接指揮命令する者に対し、派遣契約の内容に違反する指示を行わないよう、指導の徹底を図ることが求められている。(派遣先が講ずべき措置に関する指針(以下「派遣先指針」という。))

  派遣先事業所による派遣労働者の特定行為
 ( ア)    労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。(法第26条)
 ( イ)    派遣先事業所による派遣労働者を特定する行為としては、派遣に先立っての面接、履歴書の入手、若年者の限定などである。(派遣先指針)
 ( ウ)    また、派遣元事業所は、これらの行為に協力してはならず、派遣先指針を含む関係法令を関係者に周知する立場にある。(派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針(以下「派遣元指針」という。)
 ( エ)    本来、労働者の雇用責任は派遣元事業所にあり、派遣先事業所は、派遣元事業所に一定の業務遂行能力をもつ労働者の派遣を要請するに止まる。派遣先事業所による事前面接、履歴書による選別、あるいは若年・女性希望などの一種の採用行為は、この原則に反する。

  派遣期間の遵守
 ( ア)    一般派遣元事業所は、労働者派遣法施行令第4条で定める業務(いわゆる26業務)について労働者派遣を行う場合には、建築物清掃等一部の業務を除き、合理的な理由なく同一の派遣労働者について就業の場所及び従事する業務が同一の労働者派遣を継続して3年を超えて行わないこととされている。(取扱要領)
 ( イ)    派遣期間の制限の趣旨は、派遣先に常用雇用される労働者の派遣労働者による代替を防止することにあり、3年を超えて引き続き同一の業務に継続して派遣労働者を従事させるような場合は、本来は直接雇用することが望ましい。(取扱要領)

(2)  派遣元事業所及び派遣先事業所における事務の適正化
 
   派遣元事業主は、派遣労働者に係る社会保険の適用状況等を書面で派遣先へ通知すること(法第35条)、派遣就業に関し派遣元管理台帳を作成し、派遣期間、業務の種類等法定事項を記録すること(法第37条)とされている。

   平成1112月に労働者派遣法が改正され、派遣労働者の個人情報の適正管理の観点から、派遣元事業主は、個人情報を扱う職員の範囲等を定めた個人情報適正管理規程の作成が義務付けられている。(法第24条、派遣元指針)

   派遣先事業所においても、派遣先責任者を選任するとともに(法第41条)、派遣先管理台帳を整備することにより(法第42条)、派遣先における派遣労働者の適正な就労管理を行うよう求められている。