第2回情報公開法の制度運営に関する検討会における議論の内容
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| 日時 | : | 平成16年5月26日(水) 10時00分〜12時17分 | ||||||
| 場所 | : | 総務省1001会議室 | ||||||
| 出席者 | : |
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| 1 | 開会 |
| 2 | ヒアリング |
| 3 | 閉会 |
| ○ | 小早川座長 本日は、日本弁護士連合会、情報公開クリアリングハウス、情報公開市民センター、新聞各社のヒアリングを行う。 それでは、まず日本弁護士連合会からご意見を伺いたい。 本日は日弁連情報問題対策委員会委員長の森田弁護士、同副委員長の清水弁護士、同事務局長二関弁護士に出席いただいている。 本日はご意見を事前にいただいているので、とりわけ強調されたい点、補足すべき点を中心に、 なお、本検討会の議論の内容は発言者の名前を含めて、総務省のホームページにおいて公表するので、あらかじめご承知いただきたい。 |
| ○ | 森田氏(日弁連情報問題対策委員会委員長) 意見陳述の骨子で挙げた点の中で、またさらに絞った形で話をする。意見陳述の骨子では、初めに、私どもが この議論については、ある意味では議論をし尽くされた感もあるが、改めて意見を申し上げたい。情報公開法の運用の中で、非常に国民の権利としての情報公開というものを軽視したような運用がいろんな点で見られる。例えば、手続規定の決定期限を守らないとか、審査会に対する諮問を非常に長期にわたって放置するといった、ある面、明白な違法行為であったり、脱法行為であったりといった運用が非常にたくさん見られる。そういうことは、やはり国民の権利としての情報公開、知る権利に基づく権利であるという認識が徹底していないということが1つの要因ではないか。そういう意味で改めて、この知る権利、目的規定の見直しということを述べたい。 2番目の点として意見書で指摘したのは、特殊法人を対象とすべきということであるが、これは、その後、独立行政法人等情報公開法ができた。ただ、ここで付け加えて申し上げたいのは、未だ法制化がされていない国会及び裁判所についての情報公開という問題である。これは、検討会の担当から外れることになるのかも知れないが、そう言わずに、全体としての情報公開を見ていただきたい。 その関係で資料として出した中で、勧告及び要望書というものがある。これは日弁連に対する人権救済申立という形で裁判所の情報について請求を求めたが認められなかった件について救済が求められたものだ。認められないとなると、法的に争うことができない。現行では、裁判所は、ガイドラインをつくって情報公開をしているが、やはり、きちんと法的に争える形での制度の整備が必要ではないか。また、国会についても、立法にかかわる行政分野について、こういう問題があり情報公開制度が必要である。 裁判管轄の点も、運用上、実際に問題になっている。ただ、この点については、提訴をされている事件を見ると、やはり高裁所在地の県の案件が多くて、なぜ高裁所在地以外の住所の人が起こさないのかということについて、我々、もう少し調べていきたいので、今のところ推測するしかないが、漏れ聞くところでは、遠隔地のため提訴が難しいということもある。 2枚目は、非開示情報の問題である。この点については幾つか具体例を紹介して、問題提起をしたい。 1つのケースは、私が個人的に公開請求をして不服申立てをしたケースで、その裁決書を資料で出している。横浜の大桟橋の建設をめぐって過剰な支出が問題になって、住民訴訟が起きており、この工事について国がかかわった部分に関する文書を請求したケースである。 問題になったのは、いずれも個人情報という理由で非公開とされた点である。1つは、図面の中の一級建築士の登録番号、氏名及び印影並びに一級建築士の個人の印影が個人情報であるため不開示とされた。もう一つは、国交省の決裁文書の中の判子について、個人の名前が出てくるということで、係長より下の職員については、非公開とされたという件について不服申立てをした。不服申立てをしたところ、審査会に諮問されるまでもなく裁決が出て、全部開示になったのがこの裁決書である。結果的にはよかったが、個人情報の運用上、非常に問題があることを改めて感じた。 1つは、一級建築士の登録番号とか氏名、現物を見るとわかりやすいが、事務所を経営する人については、その人の事業に関する情報だから開示になった。ただ、そこに雇われている建築士については、個人とする仕分けで、その部分を不開示としたものだが、余りに形式的である。結果的にそれが覆ったのは、横浜市が既に開示をしていたからであり、余り実質的な問題がなかったことになる。個人情報に関する形式的な運用については見直す必要があり、条文上も何らかの手当が必要ではないか。 それともう一つ、公務員の氏名の問題について、不開示決定が覆ったのは、この裁決に書いてあるが、国土交通省は新しく作る職員録で係長以上に限らず全員の名前を載せることとしたためである。今の国のやり方だと、形式上そういうことで公表予定文書として公開できることになる。しかし、そんなことではなく、多くの自治体がやってきたように、公務員の職務上のことであれば、氏名は出すという形で整理してしまった方がいいのではないか。つまり、各省庁でばらばらの運用がされているということ自体、非常に問題ではないか。 もう一つのケースは大川弁護士が原告の訴訟で、日米地位協定の解説書開示事件である。日米地位協定の考え方という文書について大川弁護士が請求したが、請求の経過としてその訴状の3ページに書いてあるように、もともとそういう文書は研究書でも引用がされている、あるいは横浜弁護士会が基地問題について研究する際の資料ということでも使われている。それをまた、弁護士会の報告書に引用もしており、大川弁護士自身も相当部分を見ていたので、当然手に入るであろうという前提で請求したが、存否応答拒否という処分になり、訴訟を起こした。 存否応答拒否については、訴訟を起こした後で、この訴状の次にある「不開示処分の取り消しについて」によって変更し、存否応答拒否は取消して、改めて文書を2つ特定して、昭和48年に作ったものは不存在、その後の改訂版は存在するが、5条3号の外交情報ということで改めて不開示処分をしている。 裁判上の問題としては、存否応答拒否は取り消されたのだから訴えの利益がないという主張を国がして、裁判所もその主張に一旦乗るということになりそうで仕切り直しを余儀なくされた。そういう手続上面倒なこともさることながら、存否応答拒否処分が、当初から言われていたように濫用される傾向にある。これは答申例を見ても、覆された例が結構あり、逆に、それだけ非常に濫用されているということが言えるのではないか。この例は1つの象徴的なものではないか。 みんな存在することがわかっている文書でさえも、あえて存否応答拒否処分をするケースが多々存在しているようである。また、5条3号についても、もう既に相当オープンになっているようなものを、外交情報を理由に全面的に不開示にしてしまうというような態度がみられ、従来から懸念されていた外交防衛情報等についての非公開の拡大という傾向の1つの事例と言えるのではないか。 もう一つ事案を紹介したい。 不存在の問題だが、私が代理人になっている訴訟の訴状を提出した。国立大学の付属病院の病院長会議の下のワーキンググループの議事録が問題になったケースである。そのワーキングの議論を踏まえて、大学病院のマネジメント改革の提言がされたが、実際には、それは文部科学省の影響が相当強く反映した形ので提言になっており、いろんなところにしわ寄せがきているという問題が背景にある。そこで、そもそもワーキングでの議論が、どのような内容か、それに文部科学省がどのように関わったかを明らかにするために開示請求をした。 これも当初不存在だったが、後に存在を認めた。 ただ、その不存在処分の仕方が非常に問題があるということで、現在、損害賠償の訴訟をやっている。不存在による不開示決定がされる前段に、国会議員がワーキンググループの審議経過について質問主意書を出し、それに対する政府答弁書の中で、議論の詳細は承知してない、それは議事録が存在しないからであるとした。 それがそもそも問題であり、我々原告側は、事実を隠すためそういう答弁をしたと思っている。その会議には文部科学省の職員も病院関係者も出席しており、そこで議事録が作成され、存在していること自体は、みんな知っている。