第4回情報公開法の制度運営に関する検討会の議論の内容


日時   平成16年6月22日(月) 10時00分〜12時00分
場所   永田町合同庁舎 1階 第1会議室
出席者
(参集者) 小早川座長、藤原座長代理、宇賀委員、小幡委員、曽和委員、
西鳥羽委員、堀部委員、三宅委員
(ヒアリング対象団体)厚生労働省、国土交通省、外務省
(事務局) 藤井政策統括官、田部行政情報システム企画課長、山内情報公開推進室長、溝口調査官


議事 :
  1  開会
 ヒアリング
 フリートーキング
 閉会


議論 :
小早川座長 本日は厚生労働省、国土交通省、外務省からのヒアリングを行う。まず厚 生労働省から意見等を伺う。
 厚生労働省から、大臣官房総務課情報公開文書室の成田室長、梅原情報公開専門官に出席いただいている。
 本日は、ご意見等を事前にいただいているので、特に強調されたい点、補足すべき点を中心に10分ないし15分程度で説明いただき、その後、質疑等を行う。
 なお、本検討会の議論の内容は発言者の名前を含めて、総務省のホームページにおいて公表するので、あらかじめご承知いただきたい。
成田室長(厚生労働省) 厚生労働省における情報公開制度の状況についてお手元の「情報公開法の制度運営に関する検討会説明資料」に沿って説明したい。
 まず、情報公開の窓口について、厚生労働省では、本年4月現在、本省のほか48の施設等機関、55の地方支分部局において情報公開請求の受付に対応している。
 このほかに外局として、中央労働委員会事務局と社会保険庁があるが、本日はこれを除いた厚生労働省本省とその施設等機関及び地方支分部局の状況について説明する。
 3ページ、情報公開法が施行されてから3年が経過したが、この間、厚生労働省全体における開示請求の件数は年々増加しており、昨年度は本省において4,000件を超え、全体として4,857件となっている。これらのうち本省に対する請求が4,031件、その他が826件となっているが、この826件のうち700件強が各都道府県に設置されている地方労働局に対するものとなっている。
 4ページ、平成15年度の本省分の開示請求を担当部局別に見ると、医薬食品局が8割弱を占めている。このグラフでは各局の数字の中には、その局の中にある各部の数字が含まれていない。このため医薬食品局を除いた「その他」の内訳を見てみると、医薬食品局の中にある食品安全部の数が次に多くなっており、その次が障害保健福祉部等の順になっている。
 5ページ目の開示決定等の状況では、平成15年度の開示決定件数が全体で4,417件あり、このうち全部開示が6.1%、部分開示が86.3%、不開示が7.5%となっている。
 6ページ目の不開示理由では、不開示情報に該当するケースが多くなっており、次いで行政文書の不存在、存否応答拒否の順になっている。
 7ページで、不開示の理由を情報公開法第5条の各号別に見ると、第1号と第2号が特に多く、次いで第4号、第6号の順になっており、第3号、第5号に該当するものは非常に少なくなっている。
 8ページ、延長手続の状況については、約8割の請求に対し、延長手続なしで開示決定を行っている。延長手続をしたものの中でも情報公開法第11条の期限の特例を適用したものは全体の開示請求の0.7%となっている。
 9ページ、不服申立ての状況を見ると、平成15年度は全体で216件、前年度に比べ減少しているが、これは平成14年度には、ある特定の案件に対する不服申立てが121件あったためで、これを除くと必ずしも減少傾向にあるとは言えないのではないかと思っている。平成15年度の不服申立ての内訳は、異議申立てが125件、審査請求が91件で前年度に比べ異議申立てが多くなっている。
 10ページ、平成15年度の不服申立ての状況を部局別に見ると、労働基準局、社会・援護局、職業安定局など特定の部局に多い状況になっている。なお、ここでは、各局の数字に各部の数字も含めて計算をしている。
 11ページ、不服申立ての受付から裁決・決定までの日数だが、昨年度は3カ月から6カ月のものが約6割を占めている。
 12ページ、不服申立ての受付から諮問までの日数については、昨年度は諮問済み件数のうち1カ月から2カ月のものが約27%、3カ月から6カ月のものが約24%、2カ月から3カ月のものが約23%となっている。
 13ページに、情報公開に関する訴訟の状況を示しているが、これまでに地裁・高裁合わせて11件の訴訟が提起されており、このうち15年度末で4件が係争中である。
 以上が統計的な数字だが、次に厚生労働省における開示請求の受付から開示決定等までの業務の流れについて説明したい。
 先ほど説明したように、厚生労働省本省においては、年間で約4,000件の開示請求があるが、これは計算すると、毎日約15件から20件の請求があり、常時、約300件の請求の進行管理を行う必要があるということになる。厚生労働省では、法施行当初の平成13年度には、期限の延長を行わずに開示決定等を行うのが30日を超過した事例が3件あったが、14年度以降はこのようなことは起きていない。開示請求の受付を行った場合には、14ページの流れ図のように、まず対象行政文書を特定し、開示・不開示の判断を行い、開示決定等をするという順で作業を行っていくことになるが、このうちのどの段階で時間を要するかというのは案件によって様々である。
 これまでに前例のない行政文書の開示請求があると、担当部局や対象行政文書が明らかな場合には、担当課に対して文書の特定のために原則として開示請求から2日以内に対象文書を持ち込むように依頼をしている。しかしながら、担当課が明らかでない場合には、幅広く可能性のある部局に照会を行ったり、請求者に意向を確認したりしている。担当部局が明らかでない請求や複数の部局にまたがる請求については、全部の関係部局からの回答を待って方針を決めたり、請求者と連絡をとるといった対応が必要となるので、これにかなりの日数を要することもある。
 対象文書が特定された後は、所管課と調整をし、全部開示か、一部開示か、不開示かという判断を行い、一部開示の場合には不開示部分の決定を行い、最終的に決裁をとって開示決定又は不開示決定を行うことになる。
行政文書が不存在であると考えられる場合や、対象文書の特定が困難である場合などに、どの程度まで文書の探索をしたり、請求者に対して教示、情報提供などを行っていくべきかという点については、常に迷っているところである。
 6ページのグラフで文書が不存在であることを理由とする不開示決定の件数が少なくなっているが、対象文書が不存在の場合には、私どもではできるだけ請求者に連絡をして、取り下げを行うか、不開示決定を希望するのかを選んでいただくようにしている。
こういった進行管理を適切に行うために、私どもでは、毎日夕方に情報公開文書室内の担当者で進行管理のための会議・打ち合わせを行っている。また、毎週の室内の会議で、月単位の進捗状況について確認を行っている。
