評価書(公害事件の処理)

 政策

公害事件の処理

 政策の目標、目的

多様化する公害紛争への対応を図り、公害事件の迅速かつ適正な処理を図る。

 評価の実施時期

平成14年6月

 評価の担当部局

公害等調整委員会事務局総務課

 政策の実施状況及び達成状況

 公害等調整委員会は、公害紛争処理法に基づき、あっせん、調停、仲裁、裁定により、公害紛争の迅速かつ適正な解決を図ることとされている。

 平成13年度に公害等調整委員会が新規に受け付けた公害事件は、調停事件3件及び責任裁定事件3件の計6件である。これらに前年度から繰り越された7件を加えた計13件(調停事件6件、裁定事件7件)が13年度に係属した。このうち4件(調停事件3件、裁定事件1件)が13年度中に終結し、残り9件は14年度に繰り越された。

【平成13年度に係属した公害事件】

(調停事件)

・不知火海沿岸における水俣病損害賠償調停申請事件(終結)

・中海本庄工区干陸事業水質汚濁被害等調停申請事件(2件)(終結)

・核融合科学研究所重水素実験中止調停申請事件(新規・2件)

・清瀬・新座低周波騒音被害等調停申請事件(新規)

(裁定事件)

・杉並区における不燃ゴミ中継施設健康被害原因裁定申請事件

・尾鷲市における養殖真珠被害責任裁定申請事件(終結)

・佐伯市における養殖真珠被害責任裁定申請事件

・奄美大島における漁業被害等責任裁定申請事件

・横浜市における振動・低周波音被害責任裁定申請事件(新規)

・深川市における低周波音被害責任裁定申請事件(新規)

・伊東市における製菓工場騒音・悪臭被害責任裁定申請事件(新規)

 係属した調停事件については、調停期日の開催、現地調査の実施等の調停手続を鋭意進めた。この結果、平成13年度中に、不知火海沿岸における水俣病損害賠償調停申請事件、中海本庄工区干陸事業水質汚濁被害等調停申請事件(2件)の計3件については、調停が成立し、事件は終結した。また、残りの3件については、事件の迅速かつ適正な処理を目指し、調停手続を鋭意実施中である。

 係属した裁定事件については、審問期日、証拠調べ期日の開催、現地調査の実施等の裁定手続を鋭意進めた。この結果、尾鷲市における養殖真珠被害責任裁定申請事件については、責任裁定を行い、事件は終結した。また、残りの6件についても、事件の迅速かつ適正な処理を目指し、裁定手続を鋭意実施中である。

 評価の観点

紛争処理手続が迅速かつ適正に行われたかどうか。

 評価を行う過程において使用した資料等

各事件の処理経過等に関する諸資料

 評価の結果

平成13年度において、3件の調停事件について調停が成立し、1件の裁定事件について裁定を行い、公害紛争処理の目的は、達成されたものと考える。

また、翌年度に繰り越された事件についても、鋭意手続を進めている最中であり、今後とも、事案の性質に応じた事件処理に努めることが必要である。



評価書(地方公共団体に対する指導等)

 政策

地方公共団体に対する指導等

 政策の目標、目的

都道府県公害審査会等との連絡協議、地方公共団体に対する指導等を行うことにより、公害紛争処理制度の円滑な運営、公害苦情処理の適切な処理の促進を図る。

 評価の実施時期

平成14年6月

 評価の担当部局

公害等調整委員会事務局総務課

 政策の実施状況及び達成状況

【公害紛争処理関係】

 公害紛争処理機関として、国に公害等調整委員会が置かれ、都道府県には公害審査会(公害審査会を設置しない県は都道府県。以下「審査会等」という。)が置かれており、公害紛争処理法により定められている管轄に従い、それぞれ独立して公害紛争の処理に当たっている。紛争の円滑な処理のためには、公害等調整委員会と審査会等との相互の情報交換・連絡協議に努めることが必要である。

 このため、公害等調整委員会では、審査会等の会長を対象とした「公害紛争処理連絡協議会」を平成13年6月7日から2日間にわたり開催し、情報及び意見の交換を行った。また、都道府県の公害紛争処理主管課長を対象とした「全国公害紛争処理主管課長会議」を14年1月31日から2日間にわたり開催し、公害紛争処理に関する情報及び意見の交換を行った。さらに、全国を6ブロックに分け、公害紛争処理担当者を対象とした「公害紛争処理関係ブロック会議」を1310月中旬から11月下旬にかけて開催し、情報及び意見の交換等を行った。

 また、審査会等から公害事件の受付及び処理状況の報告を聴取し、公害等調整委員会における事件の処理状況と併せて、整理及び分析し、審査会等に対して情報提供を行うほか、審査会等における事件処理の進め方等に関する相談に適宜対応してきた。

 なお、平成13年度における審査会等における公害紛争の受付・処理状況は、係属事件は80件(新規受付31件、前年度繰越49件)であり、うち28件が終結(調停成立9件、打切り18件、義務履行勧告1件)である。