ところが最初に質問主意書が来た段階で、文部科学省が、九州大学に議事録はないかと問い合わせたところ、九州大学は、議事録を作成して文部科学省にその都度送っているにもかかわらず、そういうことを問い合わせてくるのは、以前送った議事録では不十分で、違うものがないかという趣旨と考え、以前送付した議事録以外に別のものはないという意味で「ありません」と回答した。ところが文部科学省は、議事録は全く存在しないと受け取り、質問主意書に対して不存在とする答弁書を作成した。文部科学省に議事録についての開示請求が来ると、九州大学に移送した。九州大学は、質問主意書に対する答弁書では、議事録不存在としているのであるから、存在するが、不存在としなくてはいけないと判断した。 それで終わらず、この問題を以前から取材をしていたジャーナリストの櫻井よしこさんが、議事録があるということをすっぱ抜いて記事に書いたため、議事録の存在が否定できなくなり、政府答弁が変更され、不存在による不開示決定処分についても撤回された。そういう非常にお粗末な対応をしており、改めて不存在というもので逃げようとする体質明らかになった。 また、その件以外に審査会に諮問された案件でも不存在は非常にたくさんあり、実際に審査会が調査した結果、不存在が取り消されたケースもある。いかに不存在による逃げ道をふさぐかが1つの大きな問題ではないか。 細かい点はまた日弁連からは追って詳しい意見書をお出ししたいが、先ほどのような不存在の運用であるとか、あと諸々の手続違反、朝日の中島さんの記事を私の方から出したが、後でご本人が話すので、そちらから聞いていただいた方がいいだろうが、そういった法を無視した対応というのが非常にある。 実は先ほどの大学病院長会議議事録の問題について、国賠の請求に対して国の方は、情報公開というのは公的な利益のための制度なので、主観的な権利、利益の問題ではないことをもって損害賠償を否定する理由にしている。もちろん公的利益にもかかわるが、情報公開請求をするということが国民固有の権利であることを確認する意味で、知る権利を入れていく必要もあるのではないか。 審査会の運用については、まだ固まった評価は日弁連でもしていない。内容面には、もちろん一定評価できるところがあるかと思うが、事案によって、もう一歩というところも結構ある。ただ、問題は、非常に時間がかかっていることで、率直に言って、今の状況だと裁判を起こした方が早いという感じはある。だから、審査会の体制の整備、増員、権限の強化、陳述をする上での便宜のため地域で陳述ができるような仕組みなど、様々な工夫が必要ではないか。 最後にインカメラの導入について、詳細は質問があればお答えしたいと思うが、日弁連においては法案作成の最終段階あたりから、いろいろ議論があり、基本的には積極論をとっている。審査会の様子を見ていても、あるいは現実の裁判手続を見ていても、インカメラを導入しないと適正な判断は非常に難しく、法解釈上も一定の整合性のとれた議論はできるのではないか。委員会内のまとめだが、資料がある。学者の方を招いての勉強会等もしながら、その辺の議論を詰めている。 最後に冒頭議事録の公開の話があり、大変それは結構なことだと思うので、ぜひ会議そのものもオープンな形で行うべく、議論を進めていただきたいと要望する。 (質疑応答) |
| ○ | 堀部委員 日弁連の今日ご出席の方々のご意見、今までもいろいろと伺っているが、そのうち、行政改革委員会行政情報公開部会で積み残しのインカメラ手続というのは、非常に重要な意味を持つかと思う。ここにある試案というのは、今回まとめられたものか。 |
| ○ | 森田氏 これはまだ日弁連全体としての正式見解になっていないが、一応、例の行政訴訟についての検討会の議論もあり、その辺もにらみつつまとめようとしている。委員会の意見として外に出せる形でとりまとめたい。 |
| ○ | 堀部委員 いつごろまとまった意見になるか。 |
| ○ | 森田氏 遅くともこちらの検討会の議論に間に合うようにとりまとめたい。 |
| ○ | 三宅委員 今の関連で、情報公開法試案のときには、このインカメラの件については、「公開の法廷において」と入っており、この試案では、「公開の法廷において」というのが3項で削られている。この試案の作成段階で、憲法学者の意見をお聞きになったと思うが、その経過などはあるか。 |
| ○ | 二関氏(日弁連情報問題対策委員会事務局長) 東大の憲法学者の高橋和之教授と日弁連情報問題対策委員会とで勉強会をやり、そこでも指摘があったが、この日弁連の試案の構造は、ヴォーン・インデックス類似の手続として、情報の表題、記載された事項の項目、公開除外理由等について分類・整理するということを、まず、実施機関の長に求め、当該分類・整理をした文書が正確なものかどうかを裁判所に確認いただくものとしてインカメラ審理を位置付けている。憲法 |
| ○ | 曽和委員 個人情報の適用除外のところで、主張の内容は、個人情報の適用除外規定をプライバシー型に変えろということなのか、それとも、現在の識別型を維持しつつも、もう少し書き方を変えろということなのか、あるいは運用がおかしいということなのか。 |
| ○ | 森田氏 もともと日弁連の主張は、プライバシー型を採用すべきとするものである。ただ、今の法の枠組みである識別型を前提とした場合であっても、少なくとも公務員に関する例外条項の規定は、自治体並みに職務に関しては公務員の氏名も含めて、例外として開示をするというところまではいくべきではないかということである。そういう意味では、二段構えの主張である。 |
| ○ | 曽和委員 それは現在の法律で開示できるということか。 |
| ○ | 森田氏 肩書までは開示されるが、氏名は開示されない。そこが問題ではないか。自治体の多くは氏名が開示されるが、法律では氏名が開示されないために、自治体の方が引っ張られているという傾向もある。 |
| ○ | 清水氏(日弁連情報問題対策委員会副委員長) 私は主に地方自治体の方の個人情報保護条例の方の制度づくりとか、運用の方にかかわっている。ほとんどの自治体は、個人識別型で条例を作っており、運用は私的領域のものを除いて公開するという考え方で運用している。公務員であっても、それ以外の人であっても、地方分権、住民参加という形で、公的な部分にかなりかかわってくる。決定そのものを住民が行わないまでも、かなり重要な関わりがある場合は私的な領域と言えない。私的領域の部分は除いて公開するという傾向ではかなり安定している。 裁判のレベルでも、従来の地方裁判所のレベルでは条例の解釈において、私的領域のものであるかないかというところを判断して公開をしている。それと、今、個人情報保護法との関係で、個人情報保護条例の改正が各地で進んでいるが、その中の非公開事由の中に、形式的な基準を用いるべきか、実質的な基準を用いるべきかとの論点がある。形式的に職で区切ってしまうと、規定されている以上の職の人は必ず出さなければいけないということになる。しかし、必ずしもそうではない場合があり得る。私は形式的な職による基準を用いるべきでないと思う。 生命、身体の安全という別の例外規定があるが、むしろ公的な部分については、行政の説明責任という観点からしても、特に情報公開の方では出していかなければいけないのではないか。地方自治体の場合は、住民と直接顔を合わせてやり合う関係が多く、私的領域以外のものは極力公開するとしなければ住民の説得ができないというような緊張感があるので、実務的にはそのように進んでいる。それが国との関係では個々の国民が直接やり合う関係がきわめて少なく、かなりギャップがある。私は、むしろ国の方こそ地方自治体にならって個人識別型を採用しながら私的領域を守るための実質的な基準を、各省庁は作った方がよいのではないかと思う。 |
| ○ | 森田氏 今のことでもう一度整理すると、識別型を前提とした場合に、それでも公開すべき場合として、1つは公務員の職務に関するという考え方からの例外を置くということがある。それについて、例外として公開すべきものとして、氏名も入れるべきであるというのが1つの論点である。 もう一つの問題は、識別型の基になる個人に関する情報という部分について、もう少し限定した運用ができないか。絞るという判例は大分ある。私がかかわっている逗子市では、私的領域のもの以外は個人に関する情報にはならないという形で絞った運用をするというふうに運用基準を変えている。そのやり方が1つある。 ほかにこの表現自体を絞るという考え方もある。例えば川崎市の条例は個人生活事項という言い方にして、もうちょっと絞るということを昔からやっている。このように、運用上あるいは表現上、識別が何の制度であっても、もうちょっと絞りをかけるといった工夫が必要ではないか。 |