 それから、各部局への作業依頼に対しては、次の作業スケジュールを明示するとともに、電話、メール等で連絡をとってきめ細かく作業状況をフォローするようにしている。
 次に15ページの不服申立てから諮問までの流れだが、不服申立てが行われた場合においては、原則として担当課において不服申立ての受付から30日以内に諮問の要否を判断して、諮問をする場合には諮問書や理由説明書の案を当室に持ち込むように依頼をしており、できるだけ60日以内に諮問できるように努めているところである。
 しかし、12ページのグラフを見るとわかるように、実際には諮問までにそれ以上の日数がかかる事例がある。その理由としては、例えば、他の類似の案件が既に情報公開審査会に諮問されている場合に、その答申を踏まえて諮問の準備する必要があること、処分庁が地方支分部局である場合に開示決定等の経緯について確認をする時間が必要であること、10ページのグラフで示したように、不服申立てが特定の部局に集中をしているために迅速な対応が困難であることなどが考えられる。
 次に16ページから、厚生労働省における開示請求の特徴とか、日ごろから情報公開業務を行っている立場から疑問や課題としてとらえている事項について説明をしたい。
 まず2ページで示したが、本省への請求については、特定の部局への開示請求が多くなっている。これらのうちの大部分が製薬会社等による競合他社の医薬品の製造承認申請書等の開示を求めるものである。同一の企業が一度に相当な分量のある開示請求を10件程度行ったり、あるいは様々な請求を繰り返し行うというケースも少なくない。情報公開法では目的を問わずに行政文書の開示請求を行うことができることとされており、実際にはこういう自社の利益のための請求といったものが多くなっている。
 2番目に大量請求への対応という問題がある。開示請求の中には大量の行政文書の請求を行うものもあり、例えば特定の個人や法人が繰り返し請求を行う例、同一の請求者が同じ日に大量の請求を行う例、最近では一度に36件とか、1日に通達を293本というような請求の例もある。また、先ほど説明したように、本省以外への開示請求としては、地方労働局への開示請求が多いが、複数の労働局に対して同様の文書を一斉に請求する例などもある。
 このように、一度の大量請求が行われた場合には、各部局をまたがる対応が必要となるケースも多く、各局が整合性のとれた対応を行って、30日以内に何らかの結論を出すためには慎重な進行管理が必要となっている。
 それから、大量請求とは直接関係ないが、不服申立てを行った後で、諮問直前あるいは諮問後に取下げを行ったり、大量請求に対して決定を行ったものの実施の申出がされない例などもあり、もちろん請求者の自由ではあるが、実際に作業を行った担当者としては非常に残念な思いをすることもある。
 先ほど説明した医薬食品局の場合と同様、こういった大量請求が一部の部局において他の開示請求への対応、他の行政事務への遅れとなっているのではないかという懸念もあり、情報公開制度は国民の誰でも利用できる制度だが、実際には限られた範囲の方に利用されていることになっているのではないかとも感じられる。
 17ページに進むと、7ページのグラフにも示したが、厚生労働省では、個人や企業に関する情報を多く保有していると考えている。このために、開示・不開示の判断には慎重な判断が必要であると考えている。これに伴い、企業などへの意見照会等が必要なケースも多く、過去には1件の請求に対して数百件、数千件の意見照会を行った例もある。
 4番目に、開示・不開示の判断を慎重に行っていくに当たり、いろいろと苦労をしているが、その例として、「公にされ、又は公にすることが予定されている情報」の確認をどこまで行うかという問題がある。例えば、厚生労働省では地方自治体から提出された資料が開示請求の対象となることも多いが、この場合に地方公共団体における公表慣行、例えば地方自治体の職員の氏名の公表慣行がどうなっているか、あるいは自治体において、同じ文書について条例に基づいて開示請求が行われたことがあるか、今後行われた場合にどういう開示を行うかといったようなことについて、都道府県レベルまではできるだけ確認をするように努めているが、これが市町村レベルまでということになるとなかなかその都度確認するというのは困難な状況になる。
 18ページ、同一の文書について多様な請求方法で何回も請求することにより、結果として不開示情報が透けて見えるようなことになるのではないかということも心配をしている。例えば地方労働局においては、企業が自分のところで雇用する労働者についての情報を記載して、行政機関に文書を提出しなければならないケースが多いが、これらのうち、ある1枚の文書について、まず企業を特定して請求する。例えば、「A会社から、ある労働基準監督署に提出された○○届出書」という形でまず請求を行い、次に今度は、この労働基準監督署に何年何月から何年何月までに提出された○○届出書というような形で行政機関に提出された期間を特定して請求すると、その都度、もしも文書の異なる部分が開示されると、結果として、その文書に記載された企業情報やあるいはその企業に雇用されている労働者の不開示情報が開示されるおそれがあるので、そのようなことがないようにしなければならないと考えている。
 それから、「全国的な請求への対応」だが、情報公開審査会への答申は、個別の案件についての判断が出されるものであるが、例えば同一の様式に係る行政文書を全国の地方労働局において保有をしており、これについて各局で開示請求が行われているというのが現状である。
 これらについて、個別の事案ごとに開示すべき部分、不開示とすべき部分を判断していくことは事実上非常に困難であり、全国的に整合性の図られた開示・不開示の判断基準が必要であると感じられる。
 最後に19ページ、今後の課題として、私どもが考えている点を2点ほど挙げたが、1つは、法施行後3年が経過して、省内においても、適正な文書管理の必要性や情報公開制度の内容についての理解はかなり深まったと考えている。しかし、いまだに不十分な事例も見受けられるので、一層の周知啓発が必要であると考えている。具体的に、今取り組んでいる例としては、例えば新任職員に対する研修、地方労働局の幹部の全国会議での周知などを行っている。
 それから、情報公開制度とは直接の関係はないが、来年の4月から行政機関個人情報保護法の施行が予定されている。現在そのための各種の準備を進めているところだが、情報公開法と個人情報保護法の両方の法律の適切な施行、進行管理が行われるように必要な体制整備等を行っていく必要があり、また、この2つの法律の整合性のとれた運用ができるように検討を進めていかなければならないと考えている。