【公害苦情処理関係】

 公害紛争処理法では、公害苦情の処理は地方公共団体の責務とされ、また、公害等調整委員会は、地方公共団体が行う公害に関する苦情の処理について指導等を行うこととされている。このため、公害等調整委員会では、苦情の件数、処理の実態等を把握するために必要な調査を行うとともに、公害苦情相談研究会等の開催、地方公共団体に対する情報・資料の提供等を行っている。

 全国の地方公共団体の公害苦情相談窓口が受け付けた公害苦情の受付状況や処理状況を把握することにより、公害苦情体を明らかにし、公害対策等の基礎資料を提供するとともに、 公害苦情処理事務の円滑な運営に資することを目的に「公害苦情調査」を行い、結果を公表するとともに、都道府県、市町村及びその他の関係機関に配布した。

 また、都道府県、市区町村の公害苦情相談者を対象とした「公害苦情相談研究会」を平成13年9月12日から3日間にわたり開催し、公害苦情処理の在り方について実例のグループ別研究、講義、講演等を行った。さらに、人口10万人以上の市の公害苦情相談員・苦情処理担当者を対象とした「公害苦情相談員等ブロック会議」を10月中旬から11月下旬にかけて開催し、公害苦情処理に関する情報及び意見の交換等を行った。

 その他、地方公共団体からの公害苦情処理に関する相談に適宜対応してきた。

 なお、平成12年度における地方公共団体における公害苦情の受付・処理状況は、受付件数が83,881件(前年度に比べて7,801件(10.3%)の増加)で、過去3番目に多い件数である。これに前年度から繰り越された9,376件を加えた93,257件が係属した。このうち、他の機関へ移送した苦情を除き、直接処理した苦情は78,829件で、処理率は86%である。

 評価の観点

公害紛争処理制度の円滑な運営、公害苦情処理の適切な処理が行われたか。

 評価を行う過程において使用した資料等

各種会議における資料、公害苦情調査結果報告書

 評価の結果

審査会等における公害紛争処理については、近年、おそれ事件、行政主体を当事者とする事件など、多種多様な事件が係属する中、各審査会等においてはそれぞれ適切な対応がなされている。

また、公害苦情処理についても、近年、公害規制対象外、公害規制基準内の苦情事案が多くなっている状況化においても、地方公共団体においては適切な対応がなされており、公害等調整委員会の目標は達成されたものと考える。

今後とも、地方公共団体が、多種多様な公害紛争や公害苦情に適切に対応できるように、適宜、指導等に努めることが必要。



評価書(鉱区禁止地域の指定)

 政策

鉱区禁止地域の指定

 政策の目標、目的

鉱区禁止地域指定請求事件の適切な処理を図ることにより、鉱業、採石業又は砂利採取業と一般公益又は農業、林業その他の産業との調整を図る。

 評価の実施時期

平成14年6月

 評価の担当部局

公害等調整委員会事務局総務課

 政策の実施状況及び達成状況

 鉱物資源の乏しい我が国においては、国内の鉱物資源の開発及び有効利用は国民経済上極めて重要であるが、国土が狭小であることから、有用な鉱物資源の埋蔵される地域にダム、農業用水池、温泉源等が存在したり、その地域が景勝地であることも多い。このような場合、鉱業と一般公益又はその他の産業との調整が必要である。そこで、当該地域を鉱業と一般公益又はその他の産業とのいずれの利用に供するのが適当かという見地から鉱区禁止地域を指定する手続(鉱区禁止地域の指定制度)が、鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律及び鉱業法により設けられている。

 平成13年度に公害等調整委員会に係属した事案は、徳山ダム関係地域の指定請求事件、渡良瀬遊水池関係地域の指定請求事件の2件である。このうち、徳山ダム関係地域指定請求事件については、鉱区禁止地域の指定の公示を行い、事件処理は終結した。

 徳山ダム関係地域指定請求事件については、昭和54年7月に建設大臣から指定請求がなされ、同年9月に指定請求の公示を行うなどの手続を進めた。その後、補償交渉等現地の事情から、建設省より、鉱区禁止地域指定手続を当分延期するよう申し出があり、また、徳山ダム建設事業審議委員会において審議が進められることとなったことから手続の保留の申し出がなされ、鉱区禁止地域の指定手続は差し控えていた。その後、同審議委員会から早期に完成させるべきとの意見を受けた建設省は、事業を継続して実施することを決定し、平成12年4月に同手続の再開要請がなされ、手続を再開した。

公害等調整委員会は、平成1310月3日に現地調査を実施するとともに、同月4日に公述人11名の出席の下に公聴会を開催した。また、利害関係人については、同月5日に鉱業権者1名、鉱業出願人2名、土地所有者1名の審問を行った。

前記の手続によって得られた資料等に基づき審査した結果、請求地域のうちダム及び貯水池等の保全に支障を与える地域を鉱区禁止地域に指定することを決定し、平成131219日付けで国土交通大臣及びその他の関係者に通知するとともに、翌14年1月10日に、官報で鉱区禁止地域の指定を公示した。

