参考6 視聴覚障害者向け放送普及行政の指針の概要 平成19年10月30日策定 1 策定の経緯 (1)平成9年に、郵政省(当時)は、2007年(平成19年)までに、新たに放送する字幕付与可能な放送番組の全てに字幕を付すことを目標とする、字幕放送普及行政の指針を策定。平成18年度実績では、字幕付与可能な放送時間に占める字幕放送時間の割合は、NHK(総合)で100%、民放キー5局平均で77.8%となった。  「字幕付与可能な放送番組」とは次に掲げる放送番組を除くすべての放送番組    (a) 技術的に字幕を付すことができない放送番組(例 現在のところのニュース、スポーツ中継等の生番組)    (b) オープンキャプション、手話等により音声を説明している放送番組(例 字幕付き映画、手話ニュース)    (c) 外国語の番組    (d) 大部分が歌唱・器楽演奏の音楽番組    (e) 権利処理上の理由等により字幕を付すことができない放送番組 (2) 総務省は、平成18年10月から平成19年3月まで「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会」を開催(座長:高橋紘士 立教大学大学院21世紀社会デザイン科教授)。 本年3月に公表した報告書において、平成20年度以降の視聴覚障害者向け放送の普及拡大に向けて、平成29年度(2017年度)までの新たな字幕・解説放送の行政指針の策定などが提言されたことを踏まえ、行政指針の策定を行うもの。 2 新たな行政指針について (1) 目標期間 平成20年度(2008年度)から平成29年度(2017年度) (技術動向等を踏まえて、策定から5年後を目途に見直しを行う。) (2)字幕放送について(平成9年策定の行政指針からの主な改正点) (a) 字幕付与可能な放送番組の定義を拡大し、新たに以下の放送番組を字幕付与可能な放送番組に含めることとする。また、新たに放送する放送番組だけでなく、再放送番組も含め、平成29年度(2017年度)までに、対象の放送番組の全てに字幕が付与されることを目標とする。 ・複数人が同時に会話を行う場合以外の生放送番組 ・手話により音声を説明している放送番組 ・大部分が歌唱の音楽番組 (b) データ放送やオープンキャプションにより番組の大部分を説明している場合も、字幕放送に含めることとする。 (3) 解説放送について(新たに策定) 新たに行政指針を策定し、平成29年度(2017年度)までに、対象の放送番組の10%(NHK総合、民放キー5局等)、15%(NHK教育)に解説が付与されることを目標とする。 視聴覚障害者向け放送普及行政の指針 1 字幕放送(注1) NHK 普及目標の対象時間:7時から24時 普及目標の対象番組:字幕付与可能な全ての放送番組(注2) 目標:2017年度までに対象の放送番組の全てに字幕付与 備考:教育放送については、できる限り目標に近づくよう字幕付与する。 放送大学学園 普及目標の対象時間:7時から24時 普及目標の対象番組:字幕付与可能な全ての放送番組(注2) 目標:聴覚障害者等のニーズの実態を踏まえ、できる限り多く字幕付与 地上系民放・放送衛星による放送(NHKの放送を除く) 普及目標の対象時間:7時から24時 普及目標の対象番組:字幕付与可能な全ての放送番組(注2)目標:2017年度までに対象の放送番組の全てに字幕付与 備考:県域局については、できる限り目標に近づくよう字幕付与する。独立U局及び放送衛星による放送については、目標年次を弾力的に捉えることとする。 通信衛星による放送・有線テレビジョン放送・電気通信役務利用放送 普及目標の対象時間:7時から24時 普及目標の対象番組:字幕付与可能な全ての放送番組(注2) 目標:当面は、できる限り多くの放送番組に字幕付与 注1 字幕放送には、データ放送やオープンキャプションにより番組の大部分を説明している場合を含む 注2「字幕付与可能な放送番組」とは次に掲げる放送番組を除く全ての放送番組 (a)技術的に字幕を付すことができない放送番組(例 現在のところ、複数人が同時に会話を行う生放送番組) (b)外国語の番組 (c)大部分が器楽演奏の音楽番組 (d)権利処理上の理由等により字幕を付すことができない放送番組 2 解説放送 NHK 普及目標の対象時間:7時から24時 普及目標の対象番組:権利処理上の理由等により解説を付すことができない放送番組を除く全ての放送番組 目標:2017年度までに対象の放送番組の10%に解説付与 備考:教育放送については、対象の放送番組の15%に解説付与する。 放送大学学園 普及目標の対象時間:7時から24時 普及目標の対象番組:権利処理上の理由等により解説を付すことができない放送番組を除く全ての放送番組 目標:視覚障害者等のニーズの実態を踏まえ、できる限り多く解説付与 地上系民放・放送衛星による放送(NHKの放送を除く)  普及目標の対象時間:7時から24時 普及目標の対象番組:権利処理上の理由等により解説を付すことができない放送番組を除く全ての放送番組 目標:2017年度までに対象の放送番組の10%に解説付与 備考:県域局については、できる限り目標に近づくよう解説付与する。独立U局及び放送衛星による放送については、目標年次を弾力的に捉えることとする。 通信衛星による放送・有線テレビジョン放送・電気通信役務利用放送 普及目標の対象時間:7時から24時 普及目標の対象番組:権利処理上の理由等により解説を付すことができない放送番組を除く全ての放送番組 目標:当面は、できる限り多くの放送番組に解説付与 ※視聴覚障害者向け放送普及行政の指針策定後は、技術動向等を踏まえて、5年後を目途に見直しを行う。 以上