(質疑応答)
堀部委員 特に食品医薬品関係が多いというのはアメリカのフード・アンド・ドラッグ・アドミニストレーションに対する請求と非常によく似た現象が出てきているという印象を受けた。ここにまとめられた以外に、何かもう少し実際に対応で大変だという点があれば、その点述べていただきたい。あるいは(赤の部分削除)また、特にこの部分はこうしたほうがいいのではないかというようなものが法律の規定であるかどうか。先ほどの「慣行として」というのは確かにどこまで公にされているのか、大変わかりにくいと思うが、それをもっと規定として絞るのかどうかとか、そういう何かふだん感じておられることがあればと思うが、いかがか。
成田室長(厚生労働省) 一応、直接、間接にはお願いなり疑問なりと思っている点は網羅したつもりである。今、説明したように、審査会の答申が個別な案件で出るので、その答申の内容を個別の事案で当てはめていくことに苦労しているとか、実際業務量として30日の勝負なので、そういう意味で日々苦労しているというのが現状である。
三宅委員 先ほど審査会に他の案件が諮問中のものについては、諮問を少し控えて、諮問中の手続を見るという話があったが、類似の案件が諮問されているときには、併せて諮問してくれという手続をお願いするケースはなかったのか。いわゆる併合の手続というか、そういうことについて、厚生労働省からお願いをするケースがあったどうかということだが。
梅原専門官(厚生労働省) 実際には個々の方々が開示請求をされる関係で、開示請求 の時期が非常にずれたりするので、諮問した事案については、概ね口頭説明が終われば、 一ヶ月くらいで答申が出ることを目安としており、この案件は既に口頭説明が終わって いるので、近々答申が出るのでと推察し、それまで諮問を控えることもあり、まだ部会 で審議が始まっていない場合は、新たに同一の案件を提出するということを審査会の事 務局に連絡を入れ、なるべく早く諮問をするというように個々の状況を見て判断している。
小早川座長 そうすると、答申を見て、手持ちのものについて、諮問するまでもなく、例えば前の件と同じように開示をするとか、そういうことを考え、実際にそういう例もあるということか。
梅原専門官 類似事例について部分開示であったところを、全部開示しろという答申が出れば、手持ち事案については諮問するまでもなく、裁決・決定で全部開示にできるが、厚生労働省関係は、議事録とか部分開示となるものが多いので、どうしても諮問をする場合が多くなる。
小早川座長 そういう場合に、どちらが望ましい処理かというのは微妙なところだ。とにかく諮問はして、後は様子を見るというやり方もあるかと思うが、そこはいろんな考え方があると思う。
藤原座長代理 厚生労働省全体の情報公開の進行管理をしているということだが、原処分の理由付記については部屋のほうで何らかの対応をしているか。必ずしも十分でないようなものが散見されると思うが、それはまた諮問するまでの期間等にも関係してくると思うが、そのあたりはどうなっているか。
成田室長(厚生労働省) まず、厚生労働省本省での決定分については、基本的に全部私どもの室を通って決裁しており、見てはいる。その中で不十分なものがあれば、それは大変申し訳ない。
藤原座長代理 地方支分部局の事案はどうか。
成田室長(厚生労働省) それは見ていない。ただ、事案によっては個別に相談があるケースがあり、その場合には相談に乗っているが、必ず見るという仕組みにはなっていない。
藤原座長代理 本省の分だけチェックされているという理解でよいか。
成田室長(厚生労働省) はい。もちろん、例えば答申などで不十分な説明があったと いうことであれば、今後そのようなことがないように地方に指示をするなりの対応はし ている。
梅原専門官(厚生労働省) 審査請求については、例えば、答申が出、裁決・決定が実 施されれば、必要に応じて47都道府県の労働局に答申を送るようにしている。また、 新規の開示請求については、各地方支分部局において本省の担当部局等と極力事前協議 を行うようにしており、それぞれ地方支分部局から本省担当部局に、開示・不開示につ いてどうするかという相談が上がってきている。本省担当部局で判断を迷うことがあれ ば、情報公開文書室に協議をするという形になっている。
小幡委員 説明の中で第三者に対して意見照会が必要なケースも多いとのことだが、13条2項の必要的な方に当たる場合なのか、あるいは1項の方の場合でも意見照会をしているのか、その辺の実態を伺いたい。  それから非常に多いということだが、実際に反対意見書を提出されて、それでも開示決定し、何か第三者のほうがアクションを起こされたような、例えば執行停止などの、そういう例があるかどうかを伺いたい。
成田室長(厚生労働省) 意見照会についてのデータはないが、多分任意で行っているものが多い。ただ、企業から、協力なり信頼関係のもとに資料を提出してもらっているわけだから、開示をする前には意見を聞いておくというケースもあるのではないかと思う。当然反対意見を出されて、不服申立てが出て、審査会に諮問したり、執行停止をかけるというような事例もある。
小幡委員 その数はわかるのか。そういうデータは、今お持ちですか。調べればわかりますか。
成田室長(厚生労働省) 例えば不服申立ての中で、第三者が出した例ということか。
小幡委員 反対意見書が提出されている割合は。
成田室長(厚生労働省) 反対意見書の数までは把握していない。
梅原専門官(厚生労働省) 最近の事例としては、障害者雇用率の未達成企業とか、最 近答申を受けたフィブリノーゲンについては答申を受けて部分開示の裁決・決定を行っ たが、障害者雇用率については、いまだに企業のほうから、開示するなという意見が出 て諮問中でありフィブリノーゲンについては、昨日諮問をした。
曽和委員 「公にされ、又は公にすることが予定されている情報」の確認に苦労しているという説明だったが、これは非公開となる個人情報が、個人識別情報という形で非常に広くなっているので、「公にされ、又公にすることが予定されている情報」のところをできるだけ広げて、公開の範囲を広げようという努力をされていることがその背景にあるのかなと思う。諸外国の情報公開法を見ると個人情報についてはプライバシー型をとっているところも多いが、日本では個人識別型が多い。プライバシー型になった場合は、今の説明のような問題はなくなるとは思うが、逆に運用が難しいということになるのか、そのあたりの実感はどうか。
成田室長(厚生労働省) それは国の制度をプライバシー型にした場合はどうかという意味か。
曽和委員 プライバシーとは何かというのが判断しにくいので、とりあえず個人情報を 広く保護しようということで、個人識別型になったという経緯があるが、仮にプライバ シー型になった場合には運用しにくいという実感を持っているのかどうかをお聞きした い。仮定の問題になるが。
成田室長(厚生労働省) 国の制度がプライバシー型になった場合というのは、どういう規定の仕方になって、どういう制度になるのかというのを具体的に見てみないと、大変かどうかというのは、今この場で判断するのは難しいと思う。実際に地方自治体が既に開示をしたものであれば、国のほうで不開示にする理由はないので原則として開示していくことになるわけで、その場合に自治体がプライバシー型により開示しているのか、それとも個人識別型で開示しているのかというようなことまではふだんあまり詮索をしないで、実際に開示したことがある例があれば、それは国としても開示せざるを得ないというような判断をしている。
曽和委員 自治体が過去に情報公開条例に基づいて公開している場合があったら、それ は「公にされている情報」に該当するという形で対応しているということか。そういう 形で全部調べているということか。
成田室長(厚生労働省) よく同じ方が自治体にも請求されるケースもあり、自治体で全部開示してもらったのに国で開示されないとなると、説明がなかなか難しくなる。
西島羽委員 大量請求の問題で、自治体でも大分苦しんでいるようだ。大量請求があって、開示の準備をしていたら、実施の申出がなかったとか、諮問があってから取り下げたとか、困っている事例もあるようだが、実施の申出がなかったりした場合、16条の手数料はどうなるか。   それから、大量請求に対して、現場で具体的にこういう措置を講じてほしいというような何か意見があるか。
成田室長(厚生労働省) 手数料は取れない。もちろん請求手数料の300円は既に受け取っているが、実施の申出がされないと、実施手数料は入ってこない。
西島羽委員 何か対応として意見はあるか。
成田室長(厚生労働省) 大量請求について延長するときに、どこまで作業が進めば延 長の決定ができるのかということについて、例えば大量請求があると、まず件数の確定 から始まり、どこの部局に、どういう書類があって、それが結局最終的に何件分になっ て、文書の名前がどういう名前であってといったことが、どこまでが確認された段階で 延長の決定ができるのかということになる。私どもでは、できるだけ30日の期限まで には、当然件数は確定し、文書名も確定をするというところまで行い、特定した文書に ついて、30日なり、あるいは場合によっては、それ以上の延長をするかを決めるとい うような対応をしているが、特に大量請求の場合には、各局でどういう文書を持ってい て、請求者がどういう文書を求めているかを把握し、文書名を特定し、それが実際にい くつの課にまたがって、あるいはいくつの行政文書ファイルに保存されていているかと いう形で、判断をするというところまでが非常に時間がかかり、これを30日でやるの が非常に大変だというのが現状である。実際は文書を特定してしまうと、担当課にとっ てはどこを開示し、どこを不開示にするかという判断は大変な作業であり、特に対象文 書が何千枚ということになれば、これはこれで大変だとは思うが、窓口である私どもの 立場からすると、ある程度先は見えてくるというような状況である。
西島羽委員 特定の作業が大変ということか。
成田室長(厚生労働省) はい。例えば、請求者が請求された文書について、期限を延 長して、探してみたけれども、実は該当する文書がなかったとか、1件で延長したが、 30日たってみて、探してみたら2件分だったというようなことがないようにしなけれ ばならないので、最初の30日の対応が非常に大変だと思っている。
小早川座長 第三者意見照会だが、先ほどの説明の念頭にあったのは多分企業のほうが主ではないかと思うが、個人について、第三者照会されるということがあるのか。医療とか福祉になるとかかなりいろいろ微妙なケースが出てくると思うが、個人の場合は、そちらのご判断でやってしまうのか、それとも個々のケースについての本人の意見を聞くということがあるのかどうか。
成田室長(厚生労働省) 意見照会は各局(原局)の判断で行っており、私どものほう で、例えば企業に何件意見照会をしたとかというようなデータはとっていないのでわか らないが、多分個人の方について照会をしているケースは少ないのではないかと思う。 個人を識別できる情報、識別できなくても、なお、権利利益を害するという部分で、私 どもの判断で不開示にするケースが多いのではないかと思う。
小早川座長 私も自分の大学でそういう経験があるが、識別できなくても権利利益を害するかどうかというようなときに、本人の意見を聞くことはないか。
成田室長(厚生労働省) 企業のほうが正当な利益というような話になるので、例えば、企業の特殊なノウハウなのか、それとも誰でも知っているのかというようなことは企業に聞いてみないとわからない部分があるが、多分、個人識別情報ではなく、なお、権利利益を害する情報というのは、例えば医療情報とか、あるいは個人の内心とか経歴とか、そういうような情報なので、聞くまでもなく、ある程度判断をしているとういのが実態ではないかと思う。
小幡委員 たぶん企業についてだろうが、1件につき数百件もの意見照会をする場合もあるという説明で、その場合、期限を定めて意見を求めると思うが、どのぐらいの期間で行っているか。基準を決めているか。
成田室長(厚生労働省) 意見照会の作業も含めて基本は30日以内となっている。
小幡委員 反対の意見書の期限はそこに設定しているということか。
梅原専門官(厚生労働省) 1週間ないし2週間程度としている。
小幡委員 その期間にこなければ、出てこなかったということで処理するのか。
梅原専門官(厚生労働省) 意見なしということで処理する。
成田室長(厚生労働省) 提出された意見をもとに開示・不開示の審査をするのに時間かかるということで延長するケースはよくある。


