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過去の被害に対する調停申請について

ちょうせい第21号(平成12年5月)より

Q&A こんなときは? 第12回

 公害紛争・苦情処理に携わる地方公共団体担当者の皆さんの疑問にお答えする「こんなときは?」のコーナーの第12回です。今回も最近寄せられたお問い合わせの中から、業務の参考となると思われるものを選んでお答えします。公害紛争処理制度等について疑問がありましたら当委員会事務局までおたずねください。

1 過去の被害に対する調停申請について

Q: 工事車両の通行により、住宅の壁、塀にひび割れが生じる被害を受けた者から調停申請の相談がありました。申請人は、今まで事業者と直接交渉を行っていましたが、このやり方では解決が困難であると考え、公害紛争処理制度の調停により解決を図ることを希望しています。現在は工事車両の通行はなく、騒音・振動の被害を受けることはありませんが、過去1年から2年前の被害についての損害賠償について調停を求めています。このように現在の被害ではなく、過去の被害について、調停申請を行うことは可能でしょうか。 

A: 公害紛争処理法第26条第1項では、「公害に係る被害について、損害賠償に関する紛争その他の民事上の紛争が生じた場合においては、当事者の一方又は双方は、……あっせん、調停又は仲裁の申請をすることができる。」とされており、民事上の紛争が生じていれば、現在被害を受けていないからといって、調停申請を妨げるものではありません。過去の1年から2年前の損害賠償について調停を行うことはもちろん可能です。
 ただし、民法上、不法行為による損害賠償請求権の時効期間は被害者等が加害者を知った時から3年とされています。
 なお、調停手続が打ち切られた場合には、その通知を受けた日から30日以内に調停の目的となった請求について、責任裁定を申請し、又は訴えを提起したときは、時効の中断及び出訴期間の遵守に関しては、調停の申請の時に、責任裁定の申請又は訴えの提起があったものとみなされ(公害紛争処理法第36条の2)、仮に調停が不調に終わっても、時効等について申請人の利益が害されることはありません。過去の被害についての調停申請について相談を受けた場合には、このことについても説明しておく必要があると思われます。

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