| ○ | 宇賀委員 国会、裁判所の情報公開については、私も同じ意見だが、日弁連では、国会とか裁判所の情報公開を法制化する場合に、外国に見られるように、同じ法律の中で対象機関の中に国会とか裁判所を加える方式で考えているのか、それとも、国会、裁判所、それぞれ独自の情報公開法という形で考えているのか。 |
| ○ | 森田氏 そこまで詰めた議論は余りしていないが、ただ、恐らく今の流れで言うと、別建てで作らざるを得ないのではないか。 |
| ○ | 清水氏 まず、基本的に独立で作ってみて、それが従来の制度に組み込めるというのであれば組み込むし、かなり違う要素がありそうだということになると、やはり独自に作らないと制度がわかりにくくなるので、まず内部の検討としては、それぞれ裁判所も国会も独自にということで議論をしている。 |
| ○ | 小早川座長 知る権利を明記せよという際のご説明として、実際の運用で遅れが出ているとか、そういったことに対しての対処ということとつなげてお話になって、それからまた国家賠償との関係でも触れた。法律上の開示請求権という言い方と憲法上の知る権利という言い方で、弁護士実務ということでもいいが、実際にどれだけの違いが出てくるのか。 |
| ○ | 森田氏 率直に言って、国賠訴訟の中で国側の主張の中で言っているのは、やはり知る権利なんて書いていないではないかということを言っている。それに対して、こちらは実質的に知る権利を盛り込もうと苦労して、こういう条文になったんだという主張をしているが、はっきりしていないために、ある種責任逃れの議論を許してしまっているということと、裁判所での国の主張もそうだが、いろいろ法規を無視したような運用がされていることの背景としても、これは一種のサービスであり、法的義務という意識が現場の公務員にまだ徹底していないことが挙げられる。この発想を改める意味で目的規定の見直しということが1つ。それですべて解決するとは思わないが、そういう観点からもう一度考えていただけないか。 |
| ○ | 小早川座長 時間上、質問できなかった点、今後気がついたという点があれば、その際こちらから事務局を通じてお伺いすることもある。その際はよろしく。 (日本弁護士連合会退室) (情報公開クリアリングハウス入室)
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| ○ | 小早川座長 次に情報公開クリアリングハウスからご意見を伺いたい。情報公開クリアリングハウスから理事の奥津さん、三木さんに出席いただいた。 本日は事前に資料をいただいているので、強調されたい点、補足すべき点を中心に10分ないし15分程度でご説明をいただき、その後、質疑等を行いたい。 なお、この検討会の議論の内容は、発言者の名前も含めて総務省ホームページにおいて公表することにしているので、あらかじめご承知いただきたい。 |
| ○ | 三木氏(情報公開クリアリングハウス理事) 私どもの情報公開クリアリングハウスは、 今日、レジュメを用意させていただいたが、後半は参考資料なので、後でご覧いただきたい。 まず最初に検討の範囲等について一言お願いしたい。情報公開法については規定上の問題というものも当然検討されることと思うが、一方で運用上の問題も多々見受けられる。これらの中には直接的には規定が問題となっているのではなく、単に運用が問題となっているケースもたくさんあるが、一方でそうした運用が許容されているということは、規定上にも問題があり、規定と運用上の問題は、実は、双方密接に関連をしていると理解している。運用上の問題であっても、法律上の規定について何らかの問題はないか、十分に検討をしていただきたい。 それからニ点目。当たり前のことではあるが、情報公開法は、請求者の存在なくして動かず、また、その存在意義を十分発揮するものではない。請求者にとって、現在の情報公開法を利用してみた感想の多くは、時間がかかり過ぎるということと、コストがかかるということであり、これが大きな障害となっている。なぜ、こんなに大変な思いをしなければならないのかという話をよく耳にし、私自身もそう思うことが多々ある。このような問題の中には、現在進展をしている電子政府というものの中で、情報公開についての新しい形を模索し、問題の解消が可能な部分もあるかと考えるので、今回の検討に当たって、 今日は特に強調したい点について口頭で意見を述べさせていただく。 検討項目については、先ず、(2)の開示請求の手続の点。現在の法第4条第2項の補正の手続について。これまでに私が請求の時点からずっとサポートしていた事案に、開示請求から決定延長を一度も経ずに、補正の依頼だけで3か月以上も開示決定が遅延したというケースがある。6ページに、その経緯を一覧として整理をしたものを添付した。これは、文書を持っている原課と請求者との話し合いによって補正の必要がないということが確認されたにもかかわらず、経済産業省情報公開室が、補正がなければ請求は認められないとし、長期にわたって補正依頼が取り下げられないまま、結局開示決定まで3か月かかっている。 非常に問題に感じたのは、補正が必要ないということが、請求者と経済産業省との間で確認された後も、経済産業省の側からは補正依頼を取り下げず、開示決定を出したその日に補正依頼を取り下げており、必要な決定期間の延長手続等を行わずに、いつになったら開示をするのかということ、または決定をするのかということを請求者本人にわからない形で手続が進められたということである。私はこれは補正手続の悪用だと考える。『詳解情報公開法』では、 それから、(3)の不開示事由の個人情報について。これは私が不服申立ての裁判をやっているケースから意見を申し上げたい。現在の法律では、個人が識別される情報について不開示とするという規定になっており、ただし書で例外的に開示ができる範囲について定めている。私がやっているのは、6ページに答申の一部を抜粋して掲載したように、司法制度改革推進本部に設けられている検討会の議事内容を録音したテープの開示請求をし、当初これが不開示となり、その後、答申で部分開示となり、現在は裁判で係争中の案件である。 この問題に当たって非常に問題意識を感じたのは、公務員については、職務の内容については原則公開、それから課長職以上とか、職員名簿に掲載されている職員については公表予定ということで公開ということになっているが、検討会のような私的諮問機関、ここにいらっしゃる委員の皆様もそうだが、公務員という立場ではない。そうした場合には、公開について公表を予定していない限り、皆様のこの会合での発言等については、現在の規定では個人識別情報として非公開になる。公的機関の形成にかかわる私人については、これは公務員と同等でみなすべきであると考えるので、これはただし書の見直しをしていただくか、あるいは個人識別説ではなくて、私生活に関する個人情報については不開示にするという規定を設けるということでぜひ対応していただきたい。こういう中途半端な形で私的諮問機関への政策形成の依頼が増えると、政府の説明責任が十分に果たされなくなると思うので、この点は特にご検討いただきたい点である。 それから、(6)の不存在について。不存在の案件については、様々に請求者の方が不信感と不満を持っている。1点目は核燃料サイクル開発機構が不存在決定をした文書が2回異議申し立てをした結果、結局、存在するということで開示をされたという事例だ。 8ページに関連の新聞記事を添付している。これはある報告書の開示請求を行ったところ、最初不存在になって異議申立てをした結果、案ならあるということで報告書案というものを特定して開示がされた。しかし、請求者の願いは、案ではなくて、最終的なものがほしいということだったので、再度異議申立てをした結果、結局存在したということになった。このケースは当然、未諮問ということで請求者が問題にしなければ水面下で処理をされてしまうというようなケースであった。 それから、最近になって私どもが把握したケースに、法制審の部会の配布資料を情報公開請求された方が、ホームページに掲載された当日の配布資料リスト一覧というもののごく一部しか開示請求対象文書として特定をされずに開示をされなかったということがあった。これは口頭で法務省の説明を受けたそうだが、当日、委員やヒアリング参加者が持参して配布した資料は、法務省作成資料ではないため、行政文書には該当しないと請求者は説明を受けたとのことだ。私どもが情報公開法を読む限りにおいては、取得文書については、当然、行政文書であるという認識である。このような運用をする実施機関があるということは、不存在については、十分に何らかの調査等が行える体制が必要だと考えている。 そこで、情報公開審査会の権限の中に、不存在決定や文書特定の不服の場合は、立入調査等が行えるという権限をぜひ付与していただきたい。