(厚生労働省退室)


(国土交通省入室)

小早川座長 それでは、次に国土交通省から意見等を伺う。国土交通省からは、大臣官房広報課情報公開室の芦沢室長、三浦課長補佐のお二方に出席いただいている。
 本日は、ご意見等を事前にいただいているので、特に強調されたい点、補足すべき点を中心に10分ないし15分程度で説明いただき、その後、質疑等を行う。
 なお、本検討会の議論の内容は発言者の名前を含めて、総務省のホームページにおいて公表するので、あらかじめご承知いただきたい。
芦沢室長(国土交通省) 国土交通省は、省庁再編で4省庁が一緒になり、大変広い分野の行政を守備範囲としている。しかも、道路とか鉄道とか自動車とか、非常に国民生活に関係が深い分野を所掌していることから開示請求件数は多い。15年度は、資料1のとおり、1万1千件を超えている。13年度、14年度と国税庁に次ぎ、2位だが、15年度もベスト3には入るだろうと思っている。受理件数は1万1千件としているが、密接関連扱いで数百件を1件に数えている例も含まれており、実数はこれをかなり上回っている。
 3年間の実務経験からいろいろ苦労している点、困っている点を中心に、配布したペーパーに沿って、5点に集約して意見を言いたい。後ろに資料を添付しているが、資料の説明をしていると、時間が足らなくなるので、意見を中心に話をしたい。
 まず1点であるが、開示請求をされる方にも文書特定について協力するように、そういった努力義務を書いていただけないだろうかという意見である。私どもは、いろいろなパターンの開示請求を受けているが、中には請求者が何を求めているか判然としない場合や、「こういった文書一切」との請求で、「その中でもどういったものですか」というように文書特定のための作業をしても、「それに関するもの一切」と言うのみで、絞り込みに協力が得られない場合等があり、文書特定に苦労しているケースが多いのが実態である。もちろんすべてがそうではないが、なかなか特定ができないケースについて苦労している。
 したがって、行政機関側が文書特定に必要な適切な情報提供をすることは、当然として、請求者側においても、できる限り具体的な開示請求をするように努めていただくとともに、また行政機関が文書特定作業をする場合にこれに協力するよう法令上明記していただければという要望が第1点である。
 第2点であるが、大量一括請求型の請求に対して、法第11条の適用をしやすくしてほしいという意見である。11条の解釈について、総務省とも調整しているが、基本的には1請求で大量の場合を想定しているということで、複数の請求があって、それぞれの文書の量はさほど大量でないがその集合全体として文書量が大量になる例があるが、そういうものが数百件出た例だが、そういった場合には11条を適用できないとのことである。1件1件ばらしてみて、大量のものが入っていれば、それについては11条を適用できるけれども、そうでないものについてはできないという解釈が総務省から示されているし、また、「詳解情報公開法」の中にもそういった記述がある。
 ただ、実態としては、私どもが11条を適用したいと考えるケースは、それぞれ個々の請求に係る文書はさほどではないが、1請求で複数の文書、例えば、「これこれに関する文書一切」というような形で請求がされ、全体として非常に大量になるケース、こういうケースの方がかえって多い。この場合は、検索に非常に時間がかかることから、11条を適用できないと、実務が回らなくなるので、全体として大量請求の場合にも11条が適用できるようにしていただきたいという意見である。
 「詳解情報公開法」の中には確かにこういった解説があるが、宇賀先生の新しい逐条解説の中では、「残りの行政文書」とあるのは、行政文書の部分でなくて、行政文書の単位で適用できると解釈すべきという記述もあり、まさにそういった運用ができるようにしていただきたいということである。この点に関しては実務に当たっている各機関から非常に強い要望が出ているので、ぜひともこの2点目については実現していただきたいと思っている。
 3点目もまた文書特定の問題になるが、あるキーワードを含んだ文書という請求があった場合、非常に対応に苦慮している。確かにそういう文書が存在するということは認識できるのだが、それを大量の文書の中から探さなければ文書が特定できないようなケースで、これを行政機関側はやらなければいけない場合に文書特定が大変難しく、手間暇が非常にかかる。私どもが受けた請求の中には、大量の文書中からいくつかのものを探すだけで、数カ月かかるようなケースもあったところであり、形式的にはある種キーワードで文書特定ができているということであっても、実質的には文書特定がなされていないと考えられるので、そういったものについては、請求を拒否できるような対応が可能となるような措置をお願いしたい。
 こういった請求については実例があり、裁判で争われたが、昨年の10月に東京地裁で判決があった。これは自動車の登録の中である種の車の登録関係書類、実例としては「教習車」という形で登録されたものを出せという請求があり、これは何件あるかわからなかったが、何件かあるということで、97万件、668万枚の検索対象文書の中から探し出さなければならないということだったので、私どもはこれは文書特定がなされてないという考えのもと不開示決定をしたところ、裁判所の判断はそうではなくて、それは文書の特定がなされているのだから労を尽くして探しなさいという判断が示された。
 こういった例が数多く出てくると実務が回らなくなり大変困るので、こういったものについては請求を拒否できるようにして欲しいということを書いているが、何とかならないのかという気持ちが強い。
 それから、4点目は部分開示の場合において、不可分一体としてとらえるべき情報の概念の明確化をしていただきたいということである。また、それと併せて情報公開訴訟においてはインカメラ審理を可能とするような途を開いていただきたいということもここでお願いしている。
 この不可分一体としてとらえるべき情報の単位というのは、平成13年の最高裁の第三小法廷判決で基本的な考え方は示されている。ただし、地裁、下級審レベルではまだ判断に幅があり、必ずしも最高裁の判決に沿った判示がなされていないように受けとめている。
 それと、情報公開審査会における不服事実については、審査会は、かなり不開示情報の単位を細かくとらえて、不開示情報をコマ切れにし、権利侵害につながる部分はマスキングするが、その残りの部分は出してもいいのではないかという考え方が、審査会の現在の実務だろうと思っている。
 一方、訴訟の方は、インカメラがないから、かなりまとまった単位で不開示情報を考えざるを得ない。逆にそうなると、今度はインカメラがないので、立証の方も不開示情報を出さないように主張していかなければいけないということでいろいろ苦労している。審査会の審理と裁判の立証方法は大分異なり、実務に混乱を来しているので、この際、不可分一体としてとらえるべき一単位の情報というのは一体どういうものかということを改めて法令上の整理もしくは解釈の明確化をしていただきたいと思っている。
 また、先ほど申し上げたとおり、さらに訴訟においても、インカメラ審理が可能になれば大変主張立証がやりやすくなるということを併せてお願いしたい。
 実例として、当方で受けた訴訟の中に、名古屋の地裁・高裁の判決であるが、いわゆる不開示情報の単位をめぐり、マスキング後の情報に情報としての有意性がないと判断して、全部をまとめて不開示とすることは認められないという判断が示されている。
 5点目はかなり実務的なお願いであるが、現在の行政文書の開示方法としては、行政文書をあるがままの姿で行政文書単位で開示決定をしているが、その中に請求者が行政文書中のある種の情報だけを求めているということが明確な場合、非常に大量な行政文書を全部開示決定するというのは非常にむだが生じるので、請求者が求めている情報のみを集約したような方法で開示方法ができないだろうか。わかりやすい例では、契約の中の契約額と契約相手だけを欲しいというような請求については、そういった道が開けないだろうか。契約書全部を数百件全部出すことは非常にむだなので、相手が求めている情報の集約版が出せないだろうか。この場合、新たに行政文書をつくることになって、現在のあるがままで出すということの例外的なことになるが、こういったニーズはかなり強いのではないかと思っている。
 それから、同じく行政文書中のある種の情報が掲載されている該当ページのみ、そこだけが欲しいというような請求の場合も、行政文書全体でなくて、当該ページのみの抜粋とか抄とかというような形でできるようにしたら非常に能率的ではないかと思っている。
 地方機関からの要請が強いものが資料の5(2)であるが、カラーコピー、特に当省は地図等や図面の開示請求が多く、これはカラーでないと何だかわからないということでカラーコピーで出しているが、非常にコストがかかる。しかも、それが白黒の価格で手数料が設定されており行政コストと合わない。それから、大きな地図とか図面があり、例えばA0とか、こういったタイプの請求も多いが、これも価格設定がされていないので、A3版もしくはそれ以下のサイズの価格設定があるサイズに分割して手数料を取っているが、コストもかかるし、不公平感があるので、その手数料を定型サイズ外についても設定してほしいということである。
 以上、ペーパーに基づいて、私どもがお願いしたい点について説明させていただいた。


