<12 罰則>

回答

Q12-1
保護法にはどのような罰則が設けられていますか。

A

 保護法は、行政機関の職員等による個人情報の不正な取扱いについて、次のような罰則を設けています。これらの罰則は、国外で罪を犯した者についても適用されます(第56条)。
 1)第53条
 行政機関の職員又は受託業務の従事者(職員であった者又は受託業務に従事していた者を含む。)が、正当な理由がないにもかかわらず、個人の秘密に属する事項が記録された電算処理ファイル(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)を提供したときは、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。
 「個人の秘密」とは、個人に関する一般に知られていない事実であって、他に知られないことについて相当の利益を有するものをいいます。「提供」とは、電算処理ファイルを電算処理可能な形で第三者が利用できる状態に置くことをいいます。本条は、個人の秘密が記録された電算処理ファイルの漏えいによる被害の甚大性等にかんがみ、国家公務員法の守秘義務違反の罪(国家公務員法第109条)を加重するものです。
 2)第54条
 行政機関の職員又は受託業務の従事者(職員であった者又は受託業務に従事していた者を含む。)が、その業務に関して知り得た保有個人情報を自己又は第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。
 提供対象となる保有個人情報は、個人の秘密に関するものであることを要せず、また、電子計算機処理されていることも要しません。
 3)第55条
 行政機関の職員が、その職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集したときは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。
 「収集」とは、文書等を集める意思を持って進んで集める行為をいい、文書等を自己の所持に移すことが必要で、単に見ることはこれに当たりません。
 以上を整理すると、次の表のとおりです。

  主体 対象情報 行為 法定刑
第53条 行政機関の職員若しくは職員であった者又は受託業務に従事している者若しくは従事していた者 個人の秘密に属する事項が記録された電算処理ファイル(複製又は加工したものを含む。) 正当な理由がないのに提供 2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
第54条 行政機関の職員若しくは職員であった者又は受託業務に従事している者若しくは従事していた者 業務に関して知り得た保有個人情報 不正な利益を図る目的で提供又は盗用 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
第55条 行政機関の職員 個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画又は電磁的記録 職権を濫用して専らその職務の用以外の用に供する目的で収集 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金

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Q12-2
保護法の罰則の法定刑に差があるのはなぜですか。

A

 保護法第53条は、Q12-1の説明のとおり、個人の秘密が記録された電算処理ファイルの漏えいによる被害の甚大性等にかんがみ、国家公務員法の守秘義務違反に対する罰則(1年以下の懲役又は3万以下の罰金)を加重するものとして、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が法定刑とされています。
 法第54条及び第55条は、秘密の漏示・盗用に係る罰則(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が最も多い)又は信書開封罪(刑法133条:1年以下の懲役又は20万円以下の罰金)を参考に、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が法定刑とされています。

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