これは、現在の情報公開審査会の部会において、事務職職員の立ち会いのもとに現地調査を行うということを行っていると承知をしているが、そのような事実上のことではなく、明確に権限として位置付けていただきたいということだ。 それから、細かいことだが、開示請求に対する措置ということで、問題提起をさせていただきたい。請求者は、開示請求をするときには、当然、行政機関が持っている個々の文書名を承知することができないので、知りたい内容を特定し得る形で情報公開請求書を提出する。それを受けて、実施機関の方では、当然に文書を特定して、それに対する決定を下すということが求められている。これに関連して、情報公開法施行の初期の段階で私が外務省に請求した事例に、当時、外交機密費の関係で機密費の支出基準がわかる文書というふうに請求して不開示となった例がある。ところが、不開示決定通知書には、私が請求書に書いた文書名と全く同じ文書名で特定がされてきており、どのような文書を持っているのか全くこちらは把握することができなかった。最近、答申が出て、これを見て初めて自分が請求した文書が何であったのかということを承知することができたということがあった。このような事例は、外務省に限らず、最近請求をした内閣府の国民生活局への請求でも、開示請求書に書いた行政文書の名称がそのまま不開示決定通知書に書かれてきている例がある。 行政手続法の趣旨を勘案すると、不利益処分をする場合には、その理由を十分に提示をしなければならないと理解しており、そのときは不開示の理由だけではなくて、どの文書を不開示にしたのかというところまで含むものではないかと考えられる。したがって、行政文書の特定については、実施機関に責任がある案件でもあり、文書名の提示についても、原則義務があるということは、何らかの形で明確にしていただきたい。 それから、3ページ目の開示決定等の期限について意見を申し上げたい。開示決定の期限については、現在、国の法律では それから、決定延長手続については原則 それから、手数料については、これも非常に負担感の大きいところである。現在、1請求につき開示請求手数料 例えば、私の知人は外務省に請求するためにオンライン請求を行ったところ、紙でやれば それから、1請求の単位についても、これも多くの不満がある。なぜこの請求が1件と認められないのかという不満もあり、請求する側にとっては、非常に大きな障壁となっているということで、このような手数料は不要であると考えている。 それから、開示実施手数料の減免規定について。減免申請の理由には「経済的困難」と「その他特別の理由」と2つの場合があるが、「経済的困難」については、請求者からの申出によって実施機関が判断をする形になっている。しかし、「その他特別の理由」については、行政裁量の範囲で請求者から申出すらできない仕組みになっている。これは法律の本文の問題ではなく、政令の問題であると理解しているが、「その他特別の理由」については、これまで適用例がないと聞いている。請求者から申出できるようにするべきであると考える。 それから、開示実施手数料については、異常なまでに高額になっているケースがある。 球磨川水系の「柳瀬」、「人吉」地点での時間流量と同流域の時間雨量の全データがほしい、できれば、電子媒体での開示を求めるという開示請求に対して、以下に掲げる表のような形で文書が特定され、コピーの金額、閲覧の金額が請求されている。 注目していただきたいのは、 電子媒体での開示の実施というのは、そのようなものを予定しているわけではない。それから、コピーについても紙に比べて格段に手間がかからないということがある。現在の手数料については、余りにも不合理であるというところがあるので、その点については、十分に議論いただきたいと思う。 ついでに申し上げると、 さらに それから、( それから、( それから、苦情処理について。これは現在、苦情というものが実質上申立てる先がないため、その苦情が私どものところにまで多く持ち込まれている。私どもでもできる限りのことをしているが、それでも不十分なところが多々ある。苦情処理については、何か行政相談等について積極的に取扱いを検討するということなど、苦情処理と建議の仕組みについては何らかの検討をいただきたい。 (質疑応答) |
| ○ | 藤原座長代理 いろいろご指摘をいただいたが、最初の公的な意思形成にかかわる私人については、説明責任の観点から個人名が出るようにしろというご主張で、そのとき2つやり方があって、ただし書を変えるか、新たな業務、ただし書というのはどちらの方の……。 |
| ○ | 三木氏 公務員の範囲を広げていただくか、本文そのものから単に個人識別情報を非開示とするのではなくて、個人の私生活に関する個人識別情報を非開示とするという2つやり方があると思っている。後者の本文での対応が最も望ましいと考える。 |
| ○ | 藤原座長代理 公務員ではなくて、その上のただし書で、そういった人は慣例として出るんだという話ではなくて……。 |
| ○ | 三木氏 ということが最も望ましい対応であると思うが、もう一つの対応として、公務員情報に対するただし書での対応というものもあると考える。 |
| ○ | 西鳥羽委員 いろいろな良くない事例などの報告があったが、人か制度かという話に関連して、制度上、手を加えなければならないところと、どちらかというと、一番先に言われていた運用上の問題ではないかというところが結構あったかと思う。運用上の問題についての対応策だが、法第 |
| ○ | 三木氏 施行状況の公表についても、一応の検討というか考えはいる。というのは、現在、総務大臣の権限については、報告を求めることができる、ないしは報告を求めるという形でしかない。しかし、様々な問題が起こって、各実施機関ではどうにも対応できないようなケースについては、今度は持っていく先がないという状況にある。したがって、総務大臣の権限を拡大するということは1つの考え方で、私もその考え方を持っている。ただ、実質的にどこを窓口にするかといったときに、多くの自治体が持っている運営審議会という形で対応していただくのが本当は一番いいのだが、恐らくそれは無理だろう。審査会ということも考えられるが、不服申立て案件が少なくないことを考えると、建議機能を十分に発揮できるような状況にはない、あるいは審査会の組織の規模をもっと拡大していかないと無理ということになる。現実的な話として、現在、総務省が行っている行政評価、行政評価局として行っているような範疇での対応が可能なのであれば、そういう中でやっていただくことはできないか。 問題事例が公表されるということは、実施機関の運用監視をするという意味では非常に重要な問題であると思っており、その問題事例の公表については、努めて私どもも行ってきているつもりだが、ぜひ、そういうものは情報公開法の運営の中で対応していただければありがたい。 |
| ○ | 奥津氏(情報公開クリアリングハウス理事) 運用上の問題について、年次報告に載せるためには苦情の把握をしなければいけないということで、今、具体的な話があったが、やはり、法律の中で苦情処理とか、苦情の受け付けとか、根っこをつくっていただかないといけない部分だと思う。 |
| ○ | 小早川座長 実際に苦情相談を受けているか。 |
| ○ | 三木氏 沢山していて、年間に大体七、八十件あり、自治体のものが混ざってはいるが、国の機関のものも相当数ある。場合によっては、請求者と実施機関の間に立ちって、実際に話し合いの場を設けるということも何回かしている。それから、個別に申入書を出したりとか、個別に各実施機関に連絡をして、こちらで話し合いをするようにしたりとかという形で請求者の不満がなるべく解消されるような努力は私どもの方で可能な限りはやっている。 |
| ○ | 小早川座長 国の場合は、一般的な制度として、総務省の行政苦情あっせんがあるが、今日の話は一般的な制度だけでは不十分で、情報公開固有の苦情処理、総務省のといってもいいが、そういうものがあった方がいいということか。 |
| ○ | 三木氏 そのとおり。 |
| ○ | 小幡委員 不存在のことについていろいろ不満があるという主張はよく聞かれるが、審査会の権限に立入調査権を加えるべきというのは、現在においても立入り等の調査をした例はあると聞いているが、これを必ず行うという条文に改めよという趣旨か。 |
| ○ | 三木氏 審査会の権限として明確に位置付けていただきたいということだ。というのは、私は、特定の部会が一生懸命やっているという認識で、一般的に行われているとは承知をしていない。それはひとえにきちっと権限として明記をされていないために行われていないケースもあるだろうと理解している。したがって、ちゃんと根拠をつくっていただきたいと思う。 |