(質疑応答)

藤原座長代理 まず、請求者側にも努力義務をかけろという話だが、これは4条2項の補正を求めることができるというのでは、実務上うまく働かないということを前提にしておられるということか。
芦沢室長(国土交通省) そう。これは補正の過程でいろいろやっているのだが、なかなか相手側がそれに応じないというケースがままある。
藤原座長代理 いわゆる分割とか抽出とかいろいろお願いしても聞かないので、こういう規定が必要であるという要望であるということか。
芦沢室長(国土交通省) 特定がなかなかできないということで苦労しているわけである。分割とか抽出とかはともかく、どういうものが欲しいのかと補正のときに言っても、本人自体があまり認識してない。こんな関係のものが欲しいと言うだけで、請求意思があまり固まってないというケースがある。行政機関側も特定作業がなかなか進まなくて大変困ってしまっているということである。
藤原座長代理 お互いのコミュニケーションがなかなか進まないという意味か。
芦沢室長(国土交通省) そう。
藤原座長代理 文書管理の問題というわけではないわけか。先ほど引いた判例の中では、あの判例をどうとらえるかはひとまず置いて、文書管理がしっかりしていないのだからということも補足的に書かれていたが。
芦沢室長(国土交通省) 先の東京地裁判決については私どもはそうは全く受けとめてない。1台1台のファイルをつくっているから、しっかりできていると思う。
藤原座長代理 もう一点、不可分一体としてとらえるべき情報の概念を解釈なり法令なりで明確にしろというお話だが、そうすると、最高裁判決は情報公開法についてもこう言っているという立場を採るということか。この判決は大阪府の改正前の条例について述べただけだというのが、名古屋高裁の立場だと思うが、そうではないということか。
芦沢室長(国土交通省) これは大阪府の条例の話だから、また、現行の情報公開法については、第6条第1項の書き方、いわゆる有意義な情報がない場合にこの限りではないというところとの関係になると思うが、そこの解釈を明確化するということで考えていただけるのかと思う。
曽和委員 文書特定に協力する義務、あるいは文書を特定できないような請求については拒否できるようにという話だが、こういう要望が出てくるのはよくわかる。三重県の条例改正のときには、相互に文書特定に協力する義務を実施機関と請求者に課すような条文を入れた。ただ、一つ気にかかっているのは、請求する側はどういう文書があるのかわからない。公務員自身も全部はわかっていない。そうすると文書特定といっても、こういうことが知りたいという漠然とした請求で、あとはむしろ行政の実態に詳しい公務員の方で特定してあげるという局面も大分あるのではないか。それがキーワードで検索しなければできないとか、非常に莫大な事務量になるとかという問題がまた逆にあるかもしれないけれども。そこで、文書特定に協力する義務を求めなければならないような、あまりに漠然とした請求というのはどんな事例なのか。具体例を教えていただきたい。
芦沢室長(国土交通省) 私ども本省で受けた例では、「関西国際空港の2期工事が必要だということがわかる書類」とか、「トンネルの補償を受けない地権者から所有権の侵害に関する訴訟とか苦情とか、そういうものが出たものがないか」とか、まさに文書というか、情報をくれというようなものである。こういうものを探すのは非常に難しくて、該当するものがあるのかないのか、また、どこに入っているか全くわからないものが多い。あとは一切型、「○○に関する書類一切」ということで、実例で言うと、「調布飛行場に関する検討資料一切」。こんな請求をもらうと、どこまで探すのかということになって、要するに請求者の請求意思がはっきりさえしていれば、特定が進むけれども、そこが「一切といったら一切なのだ」と言われると、それでとまってしまい、その先が進めないということで苦労している。
三宅委員 3点を伺う。1点は、インカメラ審査の道を開いてほしいという話だが、審査会の判断に委ねる場合と裁判に委ねる場合で情報を見せられることと見せられないことで対応に具体的な差がおありだということなのかどうかということで、これに関連してヴォーン・インデックス的なもの、項目と非開示の理由を書いた文書を、提出するような運用を裁判所に特に求められたようなケースというのはあまりないのかどうか。   もう一点は、請求内容に対応した新文書の作成ができるようにということだが、これは40条の情報提供に関する施策の充実という規定だけでは踏み切れないのかどうか。国土交通省としてはその条文だけでは、そういう文書をつくって提供するところまでは考えられないというご意見なのかどうか。
 もう一点は、資料3の審査請求関係のところで、「対象文書が29年以上も前のものであり、関係機関での当該文書の発見作業、文書管理規定・文書保存区分表による確認など事実関係に係る確認作業に時間を要したため」とあるが、こういう29年前の文書というのはどういう形で保管されているのか、保管状況についてお伺いしたい。
芦沢室長(国土交通省) まず第1点だが、まさに裁判所における主張立証と審査会における実務とは随分違っていると、同じ案件でも思っている。不開示情報そのものを見ていただくと、かなり審理が進むのではないか。これは見ていただかないでいろいろ主張してもなかなか相手に伝わらない。
 そこでヴォーン・インデックスという手があろうかと思う。確かに、裁判所からヴォーン・インデックスのサジェスチョンを受けたことがあるが、実態としては、こちらがお断りした。理由としては、ヴォーン・インデックスでもかなりの不開示情報が出てしまうと判断したからである。ヴォーン・インデックスというのは主張立証の用具としては、難しいという感じは持っている。どうせならインカメラで見ていただきたいという気持ちを持っている。
 第2点は、40条で情報提供できないかということだが、私ども申し上げたのは開示請求に対して、生のものではなくて集約版の新しい行政文書をつくって出すということなので情報提供とは違うと思う。開示請求に対して必要な情報だけ集約したものを出す方式ができないだろうかというお願いである。
 3点目の29年前の文書ということだが、これは地方機関で受けた案件であり、今直ちにお答えできないが、情報公開法ができて、保存期間の定めができたので、それに沿って、最高30年ということでやっていると思う。
三宅委員 後で調べていただいてご報告いただけるか。
芦沢氏 わかった。
小早川座長 今の中で最後の点、請求者が知りたい情報を新たに文書としてつくって交付するというのはどうなのか。それで相手が満足するのであれば、三宅委員が言ったように、一種の情報提供で、こういうことを知りたいのですねと。
芦沢室長(国土交通省) 開示決定ではなくて、情報提供としてとのご意見か。
小早川座長 そう。それで満足して開示請求の方は取り下げるとか、そういう成り行きになればお互いにいいのではないかと思った。
芦沢室長(国土交通省) そういう道もあろうかと思う。実はそういうことをやったこ ともある。
小早川座長 それで相手が満足すればいいのではないか。
芦沢氏 納得すれば、それでよいと思う。
小早川座長 大量請求の第2点、ここのご提案で、文書の量が1件ごとにはそんなに多くないけれども、請求の件数が複数なのでという話。これは具体的には請求が何万件ということになるのか。
芦沢室長(国土交通省) 要はそこに含まれている文書だけ、行政文書の単位だけで考えれば、昨年一度に千三百何件というような文書の請求があった。ただし、これは苦肉の策だと思うのだが、密接関連で扱い、一請求として受けて11条を適用した。そうしないと検索だけで相当時間がかかることは明らかであったわけだから、運用で許されるぎりぎりの線かと思い、密接関連で一請求扱いとし、期間延長して処理した。
小早川座長 これは宇賀委員のご意見もあるのかもしれないが、11条の開示請求に係る行政文書が大量という場合の行政文書というのが、このことを単数と見るか、複数と見るかにもよる。
 文書ごとに開示請求があるのだという理解は、それはそうかもしれないが、この条文 自体が一個ずつ見ているのか、全体を見ているのか、どうなのか。
宇賀委員 文理上見る限りは1個ずつである。そこで60日以内に相当の部分について開示決定するということがあくまでも前提になっているので、文理上見る限りは1つというふうに解さざるを得ない面がある。
 ただ、おっしゃるとおり、実態として、1つの文書が必ずしも大量ではないけれども、複数の開示請求が集中して出てくるとか、検索そのものに時間がかかって、11条を使わざるを得ないケースがあるという主張は確かに理解できる。
芦沢室長(国土交通省) この点は、ぜひよろしくお願いしたいと強調したい。
小早川座長  それでは、時間も過ぎたので、質疑応答はこの辺で終わりたい。なお、きょう質問できなかったこと、あるいは今後気がついたことということもあり得るので、その際、事務局を通じてお伺いすることがあるかもしれない。


