1 |
取得した機器の利活用状況について
機器の利用が低調又は未利用であった場合には、利用の促進を図るとともに、購入時において、必要性の検討状況及び書類等の確認状況を検証し、その結果を今後の機器購入にいかす必要がある。
今回の調査において、次のような事例がみられた。
(1) |
利用促進を図る必要のある機器の例
○ |
機器を使用していた教官の異動・退官又は汎用性のある機器であることの周知が不十分なため利用が低調となっているにもかかわらず、機器を利用したいとする教官等を把握し利用させるなどの措置を講じていないもの。 |
○ |
受託研究のために購入した機器で、受託研究テーマの成果を報告後、新たな研究テーマを選定するまでの間、利用が低調となっているにもかかわらず、機器利用についての周知などを行っていないもの。 |
○ |
教官が、機器購入後数箇月にわたり、当該機器の操作訓練、機能把握訓練を行っており、購入目的である研究を開始するに至っていないもの。
|
|
|
〔改善意見〕
効率的利用促進余地のある機器については、次のような措置を講ずること。
1) |
学内LAN等により、機器名、規格、利用申込手続等を周知する。 |
2) |
教官の異動等が原因である機器については、その利用実態を把握し、供用換、管理換を含めた利用促進のための措置を講ずる。 |
3) |
構造の特殊性等が原因の機器については、改造等についても検討する。 |
|
|
|
(2) |
購入時において、必要性の検討、書類等の的確な確認が必要な機器の例
○ |
既存機器の活用方法を十分確認せず、教官の要望する機器を購入したため、既存機器が未利用のままとなっているもの。 |
○ |
購入に当たり、研究に不可欠である消耗品の種類の確認を十分行わなかったため異なった消耗品が納品され、購入目的である研究についての利用が低調となっているもの。 |
○ |
機器購入にあたり、教官から提出された調達物品に必要な性能と機器仕様書に記載された性能が異なっていたことから、結果として、必要な性能以上の機器を購入しているもの。
|
|
|
〔改善意見〕
新たに購入しようとする機器については、次のような措置を講ずること。
1) |
教官から、新たに購入する理由及び既存機器を利用できない理由、付属品・消耗品の種類等に関する意向を十分把握した上で的確に調達する。 |
2) |
機器の機能・性能に係る関係書類の内容を的確に確認した上で調達する。 |
|
|
2 |
機器購入に当たっての契約事務について
(1) |
銘柄の指定・例示
会計法の解釈、公正取引委員会意見等において、真にやむを得ない事情がある場合を除き特定銘柄の指定及び例示は避けるべきであり、やむを得ず銘柄例示を行う場合には、例示する銘柄の数を多くすることが望ましいとされている。
(注) |
「銘柄指定」とは、仕様書において、商標、商号、デザイン、製造業者等を特定すること。
「銘柄例示」とは、仕様書に「○○(銘柄名)又はこれと同等品」と表記すること。 |
今回の調査において、抽出調査した一般競争契約のうち、応札企業が1社のみとなっているものの中に、次のような事例がみられた。
○ |
銘柄指定による入札を行っているが、指定対象製品は、国立学校があらかじめ選定した製品から選ばれており、法令解釈等が求める「真にやむを得ない事情」であることを客観的に説明できるものとなっていないもの。 |
○ |
銘柄例示による入札を行っているが、例示された製品以外での応札事例が皆無であり、事実上、銘柄指定と同様の結果となっているほか、例示された銘柄の製品を選定した根拠が書類上明らかとなっていないもの。
|
|
|
〔改善意見〕
調達契約の競争性及び公正性を確保するため、次の措置を講ずること。
1) |
銘柄指定は、既設機器との互換性、整合性等が必要であるなどやむを得ない場合に限定し、その理由を客観的に説明できるようにすること。 |
2) |
銘柄例示は、例示数を可能な限り多くし、これが困難な場合はその理由を客観的に説明できるようにするなどの工夫をすること。 |
|
|
|
(2) |
購入と賃借の経費比較
3国立学校のうち2校は、複写機の調達に際し、購入時と賃借時の経費比較を行っている。
しかし、他の1校は、経費比較をすることなく購入により調達しており、賃借契約内容によっては、購入経費が賃借経費より割高となる可能性がある。
|
|
〔改善意見〕
複写機の調達に当たっては、購入経費と賃借経費を比較検討し、割安な調達手段を選択すること。 |
|
|
|