平成18年7月31

平成18年度第2期 行政評価等計画

 総務省行政評価局は、「行政評価等プログラム」を策定し、これに基づき政策評価及び行政評価・監視を重点的かつ計画的に実施しています。
 政策評価及び行政評価・監視については、1年を第1期から第3期までの3期に分けて期ごとに調査に着手することとしており、今回は、平成18年度第2期(平成18年8月から)の計画について公表します。平成18年度第2期には、政策評価1テーマ、行政評価・監視4テーマを実施します(「府省共通事務に関する行政評価・監視」については、9月から実施)。

計画名 主要調査対象
 自然再生の推進に関する政策評価

文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省
 在外邦人の安全対策等に関する行政評価・監視

外務省、文部科学省、法務省、国土交通省
 本人確認に関する調査

国家公安委員会(警察庁)、防衛庁、金融庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省
 アスベスト対策に関する調査 使用状況の実態把握等を中心として

内閣府、宮内庁、国家公安委員会(警察庁)、防衛庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省
 府省共通事務に関する行政評価・監視

全府省

計画に関する問い合わせは、別添に記載の「連絡先」までお願いします。




平成18年度第2期 行政評価等計画


 行政評価等プログラムに基づき、平成18年度第2期(平成18年8月から)においては、 1)自然再生の推進に関する政策評価、 2)在外邦人の安全対策等に関する行政評価・監視、 3)本人確認に関する調査、 4)アスベスト対策に関する調査 使用状況の実態把握等を中心として、 5)府省共通事務に関する行政評価・監視を実施します。
平成18年7月31日
総務省

1)  自然再生の推進に関する政策評価
 調査の背景
 自然再生に関する施策を総合的に推進し、もって生物の多様性の確保を通じて自然と共生する社会の実現を図り、あわせて地球環境の保全に寄与することを目的として、自然再生推進法(平成14年法律第148号)が制定され、平成15年1月に施行された。
 自然再生推進法において、自然再生については、i1)地域の多様な主体が連携し、透明性を確保しつつ、自主的かつ積極的に取り組んで実施、ii2)地域の自然環境の特性を踏まえ、科学的知見に基づいて実施、iii3)自然再生事業の着手後も監視結果に科学的な評価を加え、事業に反映させる方法により実施 等の基本理念が定められた。また、特定非営利活動法人、地方公共団体、行政機関等の自然再生事業の実施者は、地域住民、有識者等とともに自然再生協議会を組織し、同協議会において自然再生全体構想を作成するとの仕組みが設けられた。政府は、自然再生に関する施策を総合的に推進するための基本方針を定めなければならないとされた。あわせて、自然再生事業が円滑かつ迅速に実施されるよう、許可その他の処分に当たっての配慮、必要な財政上の措置等の国及び地方公共団体による支援措置が定められた。
 平成18年6月現在、全国で18の自然再生協議会が設置され、うち11協議会で自然再生全体構想が作成されている。このうち3協議会では自然再生事業実施計画が作成されている。
 なお、自然再生推進法においては、政府は、自然再生推進法の施行後5年を経過した場合において、この法律の施行状況について検討を加え、必要な措置を講ずることとされている。
 この政策評価は、自然再生の推進のための政策について、総体としてどの程度効果を上げているかなどの総合的な観点から評価を行い、関係行政の今後の在り方の検討に資するため実施するものである。
 主要調査項目と調査の視点
  1.  自然再生の推進政策の現況
     自然再生の推進政策の体系・予算額・措置状況及び自然再生事業の全国的な推進状況等の現状を調査・分析
  2.  自然再生の推進政策の効果の発現状況
     自然再生の推進政策について、総体としてどの程度効果を上げているかなどの総合的な観点から評価
 主要調査対象
 [調査対象機関] 文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省
 [関連調査等対象機関]   都道府県、市町村、関係団体等
 参考数字等
 全国の自然再生協議会数 18協議会(平成18年6月現在)
 うち全体構想を作成 11協議会
 うち実施計画を作成 3協議会

