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成立した調停条項の公表は?

ちょうせい第18号(平成11年8月)より

Q&A こんなときは? 第9回

 公害紛争・苦情処理に携わる地方公共団体担当者の皆さんの疑問にお答えする「こんなときは?」のコーナーの第9回です。今回も最近寄せられたお問い合わせの中から、業務の参考となると思われるものをセレクトしてお答えします。公害紛争処理制度等について疑問がありましたら当委員会事務局までおたずねください。

1 成立した調停条項等の公表の可否

Q: 調停成立直後、調停委員会(又は公害審査会会長等)が報道機関等に対し、成立した調停条項等を公表することは可能ですか。また、調停委員会が当該調停事件につき合意の形成に努力したが、合意形成に至らず調停打切りとなった場合、その経過等について公表することは可能ですか。

A: 調停事件が基本的に私人間の紛争であるという性格及び調停手続を非公開としている公害紛争処理法第37条の趣旨を踏まえ、調停事件終結直後、成立した調停条項等を公表することについては慎重を期すべきです。また、打切り等により当該調停事件が不成立に終った場合の経過の公表は行うべきではありません。
 公害紛争処理法においては、調停委員会は調停手続を公開しない(第37条)こととされています。第37条の趣旨は、手続を非公開とすることにより当事者間の胸襟を開いた冷静な話合いの場を確保することにあると解されますが、非公開を制度的に保証している以上、手続の終結後においても、非公開の趣旨が及ぶことは言うまでもありません。
 しかしながら、公害紛争は単なる個人間の紛争に留まらない社会性、公共性を有しているので、その合意内容について一般市民から強い関心を持たれる場合も少なくなく、成立した調停条項が社会的意義を持つことも考えられます。このようなことが想定される事件についてもこれを一切公にしないとするのは法の真意ではないと考えられることから、事案に即し、当事者の意向も確認した上で調停委員会の慎重な判断の元に合意内容の公表等を行うことまでは否定されないものと考えます。
 一方、調停手続が打ち切られた場合は、当事者間に紛争が継続しており、一般には経過の公表に意義を認め難いことから、第37条の趣旨を踏まえ、公表することは適当ではないと考えます。
 公害等調整委員会においては、調停成立直後、その内容等について記者発表を行ったことは近時においてはありませんが、調停が成立した場合、当事者のプライバシー等に配慮を加えつつ、当該事件の調停条項を終結年度の公害紛争処理白書に掲載しています。

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