| ○ | 堀部委員 奥津さんとは随分前からこの問題で議論してきているので、せっかくの機会でもあり、ここで奥津さんの発言をいただければと思う。 |
| ○ | 奥津氏 ネット公開、オンライン公開をぜひ盛り込んでいただきたいということ。電子政府への対応というのは三木の方から話があったが、この検討会でも、ぜひ近い将来の課題として検討して欲しい。もう既に電子申請は行われているし、磁気媒体等での開示もできるようにはなっている。例えば、岡山市でe−情報公開室というのを設けていて、そこでは開示された文書をホームページ上で |
| ○ | 小早川委員 情報公開クリアリングハウスとの質疑応答は、この辺にいたしたい。 時間の関係で質問できなかった点、今後気がついた点があればその際は事務局を通じてお伺いすることもあろうかと思うので、よろしくお願いしたい。 (情報公開クリアリングハウス退室) (情報公開市民センター入室)
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| ○ | 小早川座長 続いて、情報公開市民センターからご意見を伺いたい。情報公開市民センターからは理事長の高橋さん、事務局長の黒田さん、理事の新海さんにご出席いただいた。 時間の関係もあり、強調されたい点を中心に10分ないし15分ご説明いただき、その後、質疑等を行いたい。 なお、本検討会の議論の内容は、発言者の名前を含めて総務省ホームページにおいて公表するので、あらかじめ承知いただきたい。 |
| ○ | 高橋氏(情報公開市民センター理事長) 前は全国市民オンブズマン連絡会議としてお招きをいただいた。今回は連絡会議の事務局長からの全国的な話も含め、情報公開市民センターとして3人で指定の枠内で話をさせていただきたい。書面も提出しているので、私の方からは強調したい点、趣旨を申し上げたい。 まず、情報公開法に基づく処分の取消訴訟、いわゆる情報公開請求訴訟について。外務省に対し報償費の開示請求をしたところ、全面不開示ということだったが、請求段階でも、また、訴訟の初期の段階でも報償費の支出決裁文書等がどんなものがあるかも全くわからない、件数すらわからない状況で訴訟が始まった。現在も進行中であり、3年に及んでいるが、ごく最近の一部開示されたものを除いて、報償費の支出がどんなになっているか未だにわからないという状況である。 外務省側の極めて不当な応訴態度、全面不開示で外形的な事実すら未だに話が出ないということで、私どもの結論としては、こうした法5条3号が絡むような事件で全面不開示のときは、少なくともヴォーン・インデックスやインカメラ方式を導入しないと全く裁判ができない。今回でも裁判所から再三にわたって外形的事実を主張するようにということであったが、実態としてはそういうところにいっていない。今回添付書類で付けたが、外形的事実、私どもは一応ヴォーン・インデックスを出すようにと言っていたけれども、裁判所もその趣旨をくんで、実際に情報公開訴訟では、被告側がそうした事実を主張しなければ裁判にならない。再三、裁判所からの釈明とか指示があったが文書の記載項目だけしか出してこない。これをご覧いただいても中身を推測するということが全くできないことはご理解いただけると思う。 もう一つの論点としては、各省庁で審査基準というのを持っており、外務省は外務省なりに法3号、あるいは6号について割合具体的な審査基準、事柄について書いている。情報収集とか外交工作とかそういうものに絡んでの文書であれば、これこれにするという、せめてそれぐらいはやってくださいよということを言っても、それもやらない。この一覧表にあるように、「A」、「B」、「C」とあるが、これは情報収集とか、外交工作とか、国際会議とかという審査基準とか法3条には全く関係ない、全く別途な、基準と言えないような分類を出して、それだけを指し示したというようなことである。 結局、散々3年、事実上空転みたいになり、今年3月に情報公開審査会の答申を受けて一部開示をした。開示された結果が、アメリカの大使館の関係では、国会議員が海外に行ったときに便宜供与として車の借り上げをしたという決裁書とか、パリのフランス大使館で言えば、ワインの買いだめの伝票が出てきた。こういうことも今まで彼らは国際的な情報収集や外交工作のための機密文書で、これが出たら国家の安全が害されるかのようなことを主張していた。実態は、幽霊の正体がこういうものであったということである。 こういう実態を、私どもからすれば、不当に覆い隠していたということになるが、当初ヴォーン・インデックスをきちっとやるとか、その確認のためにインカメラをやるということであれば、こんなばかばかしい3年も空転するようなことが少なくともなかったであろう。また、そういう制度があれば、こういう省庁側の対応もないはずであるということは確信している。 もしこのままだと、審査会と訴訟の両方にかかるような場合は、審査会ではインカメラで現物を見て、我々としては非常に不満ですけれども、ほんの一部だけ開示されてきた。そうすると今度は逆に外務省は、これは十分審査会で審査をした上でここを開示したんだ。今まで不開示にしてきたことを反省するどころか、もうこれで十分開示した。審査会は現物を見た上での判断だから、それは尊重されるべきだというようなことで、逆にもうこれで裁判所は結審して、却下なり棄却しろという言い分になっている。どうしても、今のように審査会だけがインカメラ方式をとって、訴訟ではそういう方式がとられていないということは、決定的なマイナスになる。 当面の改善案として、何といっても、訴訟の中でヴォーン・インデックス、インカメラ方式をぜひとも採用してもらいたい。 |
| ○ | 新海氏(情報公開市民センター理事) 意見書を出したが、それに補足する形で意見を述べさせていただく。要点としてはヴォーン・インデックスとインカメラの導入である。実際に裁判をやっているが、現在、防衛外交情報に当たるという理由で不開示になるケースが多い。愛知県の国際博覧会をやめた場合に、愛知県は損害賠償義務を負うのかということで賠償額の分かる資料を外務省と経済産業省に開示請求したが、まさか防衛外交情報を理由に不開示になるとは思っていなかった。驚いて、不開示決定の取消訴訟を起こし、一審は一部勝った。どういうことで勝ったかというと、裁判所が積極的に不開示の文書のタイトルを出すように、釈明権を行使したことにある。これはすべて不開示だというけれども、どういうタイトルの文書があるのか具体的な名前を出せと言うわけである。そうすると準備書面で幾つか出してくる。事実上、ヴォーン・インデックスに近いようなことが行われるわけだが、その中に既に愛知県が情報センターで一般に公表している文書と同じタイトルなものがあった。作成日時がややずれる以外はタイトルも主要目的も全く同じものがある。たまたま裁判所がそういう釈明権を行使したために、同じような文書、既に公表済みの文書と同種のものではないかというものがあることがわかったため、そこの部分は不開示の取消ということになった。これは法律に定まっていないので、もし裁判所がそこまでやらなければ、そういう形での取消の判決で出てきたかどうか非常に疑問である。 一審はその部分については取消と出たが、高裁で今度はどういうことが争われているかというと、愛知県が公表している文書と対象となっている文書がタイトルは同じだけれども、内容が違うという。内容が違うかどうかという立証の方法としては、彼らは作成者の陳述書なるものを出した。すべてが同じ作成者というわけではないが、編綴した担当者は愛知県が出しているものとかなり違う、それ以上は中身がわかるので言えないが、違うものであることは間違いないという抽象的な陳述書を出してくるわけである。 中身がわかるから説明できないと言いながら違うという。取消を求める側はこれに対してどういうふうに答えたらいいのか、現状では非常に困る。とりあえず、検証の申し出というのをやる。これについては、検証の手続で立会いを放棄するということで、裁判所で申入れしてまだ決定は出ていないし、国の側は実質インカメラを認めるようなことになるのでだめだという。ただ、そうなると文書に書かれている意味内容については、本来はそこで入手した証拠として心証形成には使えないことになるから、非常に窮屈にならざるを得ない。あるいは書証でやるということになると、例えば不開示、真っ黒な文書を書証で出してもらって、原本照合手続の結果で見ていく。心証形成するというわけですが、書証を見るわけではなくて、原本照合の結果を心証形成に使っていいかという、また窮屈な問題が技術的に出てくると思う。インカメラがあれば簡単に済むことを、こういうことで半年もやり取りせざるを得ない、これは非常に窮屈である。 また、特に防衛外交情報というのが、我々が思う以上にたくさん使われて、使われ過ぎだ、せっかくホームページでこういうものが例示だと各省庁やっているから、その基準を法律の中に入れるような、限定を加えるような改正作業が行われてもいいかなと思う。このままだと裁判の現場では非常に困っている。本来、開示されるべきものが不開示になってしまうという、当初予想しなかったことが起こっている気がする。 もう一つは、後半に書いた部分公開についての最高裁の判決の持つ影響である。これは条例について最高裁が部分公開はできない、全体に不開示にしていいという判決を出したところが情報公開法にも影響して、6条2項の反対解釈で、個人識別情報以外については、全体の一部のみを公開することまで命じていないという解釈をして、有意性、有意の情報というのを非常に広く考えるわけである。今、紹介した裁判でも、文書の |