(国土交通省退室)


(外務省入室)

小早川座長 続いて外務省から意見を伺いたい。外務省からは、大臣官房総務課情報公開室の佐野室長、片山事務官に出席いただいた。
 本日は、ご意見等を事前にいただいているので、特に強調されたい点、補足すべき点を中心に10分ないし15分程度で説明いただき、その後、質疑等を行う。
 なお、本検討会の議論の内容は発言者の名前を含めて、総務省のホームページにおいて公表するので、あらかじめご承知いただきたい。

佐野室長(外務省) まず、外務省における情報公開の現状として、資料の1ページ目 から4ページ目にわたり5点ほど挙げている。1頁目から順に要点のみ説明する。
 推移と傾向については、ここに簡単に挙げてあるとおりで、開示請求の件数は最近再び増加傾向にある。また、請求件数に比較して1件当たりの文書数、1件当たりの対象枚数がかなり多くなっている。
 外務省では、5条3号の該当性につき頻繁に審査をすることにどうしてもなってしまうが、そうした審査すべき情報が含まれている請求案件が相当多くなってきており、その分、審査の負担も重くなっている。
 30年以上前に作成された文書が特に代表的だが、作成時期の古い文書に対する請求が非常に多くなってきている。後に説明するが、これらの文書は、実際の取り扱いが非常に難しいということがあり、なかなか我々としては頭を悩ましている。
 1頁目の下の表については、1つだけ注目いただきたい。この表にある平成16年の欄の数字は6月15日までの数字である。数字だけ見ると他の年とそれほどに差異はないかと一見思われるかもしれないが、16年については、簡単に言えば半年分なので、1年分ではこれらの倍の数字に今後なり得ることが予想される。例えば、受付案件総数の欄には692件と書いてあるが、この数字は今年1年分では1,400件から1,500件ということになるかもしれない。実は、現在、既に昨年の件数699件を突破している。
 また、決定案件総数、決定文書数、決定文書枚数、これらはすべて半年分の数字なので、すべて概ね2倍になるということになると、例えば一番最後の決定文書枚数については、もしかすると、20万ページに届くかもしれない。なお、この数字は、全面不開示のページを除いた文書枚数であることにご注意いただきたい。
 2ページ目の期限超過については、生じないよう常日頃から非常に注意しているが、どうしても初期の見通しどおりにはなかなか作業が進まず、結果としてやむを得ず期限超過案件が発生してしまっている。なお、(別図2)を見ていただきたいが、平成15年度、すなわち平成15年4月1日から今年の3月31日までに期限超過をやむなく生じてしまった案件の中の約6割が、詳しくは後で説明するが、実際の取扱いが非常に難しいと説明した30年以上前に作成された文書である。
 (別図3)も見ていただきたい。個々に示されているように、年々、請求1案件当たりの文書数も増えてきている状況にある。16年については、約11件が1案件当たりの文書件数として示されているが、これはあくまでも平均の数字であり、ファイル請求という形で請求が来ると、1案件当たり100件から200件ということもざらである。そういったものについて、遅滞なきように努力をしているものの作業が追いつかず、結果として期限超過をやむなく生じてしまっているということが現実にはある。
 次に、(3)の文書管理について。ここは、下から3行目の2)のところを見ていただきたい。外務省においては、歴年単位、年度単位で区切って行う仕事とか計画する仕事はそんなになく、むしろ仕事は連綿と続いていることが非常に多い。したがって、案件について、すべて開始時期や存続期間もまちまちであるので、ファイルについても保存期間ごととか、開始時期ですべて揃えるというような形では、なかなかファイルされないままに今まで来ている。したがって、そういったファイルに対して開示請求がなされた場合には、これまた非常に複雑な状況に陥り、作業に結構手間取るというのが実情である。
 4番目、3ページ目の(4)の作成時期の古い文書について。これは具体的に何が難しいかというと、ここに挙げたのは、私も随分日々見ているが、手書きで、例えばかすれていたりして、見にくいものなどがある。また、達筆な方も相当いて、さらに旧字体や旧仮名遣いのものがあり、なかなか読むのに時間がかかる。なおかつ、外交史料館において我々は現物を公開しているので、そういったところでご覧になって頂ければおわかりになると思うが、昔の紙はパラフィン紙である。これはページをめくるだけでも 非常に難しい。コピーも、ソーターにかけて、今の紙みたいにとるわけにいかないので、コピーをとることも結構大変である。今のドッチファイル、大体500枚ぐらい入っているのと同じ枚数について作業をするのに、よく見積もっても2倍、下手をすれば3倍、4倍、それ以上の時間がどうしてもかかってしまうというようなことがある。
 あと、古い話なので、現在の担当者がなかなかそこまでの古い話についても熟知しているかということがまずある。とはいいながらも、現在も連綿と続いている外交案件については、その都度その都度慎重な判断をする必要がある。
以上が、作成の時期の古い文書に関する問題である。
 最後に、4ページ目の実施体制について。外務省においては、近年、どうしても業務全体が増加を続ける中で、職員数は慢性的に不足の状態に陥っている。ただ、その中でも当然なすべき業務は行わなければならないので、何とかいろいろとやりくりをつけている。
 情報公開に係る業務については、専従要員、すなわち情報公開室には、窓口業務を含めたいろいろな手作業というか、いわゆるロジスティックスな面にある程度業務を集中させる一方で、開示・不開示の判断は、実質的に各主管課の判断に委ねるという体制で作業をしている。ただ、こういう体制だと、外交案件というのは日々いろいろ起こるのだが、その案件がある主管課のところに当たると、情報公開も勿論大切だが、そちらよりもまず突発事態への対応といった緊急の対応を優先せざるを得ないということになって、結果としてどうしても情報公開事務が遅れがちになってしまうという悩ましい面がある。
 次に、現行制度の問題点というか、我々として常に頭を悩ませているところをお話しすると、まずこちらの検討会の検討事項の中でも挙っているが、大量請求に関する問題には非常に頭を悩ませている。今年あった具体的な例として、大体2カ月の間に、計205件のファイルに対する開示請求が一度に、正確には三度に分けてだが、来たということがある。1件大体200件の文書数が1冊のファイルに入っているとすれば、4万件以上の文書に対する請求ということになるが、こういった場合に一体どうやって相当の部分を決定するのかということについて、かなり頭を悩ませている。
 次に、そういった大量請求について、期限はどうやって設定したらいいのか。本当ならば、30日でやらなければいけないというのは我々も重々承知しているが、物理的にとてもそれはできない。ただ、中身を読まないで期限を決定するのも厳しい。4万件だと中身を読むだけでも結構大変だということがあり、その期限の決定すら非常におぼつかないという状況が実は大量請求の場合には生じてしまうということである。
 大量請求に関する問題の最後として、5ページ目にある3)について、ここではいわゆるカギ括弧付きで「不公平」という言葉を使っているが、今までお話ししてきたような、そういう大量請求案件が来た後に、例えば別の方から1件、同じ主管の課室に対して請求が来ると、当然1件の請求のほうがはるかに単純に済むので、そちらを優先すればいいのではないかという考えもあるわけだが、先に申請をされたほうから順番に扱うのが道理ではないかという問題もある。ただ、そういうことで扱ってしまうと、たった1件の請求をされた方が後回しになってしまうという状況が生じ、果たしてこれでいいのだろうかということを実は日々頭を悩ませながら仕事をしているところである。
 最後に、6ページにおいて、不服申立てと対象文書の特定について、書きぶりは違っているが、実は似たような問題である。不服申立てについては、不服申立人が、別に不服を申し立てていないところについて、今の制度では、不開示箇所すべてについて説明を行った上で諮問をしなければいけないことになっており、そうするとどうしても諮問にある程度時間を要してしまう。特に、不服申立人が争っていない部分が逆に難しい場合には、一体どういう説明をするときちんと受け入れていただけるのかということを考えながら我々も理由説明書などを作るので、それはかえって時間をかけることになっていないかというふうに考えている。
 また、さらに対象文書の特定についても、一番わかりやすい例としては、二国間会談の記録というのがあるが、日本の外務大臣とある国の外務大臣が二国間会談を行うと議題は非常に多岐にのぼる。その中で、例えば開示請求者が、こういう案件について書かれている文書を開示してほしいという請求が来たときに、当然、二国間会談の議題の1つにその開示請求者の求めるものがあれば、我々はそれを特定して開示しなければいけない。その際に開示請求者が求めていない案件についても、当然開示・不開示の判断を今の制度では行わなければいけないということになり、そちらの案件のほうの判断が難しい場合には、そちらに時間が手間取って、結果として開示実施に至るまでに時間を要してしまうという問題がある。その辺、何とかならないものだろうかということをいつも思いながら、我々日々仕事をしている。