 なお、渡良瀬遊水池関係地域については、建設省がダム等事業に係る事業評価方策を試行し、今後の事業の進め方を判断するため、渡良瀬遊水池総合開発(II期)事業審議委員会において審議が進められることとなったこと等から、現在、手続を差し控えているところである。

 評価の観点

鉱区禁止地域の指定手続が法の趣旨に則り、適正に行われたかどうか。

 評価を行う過程において使用した資料等

鉱区禁止地域の指定手続に関する諸資料

 評価の結果

土地利用調整の観点から事案の審理手続を行い、徳山ダム関係地域については、目標は達成されたものと考える。

今後とも、事案の性質に応じた鉱区禁止地域の指定に努めることが必要である。



評価書(行政処分に対する不服の裁定)

 政策

行政処分に対する不服の裁定

 政策の目標、目的

不服の裁定事件の適切な処理を図ることにより、鉱業、採石業又は砂利採取業と一般公益又は農業、林業その他の産業との調整を図る。

 評価の実施時期

平成14年6月

 評価の担当部局

公害等調整委員会事務局総務課

 政策の実施状況及び達成状況

 公害等調整委員会は、鉱業法、採石法、砂利採取法等の法律に基づき、鉱業、採石業又は砂利採取業と一般公益又は農業、林業その他の産業とのいずれかの利益に係る行政処分に対する不服の裁定を行うことを通じ、鉱業等に係る土地利用の調整を図っている。このため、これらの行政処分については、行政不服申立てに関する一般法である行政不服審査法の適用が除外されており、専ら公害等調整委員会が、意見陳述、証拠調べ等準司法的な手続により不服の裁定を行っている。

 平成13年度に公害等調整委員会に係属した事件は、三重県知事がした開発行為許可処分取等取消裁定申請事件(平成13年(フ)第1号事件、平成13年(フ)第2号事件)の2件である。平成13年(フ)第1号事件については、翌14年4月に取下げで終結し、平成13年(フ)第2号については、裁定を行い終結した。

 公害等調整委員会では、上記事件の受付後、直ちに裁定委員会を設置し、審理手続を開始した。当事者の主張の整理、論点整理を行うとともに、3回の審理期日の開催、場所の検査の実施など審理手続を進めた。平成13年(フ)第1号事件については、事件の性質を踏まえ、手続外で当事者間の話合いを進めた結果、合意が成立し、その結果、裁定申請は取り下げられ、事件は終結した。また、平成13年(フ)第2号事件については、慎重な審理手続を進め、平成14年4月30日付けで裁定を行い、終結した。

 評価の観点

行政処分に対する不服の裁定手続が法の趣旨に則り、適正に行われたかどうか。

 評価を行う過程において使用した資料等

各事件についての処理経過等に関する諸資料

 評価の結果

各事件とも土地利用調整の観点から事案の審理手続を行い、目標は達成されたものと考える。

今後とも、事案の性質に応じた行政処分に対する不服の裁定に努めることが必要である。



評価書(土地収用法に基づく意見の申出等)

 政策

土地収用法に基づく意見の申出等

 政策の目標、目的

土地収用法に基づき適切な意見の申出等を行うことにより、土地利用に関する行政庁の適正な処分の確保を図る。

 評価の実施時期

平成14年6月

 評価の担当部局

公害等調整委員会事務局総務課

 政策の実施状況及び達成状況

 土地収用法の規定(土地収用法第27条第2項、第131条第1項)に基づき、国土交通大臣が(1)都道府県知事が事業認定を拒否した場合における国土交通大臣への事業認定の申請に対する処分、(2)国土交通大臣の事業認定に関する処分又は収用委員会の裁決についての異議申立て又は審査請求に対する決定又は裁決を行う際には、あらかじめ公害等調整委員会が、国土全般の有効な利用に資するため、土地利用の調整に関する観点から意見を述べることとされている。

 平成13年度に公害等調整委員会に係属した事案は、新規受付の26件である。事案を処分の種類別にみると、土地収用法に基づく事業認定に関する処分を不服とするものが2件、収用委員会の裁決を不服とするものが24件である。

 公害等調整委員会では、審査請求人(ないし異議申立人)及び処分庁の主張を整理し、証拠資料による事実確認等を行うこと等の審理手続を行い、国土交通大臣に対する回答内容の検討を行った。

 係属した26件のうち、23件について意見の申出を行い、1件は審査請求が取り下げられたことにより意見照会が取り下げられ、残り2件は翌年度に繰り越された(なお、繰り越された2件についても、平成14年5月中までに意見申出を行い、処理済みとなっている)。

 評価の観点

意見申出等の手続が適正に行われたかどうか。

 評価を行う過程において使用した資料等

意見申出等の手続に関する諸資料

 評価の結果

公害等調整委員会では土地利用調整の観点から事案の審理手続を行い、国土交通大臣に対する意見申出を行うことにより、目標は達成されたものと考える。

今後とも、事案の性質に応じた意見の申出に努めることが必要である。