| ○ | 黒田氏(情報公開市民センター理事) ヴォーン・インデックスについては、2年半ほど前にヴォーン教授が日本におられるときにお呼びして上智大学で講演会を持った。そのとき、ヴォーン・インデックスをつくって数年経ったときに夜中に電話がかかってきて、「おまえがヴォーンか。おまえが作ったものでえらく迷惑を受けている」と嫌がらせの電話がかかってきたとのお話だった。教授は「これでヴォーン・インデックスは定着したなと非常にうれしかった」と言っておられた。その意味を余り詳しく言われなかったが、恐らくヴォーン・インデックスによって副次的な効果が役人の中に起こるのではないか、という意味だと思う。それはどういうことかというと、墨塗りしたりするのは担当課の担当者がやるのでしょうから、自分が文書を作ったときに、後でヴォーン・インデックスを作成する時大変な苦痛を感じながら消さなきゃいけない。一度この苦痛を体でもって感ずると、次に作るときは、将来、ヴォーン・インデックスを作らなければいけないという意識を持ちながらやる。ということは、何が公開できて、何が公開できないかということを意識しながら役人さんたちが仕事をすることになるであろう。だから、最初インデックスをつくるときには、かなり大変な作業が起こるかもわからないけれども、ある程度時間が経つと、それを意識しながら何が国の機密なのか、何を守らなければいけないかを意識することになる、これは恐らく仕事するにも同じように影響するという非常にいい効果を持つのではないか。こういうことを恐らくヴォーンさんは言ったのではないかと思う。 次は、公益目的で私どもの手数料関係を減免してほしい。今回、独立行政法人等情報公開法というのができて1年半経ったので、一斉に情報公開請求をした。まだまだ皆さんが使っていないという状況で、みんなから開かずの間と言われている情報公開室に通していただいたとか、ホームページに手数料の振込先銀行名が書いてありそこに送ったら受取を拒否された。なぜかと銀行に聞いたら、この口座は振込禁止の口座だという。法人へ電話したら失礼しましたということで新しい口座を開いてくれた。つまり1年半、1回も誰もそこに振込みをしていなかった。実態はこういうことだ。 我々市民センターとしては、この情報公開法を使って、我々自身の利益のためにやるのではなくて、公益のため市民が行政を監視するという役割を持っている。それでいくと、よく出てくる意見があんまり監視が過ぎると、みんなが萎縮してしまうという議論だ。たしかに萎縮という面はあるかもわからないけれども、今の段階では、そのデメリットよりもまだ公正を実現するメリットの方がはるかに重要ではないか。我々市民団体というのは、極めて財政的に難しい状況である。ぜひ、アメリカと同じように、業種によって手数料に差をつけて、我々のような公益のための団体には優遇措置をとっていただきたい。 もう一つ、資料には書いていないが、センターで情報公開請求して非常に困っている点は、開示決定の手続を延長してなかなか開示してくれないこととそれからやっと開示されて異議申立てをしてもなかなか審査会に回らないという問題だ。これは法で期限を切られていないということもあるが、情報公開というのは1年も2年も経つとほとんど意味がなくなるケースが多いので、迅速に決定されて、審査会に回るということも、ぜひ法的な制度で補充していただきたい。 (質疑応答) |
| ○ | 堀部委員 新海さんからお話のあった愛知博の事例は、昨年の |
| ○ | 藤原座長代理 1点だけ確認したい。高橋弁護士のご提出の資料で、改善要求のところには、記述がないが、「はじめに」という文書のところで文書検索のことが書いてあるが、これも改善の要求の1つか。 |
| ○ | 高橋氏 制度的にどういうふうにするのか、あるいはサービスでやっているのかよくわからないが、実際、私自身はパソコンが余り上手ではないということもあり、何をやっても進まない、ホームページの限りでは。ですから、それは、もし本当にサービス精神があって、ほかの業者さんがものを売るような気持ちであれを出してくれているのなら、もうちょっと使いやすく、大分類、中分類、小分類と全部自分が一遍やったことを後付けでやってみてもなかなか難しい。まして漠然と何かを調べたいなんていったら、達人は別にして、現実には使えないんじゃないだろうか。ということだ。 |
| ○ | 三宅委員 新海理事から、先ほど訴訟における国の対応で、実質インカメラなので国がだめだというのは、憲法82条かなんかを持ち出して言うのか。 |
| ○ | 新海氏 情報公開法が訴訟ではインカメラを規定していないので、これはインカメラ審理を否定する趣旨であると。 |
| ○ | 三宅委員 情報公開法では、審査会のインカメラの規定はあるけれども、逆に裁判でのことが書いていないから反対解釈をするということか。 |
| ○ | 新海氏 反対解釈をする。 |
| ○ | 高橋氏 それは外務省でもそういうことはできないという趣旨か。現状では、私は東京でやっているのは1件だが、裁判所も積極的にそれをやろうと、ヴォーン・インデックスという言葉自体は別にして、もう少し外形的に説明しろというのは、裁判所はこの件については再三言っている。釈明は3回、4回、期日としたら今まで十何回、3年やっており、裁判所は、主張責任は外務省の方にあるということと、外形的事実は出すようにということを再三言っている。それでも先ほど示したように、文書の事柄の項目だけぐらいしか書かないで内容には一切触れない。 膨大な準備書面があるけれども、例えば、例示的と言うと、いろんな国でいろんな情報を取得している、こういうことだから出せないという。具体的に |
| ○ | 小早川座長 今の点は裁判所の釈明権の行使の仕方とか、その辺についての立法論みたいなものはお持ちか。今度の行政事件訴訟法改正案で、釈明処分の特例、特則というのは、処分の理由を明らかにする資料を出させるという規定が入ることになっている。その辺でかなり事情が違ってくると思うが、ヴォーン・インデックス的なものとか、あるいは文書名の話も出た。 |
| ○ | 新海氏 その辺の新しい法律の手続を先取りするみたいな、名古屋地裁の場合は、特定しないと、それは主張不十分で敗訴しますよぐらいの強い勧告に近いものがあった。それはそこぐらいまでやらないと出さないという現状がある。ただ、ヴォーン・インデックス的なものがあるからといって、それが果たして真実かという部分もある。違うという陳述書一つで心証がまたひっくり返ってしまう。今、高裁でやっているのはそれだ。仮にヴォーン・インデックスが行われたとしても、今、我々が裁判で直面しているのが「タイトルは同じだが、内容的に違うんだ」という、担当者の陳述書と尋問だ。これだったら10分ぐらいで終わるが、反証が非常に困る。 |
| ○ | 小早川座長 違うというのは、どこを否定するものか。 |
| ○ | 新海氏 今、争点になっているのは、具体的には何月何日 |