(質疑応答)

宇賀委員 資料の4ページの2行目のところからも出ているように、外務省の場合に非常に古い30年以上前の文書についての開示請求が多い。歴史的な資料となっており必ずしも現用文書と言えないようなものが外交史料館に移管されないで、現用文書の形で持っているので情報公開法の開示請求の対象になっているというのが非常に多い。ここに書かれているように、それを移管していくということが重要だというのは本当にそのとおりだといつも思うが、古い30年以上の文書の場合、外交関係の資料であっても、既に相手方当事国において公開されているというものが少なくない。例えば日米関係の会談の議事録などについても、アメリカではもう公開されて公文書館で見られるようになっているものが少なくない。そういったものについては、外国のほうで公開しているわけだから、日本で公開しても、信頼関係を損なうとか、そういうことはないと思うが、そういった場合にどういう対応をしているか。
佐野室長(外務省) まず、そこは完全につまびらかでないという点を1つご承知おきいただいた上で今からの説明を聞いていただきたい。申し訳ないが、日々担当しているわけではないので、具体的にどこまで実践されているのかということについて正確な答えになっていないかもしれないが、そこは承知している限りでお答えしたい。
 まず、30年以上前に作成された文書というのは、2ページの(3)文書管理のところで、「1970年代まで」というところを見ていただきたいが、戦前から、いわゆる記録というのは編纂し直して、場合によっては公開に耐え得るように作り直してきたという経緯があり、それを我々は青い表紙のファイルに綴じ直すことから「青ファイル」と呼んでいる。
 この中の文書というのは、先ほど説明したようにパラフィン紙とかでできていて非常に古いということがあって、まず、編纂作業を相当努力してきたが、正直なところ、文書の増加に伴い、編纂が追いついてこなくなってきたという事情がある。年度は覚えていないが、ある段階で編纂を断念したという経緯がある。 そこまでのファイルについては、ある程度、我々としても把握はしている。例えば外国で公開されているからいいではないかという話はあるが、これらのファイルは案件ごとにすべて冒頭から通して一回読んで、なるべくわかるような形で綴じ直しているので、その中で1つの文書だけが例えば公開されていて、他の文書はまだ未公開であるというようなファイルももしかしたらあるかもしれないが、ファイルの公開に関しては、我々としては、中身を全部見た上で、これが公開できるか、公開できないかという判断を自主的に行うという立場に立っている。具体的には、昭和50年に、外交記録というのは積極的にというか、できる限り公開すべきであるという方針に立って、「外交記録公開制度」というのを自主的に設けており、去年まで18回にわたり、外交記録公開を実施してきている。
 ただ、その中で、結局難しいのは、審査をするときに、相当忙しい主管課室に、これは公開しても大丈夫かというふうに協議をしなければいけないので、そこでどうしても時間がかかってしまうということがある。
 他方で、移管という制度はまさに情報公開法の施行に伴ってある程度確立されたというか、法的に定められた制度で、外交史料館というのは国立公文書館に準ずるものとして指定をされているが、作成時期の古い文書を綴じたファイルを審査しないまま外交資料館に、直ちに移管してしまっていいものかどうか。これは実は省内でも相当話をしたが、そうするとかえって、公開か非公開かにわかにわからないものについては、多分、移管をしても直ちに公開という形にはならないだろう。でも、移管をしてしまってかつ非公開ということになると、それは情報の公開というもともとの国民もしくは皆様方からの要請に応えたものとして認めていいものだろうかということが省内の議論としてもあって、そこは最低、公開・非公開の判断をした上で移管をしなければいけないのではないかということで、今作業を進めているところである。
 実際、第1回から第18回まで行った外交記録公開において公開した文書ファイルについては、ある程度の公開・非公開の判断はなされたということで、公開文書というか移管文書として、現在、外交史料館において公開できるような形で移管を進めるようにしている。
 ただ、その対象ファイルというのが、外務省の行政文書ファイル管理簿に載っているファイル件数が約22万5千件あるが、その10分の1にも満たないというような状況で、これから先、一体どのようにこの作業を進めていくのが適当かということは、省内で今検討している最中である。
曽和委員 大量請求について、三度に分けて4万件の公開請求があったということだが、この4万件というのは、文書数か。この表項目は、案件と文書数と文書の枚数になっているが、その数え方も含めて、4万件というのについて、もう少し具体的にどういう請求があったのかを教えていただきたい。
佐野室長(外務省) 4万という数字は実際に数えたわけではない。誤解を生じてしまったと言うことであればお詫びするが、正確に言えば、ファイル205冊に対する請求であり、1冊のファイルに、大体100件から200件の文書が入っているとして計算すると、この場合の対象文書の総計は2万から4万という数字になるということである。
曽和委員 それが1回の請求になるのか、1つの請求として括られるのか。200ぐらいのファイルを総括する対象について公開請求されているということか。
佐野室長(外務省) そのとおりである。案件ということで言えば、年度も違えば、対象としている範囲も違うが、これ以上具体的にいうのは、請求者との関係で問題が生じ得るので、差し控えさせていただきたい。
片山事務官(外務省) 2つか3つの、特定のある問題についての、行政文書ファイル管理簿で検索した結果、つまり特定のキーワードを使って見つかったファイル全部を請求してきていると思われるケースである。合計205件の行政文書ファイルに対して、1件1請求という形で請求を受け付けている。これが2カ月にわたってなされたというのが正確なところである。
曽和委員 手数料との関係では、205の請求があったということか。
片山事務官(外務省) そのとおりである。
三宅委員 「青ファイル」というのは、ファイルに綴じられているので、文書が保存期間ごとに整理されてないというお話だから、ファイルごとに保存年限が5年のものもあれば、10年のもの、30年以上のものとかが入っているわけであろう。そういうので廃棄が追いつかないとか、滞るとかということだが、担当局の情報公開室としては、そういうファイルの中の一部の保存年限が来ているものについては廃棄するようなことをしたいけれど、できないというご趣旨で、今日ご報告があったのか。廃棄の基準がどういうことになっているのかということをお聞きしたい。
 もう一点は、移管がなかなか難しいということだが、外交史料館に文書を移管する際の基準のようなものがどうなっているのか、その辺、もう少し具体的にお話しいただきたい。
佐野室長(外務省) まず、後者の問題からお答えする。外交史料館に文書を移管する際の基準についてであるが、外交史料館で公開するものは、基本的に国立公文書館で公開するものも同様だと思うが、歴史性の高い文書、すなわち我々歴史資料とか歴史的資料とか言っているものである。そういったものを移管するのが移管の趣旨であるととらえているので、当然そういった歴史的資料が該当するものとして移管をするというのが、大雑把であるけれども、基準である。
 具体的にどういったものが歴史的資料に当たるのかという類型については、たしか規則で定められており、こういったものは歴史的資料に該当する可能性があるので、移管をする際にはきちんと検討するように、ということになっていると思う。
 それから、前者の問題だが、「青ファイル」は、後世の人が読んでも、昔、どういったことが外交的に行われていたのかとわかるように編纂し直したものであるので、基本的に、保存期間は、昔はあって今はない基準だが、永久ということになる。
 「青ファイル」に編纂したものについては、その時点で不要と思われる文書は当然廃棄されているので、廃棄が促進されないといった問題は生じない。だが、「青ファイル」に編纂することを断念してからの文書についても、我々は日々の外交をやっていて、簡単に言えば、30年の文書もあれば、用済み次第、廃棄可能であるという文書まで、1つのファイルに綴じざるを得ないという状況には変化がないわけである。本来、そういったものについては、一定期間来た段階できちんとレビューしてチェックすればいいのではないかということであろう。実際、そういう仕組みをつくってやろうとしているけれども、どこに一番ネックがあるかというと、人員の不足が一番大きく、なかなかそこまで追いつかないというのが正直なところである。
小早川座長 審査会のときの記憶で、いわゆる「脚注問題」というのがあったが、その経緯と今のお考えについてお聞かせいただきたい。
片山事務官(外務省) 情報公開法の施行当初、存否応答拒否に係る8条の規定についての誤解が省内にあり、3号に該当する案件については、ここに記載していないものについても、請求者に通知している文書以外にも含まれている可能性がありますという記述を、ほぼすべての開示決定の欄外に脚注という形で付けていた。そこについては、問題であるという指摘を審査会の答申からもいただき、また、我々の方でも確かに法律にそぐわない記述であると判断している。現在では、いつから落とすようにしたか正確には覚えていないが、かなり早い時期からそのような脚注は付けていない。
 8条の存否応答拒否の規定を適用したケースは、最近でも何件かあるが、その場合には、必ず、文書の類型と、不開示理由として存否応答拒否を適用する理由として5条の各号を挙げるということを行っている。
小早川座長 そうすると外務省としては法制的に問題があるとは考えておらず、存在するけれども不開示という判断と存否応答できないという判断のどちらかをしなければいけないわけである。そのどちらかをはっきりさせたくないというお考えだったのではないかと思うが。
片山事務官(外務省) 実際上は非常に難しい判断になることもあるのだが、少なくとも現状の法律の下では、全く書かないということは許されないと解釈している。
佐野室長(外務省) 今の点については、確かに我々は我々として問題を抱えているという経緯は確かにあったということだと思うが、今、我々が少なくとも日々心がけているのは、情報公開法というのは当然のことながら法律であり、法令に基づいて仕事をするというのが我々公務員の使命であるので、そこは法律の規定が如何なるものであっても、我々として当然法令を遵守するように対応するということである。
宇賀委員 先ほどの質問とも関連するが、5条3号の適用の際に、特に外交関係の場合に、当該外国政府にこういう開示請求が出てきているのだけれども、これを開示しても差し支えないかどうかということを照会するということはしているのか。
佐野室長(外務省) すべてのケースについて照会しているということではないと思うが、私が承知している限りでも、いくつか照会をしている実例はある。
宇賀委員 その際に、当該外国政府が差し支えないと言った場合は、5条3号は適用しない運用がされているという理解でよろしいか。
佐野室長(外務省) 少なくとも、他国との信頼関係を損ねるおそれがあるかどうかという観点からは、先方政府が公開して差し支えないという判断をすれば、我々としても、当然、公開したとしてもその他国との信頼関係を損ねることはないという判断に立てると思うので、その観点からは、当然、他国との信頼関係を損ねるという問題は生じないという判断に至ることになる。