| ○ | 高橋氏 私は行政訴訟法そのものは余りよくわからないが、裁判所の釈明に任せるというのでは裁判官の考え方とか強弱があり、限界がある。東京でも、今までは2部と3部では大分裁判官の構成とか考え方と判決する中身が違うから、そこだけに余り期待するわけにはいかないわけで、処分の理由を明確化するというのは一歩前進だと思う。 ただ、今回のように、特に3号に絡むと何にも言わない。情報収集だ、外交工作だということしか言わない。そうすると、確かに全然言わないんだから向こうが処分理由を明示できない。これは向こうの準備書面にある。全部中身を言わないで、理由の正当性を言うんだから大変だ。それは一面そういうことはあると思う。そういうのにかこつけて何も言えないんだという話になるから、一切合切言わないと、名古屋のケースは対象がかなり明確になっているということになるが、私どもの方は1年分の支出資料のようなことになると、支出決裁文書だということはわかるが、どういう事柄かというのは全く想像のしようもないという部分があり、向こうも具体的に何だかわからないことを前提にして、その正当性を主張するから難しいということになる。通常の行政処分のように、個人との関係で何か許可、不許可みたいなことだったら、自分の方の正当性も申請者の正当性も言えると思うが、こういう自分の直接体験しない事柄で、全く行政庁側だけにしか情報がないということについての限界というのもあるのではないか。 また、それを訴訟上でどういうふうに規制したら、裁判長の釈明の強弱を越えて一定の拘束をできるか。そういう制度的なことまで、そういう問題はあろうかと思う。くどいようだが、ヴォーン・インデックスとインカメラという、この訴訟に特有の問題としては回答があるわけだから、ぜひ、それをお願いしたい。 |
| ○ | 小早川座長 時間の問題もあり、情報公開市民センターとの質疑応答はこの辺にさせていただきたい。 質問できなかった点、あるいは後で気がついた点というのがあり得るので、その際はまた、事務局を通じてお伺いするので、よろしくお願いしたい。 (情報公開市民センター退室) (新聞各社入室)
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| ○ | 小早川座長 日本新聞協会から紹介のあった皆様からご意見を伺いたい。 朝日新聞総合研究本部主任研究員中島さん、毎日新聞東京本社社会部兼開かれた新聞委員会事務局の宮澤さん、読売新聞東京本社編集委員の鶴岡さん、日本経済新聞社論説副主幹兼編集委員安藤さんである。 本日はご意見を事前にいただいているので、また、時間も限られていることから、強調されたい点、補足すべき点を中心に、それぞれ5分程度で説明いただき、その後で質疑を行いたい。 なお、本検討会の議論の内容は、発言者の名前を含めて総務省ホームページにおいて公表するので、あらかじめご承知おきいただきたい。 朝日新聞社の中島さんからご説明をお願いいたしたい。 |
| ○ | 中島氏(朝日新聞総合研究本部主任研究員) 時間が短いので、ペーパーにはかなり個別なことを書いてあるけれども、もうちょっと全体を通して包括的なことを話させていただく。 まずは、この法律の性格上、主役というか、主体になるのは主権者の国民であるということで、見直しにおいても同じように考えていただきたい。法律が内閣提出の法案だったことから、附則の規定も政府に対して見直しをするようにというふうになっているが、法律のつくり方からすると、国民に対して政府の行政文書の開示請求権というのを国民に対して与えているわけであるし、政府に対しては、原則公開という義務を課しているわけであるから、国民こそ中心になるべきであって、私たちも含めて国民の声を重く受け止めて、見直しに必ずそれを反映させていただきたいということがまず1点である。 それから、法律にはどの法律にも目的が書いてあるが、この法律が何のために制定されているかという目的について法律自体にも書いてあるし、それの趣旨については、総務省のマニュアルにも それからもう一つは、この法律も施行から3年も経ち、今度は1年間皆さんがいろいろ検討し、4年を目途としてということなので、3年、4年も経てば、もう地ならしの段階というのは済んだんじゃないか。初めいろいろ、アメリカの法律だって最初はうまくいっていなかったし、日本の法律も最初は、それまでになかった仕事であるから、慣れない仕事だからとか、本来の仕事でないというような理屈が出てきたり、だから余分な仕事だからというような言い訳をすることが多かったけれども、そういう言い訳はもうこの段階では通らない。 政府にとっては、国民に対して説明の責務を果たしなさい、国民に仕事を理解してもらうようにしなさいという法律なわけであるから、これ自体は政府にとっての本来の重要な仕事なわけだ。であるから、こういう情報公開制度というものには、職員は精通していないといけないし、手抜きなんていうものは許されない。であるから、手続処理が遅いというのはもちろんだめであるし、初めから特例があるような作り方の法律もいけないし、それが大手をふっていくというのもだめだし、むやみに隠すのもだめだし、隠しているんじゃないということを説明できるようなことでなくてもだめだし、特別の費用をとるというのも、こういう本来の仕事のために、受益者負担のような発想をとるということもおかしいということで、そういう観点から仕組みにいろいろ欠陥があってこそ運用もだめという部分も相当あるので、今言いった3つの観点から思い切った改革、改善をしていただきたい。 |
| ○ | 小早川座長 続いて、毎日新聞社宮澤さんからお願いしたい。 |
| ○ | 宮澤氏(毎日新聞東京本社社会部兼開かれた新聞委員会事務局) 今日この検討会に出席するに当たって、同僚の記者なども含めて、いろいろ言いたいことを言ってきてくれということで、同僚からの意見を聞いたものも含めて発言したいと思う。 これまで市民団体からの発言にもあったかとは思うけれども、具体的に主張したいのは4点である。まず、1点は開示請求から具体的に納得のいく資料が出るまでどのぐらい一体待てばいいんだという、いつまで待たされるんだという非常に不満が強いのが1点である。それと開示内容について、いわゆる黒塗りが非常に場当たり的に行われている。いわゆる不存在と言われたとき、その不存在というのは我々から見て不透明だということである。3点目、ファイル管理簿の使い勝手がまだまだよくないんじゃないか。特に地方から請求する場合に、文書の特定がまだまだ難しいという声がある。最後4点目であるが、情報公開法ができたために、マスコミの取材がちょっとやりにくくなったなというのを最後に言いたいと思う。 まず、最初に開示から文書を受け取るまでの期限、時間の問題になるけれども、これは私ではないが、ある記者の経験をお話しすると、最近、記者は新聞でもこのことは発表しているが、鈴木宗男さんの収賄事件に絡んで、 当初の開示請求から手元に届くまで1年 いわゆる黒塗りという問題であるけれども、これはやはり農水省の関係だが、取材の過程で畜産関係の公益法人の天下りの取材をしようということで役所に行き、こんな資料があると見せてもらった。そのときには公益法人の名前があって、役員の名前があって、前職というか、事務次官とか元局長とか、そういうちゃんと書類があったらしい。全部写すのは大変だなということで開示請求をしたら、出てきた資料を見ると、その資料の前職、事務次官とか、局長という部分が全部消された資料が出てきた。黒塗りにするのなら、まだ若干理解できるんですけれども、リストを作りかえて出してきたというがあり、初めて請求したらそういうものかなと思うけれども、もともとの資料を見ているために、隠蔽体質というのを非常に強く感じたということである。そういうふうに職員の方の意識として、まだまだ隠そう隠そうというのが強いんじゃないかなということである。 ちょっと話が戻るけれども、先ほどの開示期限の問題だが、 最後になるけれども、マスコミとして、情報公開法ができる前は、普通の取材で提示された資料も、法律ができたために情報公開法を使って請求してくれという事例が結構散見されるということである。マスコミを特別扱いしろということではないが、そういう声があるということをお伝えしたい。 |
| ○ | 小早川座長 読売新聞社鶴岡さんからお願いしたい。 |