小早川座長 まだあるかもしれないが、時間も過ぎているので、外務省との質疑応答はこの辺にしたいと思う。時間の関係で質問ができなかった点、あるいは今後さらに気がついた点が出てくるかもしれないので、その際には事務局を通じてお伺いするので、よろしくご対応をお願いしたい。

(外務省退室)

小早川座長 それでは、以上をもって、本日予定したヒアリングは終了する。
 続いて、あと残り時間はあまりないが、本検討会の公開の問題について若干フリートーキングを行いたいと思う。事務局からまずご説明してもらう。
山内室長 資料4をご覧いただきたい。事務方の案としてご用意したものであるが、本検討会の論議等の公開については、まず会議提出資料を直ちに公開する。それから、会議後速やかに、詳細かつ的確にその内容を記録した「議事内容」を作成し、公開する。これは総務省のホームページに載せているところである。
 これに加え、さらに2番として、会議の進行過程において節目となる「検討範囲と枠組み」あるいは「主要論点の検討方針」等について論議する重要な過程については、一層の即時性に配慮し、会議の雰囲気等も伝える観点から、一般等からの傍聴を募り、公開するということにしたらいかがかと思っている。 
 具体的には、今後のスケジュール案があるが、本日までで一通りのヒアリングが終了して、次回はこれまでのヒアリング等を踏まえて、「検討範囲と枠組み」についてご議論いただいたらいかがかと思っている。これはちょうど節目となるところであるので、次回の会議を公開してはいかがか。それから、その「検討範囲と枠組み」を踏まえて、9月から11月にかけて実態、問題点等の調査を行い、12月頃に「主要論点等の検討方針」というのをご論議いただくこととしたらいかがと思っている。この12月についても、同じく節目となるものとして公開してはいかがと。
 それ以降については、改めてそのときの進捗状況に応じてご判断いただければいかがと思っている。
小早川座長 事務局の考え方は以上のとおりだということだが、これについて、委員の 方々からご意見、ご質問があれば、ご発言をお願いする。
 特にご異論がなければ、事務局としてこの線でというふうに考え方をまとめて今出していただいたわけなので、これでよろしいか。

(「はい」と声あり)

 それでは、説明があったように、今後、節目となる会議については公開で行うということにする。まずは次回の会議はそれに当たるので、これは公開で行うことにしたい。そういう方向で、事務局において、次の会議の準備を進めていただければと思う。
 次回は、これまでのヒアリング結果を踏まえて、「検討の範囲と枠組み」についてのフリートーキングを行うことにしたい。ついては、事務局のほうで、次回のフリートーキング用に検討事項案を整理して、事前に各委員に送付していただければと思う。きょう資料5が出ているが、これは何か。
山内室長 資料5は、前回お配りしたものに「※」を付けた部分を前回のヒアリングの結果に基づいて付け足したものである。これをもとにして、次回、ご提出する資料を作りたいと思っているので、もし何かお気づきの点等があれば、事務局までご連絡いただければと思う。
小早川座長 それでは、この件についてはそういうことだが、何か。
藤原座長代理 検討事項の中にあって、特別調査により把握するものの中にはない事項で、答申から裁決・決定までの期間、調査がかけられるのであれば、実際に審査会の答申があってから裁決・決定までどのくらい間隔があいているのか、あるいはあいていないのか。実効性という観点からかけていただければと思うが、いかがか。
山内室長 わかった。
小早川座長 それは何か問題が意識されているのか。
藤原座長代理 答申があって、直ちに裁決に行ってない場合もあるのではないか、迅速な開示が行われていない場合はないかという問題意識です。
小早川座長 それでは調べてもらいたい。ほかに差し当たり、今の段階で何かあるか。
三宅委員 先ほど外務省の関係で出たが、外交史料館とか国立公文書館に移管する基準、対象外文書の歴史的資料のところにかかわると思うけれども、項目として別立てにしたほうがいいのか、対象外文書のところを補充したほうがいいのか。少し移管とか廃棄の基準のところ、不存在の問題にもかかわるところで、ちょっとクローズアップしてみたいなと思うので、ご検討いただければと思う。
山内室長 はい。
小早川座長 今のお話で考えてみると、開示請求制度の対象外文書という切り方と、適用外の文書についての総合的情報公開施策のあり方という切り方と両方あるかと思うが、後者のようにいうと広すぎるのか、この検討会としては。
藤井政策統括官 そこはむしろこれからご論議していただければいいと思っており、現段階でできるだけ広めに置いておいていただいて、整理していただければと思う。いろいろな切り口があろうかと思う。
小早川座長 では事務局のほうで検討してほしい。ほかにはよろしいか。先ほどお話があったように、これについて、さらにご意見があれば、事務局にお寄せいただきたい。

  − 以上 −