| ○ | 鶴岡氏(読売新聞東京本社編集委員) まず最初に、この検討会の性格が非常にあいまいであるということと、このテーマに運営が全く即していない。非公開のまま運営されている。これは国民にはとても理解できないことだというふうに思う。この点は、例えば首相のお膝元の経済財政諮問会議なんかにしても、議事内容あるいは配布資料にしても極めて迅速に公開されているという点から見て、こちらの運営方法というのはちょっと理解しがたいものがあるということで、本日、朝刊の記事で書いたところである。 この見直しの内容について、総務省からは、運用の見直しでいいではないかという感触で考えているという話を伺っていたけれども、情報公開法というのは、要するに活用すればするほど充実したものになっていくという性格は、自治体の情報公開条例の利用状況からもはっきりしているところであるということで、読売新聞社も取材ということを兼ねて積極的に利用してきているけれども、やはり条文の内容まで踏み込んだ形で改正していただかないと、使いにくいという面が非常に多々ある。これは意見書で書いたとおりであるけれども、今後の検討では、そういった利用の実態に即してご検討いただきたい。 制定のときもそうだったけれど、行政の情報開示の実態に即さないような意見が反映された面が結構あったというふうに記憶している。行政機関が情報開示を積極的にやっているところももちろんあるけれども、非常に後ろ向きで対応しているケースもある。特に公開すると役所にとって都合の悪いような情報に関して非常に後ろ向きな対応をしている。この法律の性格から見て、やはり行政のチェックというところは国民にとって大きな意味のあるところであるから、それに役立つような形のものでなければいけないというふうに思う。開示しても支障のない情報ということにもちろん限られるけれども、重要な情報を隠しやすいような性格の規定というのを、しっかり見直していただきたい。 特に強調したいのは、司法チェックのところである。これは情報公開審査会もかなり第三者的なチェックの役割を果たしてきていると思っているけれども、やはり最終的なチェックというのは司法の場で行われるということになると、司法のチェックをできるだけ幅広く行えるように、かつ深い審査ができるようにということが不可欠だと思う。そういう観点から見て、例えば訴訟の裁判管轄の問題では、現在、提訴できる裁判所が限られている。 それから、インカメラ審査の方式が導入されていない。いろいろ議論もあったことは承知しているけれども、裁判管轄に関しては、国民が裁判を公平に受ける権利という点から見ても、これは見直しが絶対必要である。 それから、インカメラ審査の件については、例えば、裁判に訴えた国民が裁判所の判決を見て、裁判官が実物を見ないで判断を下したということになったら、やはり制度の信頼性にかかわってくると思う。そういった点から見ても、インカメラ方式というのは、やはり不可欠な要素になるだろうと思う。 それから、使いやすさという点では、この法律制定に当たって、行政情報公開部会に参加されていた先生方もおられるからご承知だと思うけれども、公開請求手数料、開示請求手数料については、私が議事概要を全部見た範囲では、部会では一度も議論されていない。その要綱案がまとめられた後で設定されてしまった。しかも、あの当時、自治体でああいった公開請求に絡む手数料を設定していたところはたしかなかったはずである。そういった、かなり恣意的な制定の仕方がされたという印象を強く持っている。したがって、今回、国民の使いやすさという観点からみたら、やはり、そういったところもしっかり直していただきたい。 |
| ○ | 小早川座長 日本経済新聞社の安藤さんからお願いいたしたい。 |
| ○ | 安藤氏(日本経済新聞社論説副主幹兼編集委員) 私の意見は、あらかじめ提出した簡単な文書に尽きるが、役所の文書管理の重要性についてちょっとお話をさせていただきたい。 日経でもかなり情報公開制度を使って請求をしたけれども、文書不存在を理由に不開示になったケースがかなりありる。確かに実際に存在しないというケースもあった。かつては存在したけれども、今は警察に押収されてないと正直に答えてくれた役所もあったけれども、しかし、絶対あるはずだという資料もないような役所も結構あった。山一証券の自主廃業を迫った当時の大蔵省証券局の局議の資料、これは必ずあるはずだということで請求をしたけれども、存在しないという理由で不開示となった。多分、廃棄されたのかどうかわからないけれども、うちの出先の記者の話だと、やはり、行政の意思決定に使う資料を公文書としてはなくて、依然として私文書として作成しているという意識がまだ役所に強く残っているんじゃないかということである。 したがって、情報公開法の見直しに合わせて行政文書保存管理法の制定というものもぜひ検討していただきたい。これは情報公開法制定時にもそういう議論があったし、日経も社説でそういうふうにずっと書いてきたけれども、やはり行政の執行上作成した文書というのは、基本的には一定期間保存する。一定期間が経過した場合、重要な公文書は国立公文書館に移管する。そして国立公文書館に移管した文書も、その当時は不開示であっても、一定期間を経過すれば、これを全面公開する。ぜひこういう原則を明確にするのが望ましいんじゃないかというふうに思う。 併せて国立公文書館の充実ということも、この際、要望したいというふうに思う。日本の国立公文書館というのは、他の国に比べると、規模といい、スタッフといいあまりにも貧弱じゃないか。これは民主国家としての内実を問われるようなことではないかというふうに思う。ぜひ行政文書保存管理法の制定というのをこの際お願いしたい。 (質疑応答) |
| ○ | 小早川座長 今のお話の中で、立法当時の行政改革委員会部会の在り方についてのご批判もあったと思うが、その辺は関係者としては反論したいところもあるが、ここではそういう議論はしないということにさせていただく。 |
| ○ | 曽和委員 宮澤さんのおっしゃった、以前入手できた文書も開示請求せよと言われようになってやりにくいという話だが、これはマスコミの立場に限らない問題として受け止めるとすれば、従来、情報を公開する方法としては、開示請求に基づくものと、役所が任意の判断で提供するものとがあって、私は個人的には両方充実させることが大事だと思うし、むしろ情報提供をもっと充実させることが大事だと思う。そうすると、こういう情報提供をかえって限定するように運用されているのではないかというご意見と受け止めてよろしいか。 |
| ○ | 宮澤氏 結構である。 |
| ○ | 堀部委員 朝日の中島さんの書いている論文はどのくらい続くのか。 |
| ○ | 中島氏 提出したペーパーの冒頭に情報公開法第5条第3号、第4号の規定について訴えているけれども、これを次の6月号に原稿が書いてあり、ゲラの段階なもので、こちらに持ってくるわけにはいかなかったが、それに際して答申を3年間分、 ただ、私が言いたいのは、この規定が行政機関の長が認めるにつき相当の理由があるというものがあるために、そこへどうしてもすり寄って逃げ込んでしまうというか、私の方からすれば、そういう規定になっているので、堀部先生とも報償費の不開示、本体部分はほぼ不開示が妥当となったけれども、あれについて堀部先生がおっしゃったのは、外交官の仕事を外交官だけに任せておくかどうかという、そういう問題でしょうと。情報公開法はそれを議論するきっかけになるなら結構であると、こういうお答えで、まさしくこれは国民が政策をチェックし、国民が政策づくりに参加するという法律のつくり方からすると、目的からすると、何かせっかくのものが3号、4号で引っ込んじゃっている。せっかくインカメラしているのに、何も実質秘に触れないでいると、何か裁判の当事者主義ということになぞらえると、2者が、つまり省庁と審査会とがつるんじゃったというようなふうに見えてしまう。だから、せっかくインカメラというものがあるのに、何でこんな規定があるという感じである。省庁は十分に何度も釈明もできるんだから、こんな規定は特に要らないんじゃないかというのが、私の結論です。次回の6月号は、事務局を通してお届けする。連載は大体、5回か6回ぐらいやることにしている。 |
| ○ | 堀部委員 新聞の場合には紙で残りますので、いろいろ参考にさせていただく。個別には聞きたいことがあるが、今日は、いろいろ貴重なご意見をありがとう。 |
| ○ | 小早川座長 他に何か。 |
| ○ | 三宅委員 鶴岡さんの最後の法運用、制度の監視体制についてというところで、チェックをする組織として、情報公開審査会関連の組織とすることが適当と考えるとあるが、具体的にもう少しイメージがあれば教えていただきたい。 |
| ○ | 鶴岡氏 イメージとして固まっているわけではないけれども、少なくとも今回の検討会の運営の仕方を見ても、私は、総務省に監視機能を持たせるということは不適切だと思っている。したがって、総務省と別の内閣府にそういう機能を持たせる。その場合に、行政効率化という観点から考えると、普段、不開示情報、不開示決定の適否をチェックしている審査会に関連した組織という形も考えられるかなという気がするけれども、そういうふうなイメージで考えている。 |
| ○ | 小早川座長 自治体でやっているところのある運営審議会などのスタイルが念頭におありか。 |
| ○ | 鶴岡氏 勧告権は少なくとも持たせるということである。 |
| ○ | 小早川座長 それでは、予定の時間も過ぎているので、この程度にいたしたい。この検討会の在り方自体についてもいろいろご指摘があったが、それは私どもとしても真剣に受け止めて検討したい。 時間の都合上質問できなかった点、今後気がついた点があれば、事務局を通じてお伺いすることもあろうかと思うので、よろしくお願いしたい。 本日は皆様お忙しいところをお出ましいただき、また貴重なご意見、ご指摘を賜り、誠にありがとう。 |