 連絡先:国土交通担当評価監視官(米澤(よねざわ)) 電話(直通) 03−52535454
    FAX 03−52535457
    メールアドレス Kokudo2006@soumu.go.jp


2)  在外邦人の安全対策等に関する行政評価・監視

 調査の背景
 海外の在留邦人(日本人長期滞在者、永住者)は年々増加し、平成17年10月1日現在、約101万人に及んでいる。また、日本人の海外渡航者数は、平成15年に大幅に減少したが、16年から増加に転じ、17年は約1,740万人となっている。
 事件・事故等による邦人援護の要請が次第に増えてきたことから、当省は、これまでにも、海外の在留邦人や海外渡航者(以下「在外邦人」という。)の安全確保対策等について行政評価・監視を実施し、緊急事態に備えた連絡体制の整備の促進、在留邦人の所在把握の徹底、在外公館閉館時における援護(連絡)体制の確立等の改善を求めてきた。
 外務省は、当省の勧告等に基づく改善に加え、平成16年8月に、従来の「領事移住部」を「領事局」に機構改革するなど一連の外務省改革により、在外邦人の安全の確保・危機管理体制の強化を図ってきている。しかし、邦人援護者数は年間約2万人と高水準で推移しており、近年、大規模な自然災害等による邦人援護者数が急増している年もみられ、在外邦人の被害を防止するための安全対策の必要性が一層高まってきている。
 さらに、日本人学校、補習授業校等の在外教育施設(平成17年4月15日現在、282校)及び現地校に在籍している児童・生徒数は、平成17年4月15日現在、約5万6,000人に及んでおり、在外教育施設への不法侵入事件等を契機に安全管理の強化が求められている。また、在外教育施設における教育環境の一層の整備が求められている。
 本行政評価・監視は、在外邦人の安全対策の推進、在外教育施設における教育環境の整備等を図る観点から、既往の行政評価・監視による指摘事項の改善状況のフォローアップに加え、多様化する危機に対する在外公館等関係行政機関における対応状況等を調査し、関係行政の改善に資するために実施するものである。

 主要調査項目と調査の視点
  1.  在外邦人の安全対策の実施状況等
     関係省庁(在外公館を含む)における在外邦人の安全対策の実施体制、実施状況等を調査
  2.  在外教育施設における危機管理体制の整備状況
     日本人学校等における安全対策の実施体制、実施状況等を調査
  3.  在外教育施設における教育環境の整備状況
     文部科学省から日本人学校等に派遣された教員の活動状況等を調査

 主要調査対象
 [調査対象機関] 外務省、文部科学省、法務省、国土交通省
 [関連調査等対象機関]   都道府県教育委員会、市町村教育委員会、在外教育施設 等

 参考数字等
  •  在外邦人数:約101万人(平成17年)
  •  海外渡航者数:約1,740万人(平成17年)
  •  海外の邦人児童・生徒数:約5万6,000人(平成17年)
  •  在外教育施設数:282施設(平成17年)
  •  邦人援護件数・人数:約1万6,000件・約2万人(平成17年)

 連絡先:法務、外務、文部科学担当評価監視官[濱西(はまにし)] 電話(直通) 03−52535448
       FAX 03−52535457
    メールアドレス : kans2044@soumu.go.jp


3)  本人確認に関する調査

 調査の背景
 行政機関による証明書の発行、登録、金銭の給付等の行政手続については、架空名義や成りすましなどの不正を防止するために、本人確認を行うこととされているものがみられる。
 また、預貯金口座の開設や携帯電話の購入といった民間取引でも、個別の法律(金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律(平成14年法律第32号)、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律(平成17年法律第31号))に基づき、預金口座や携帯電話の不正利用を防止するため、契約締結の際、顧客の本人確認を行うことが民間事業者に義務付けられている。
 近年、本人確認のために提示又は提出することが求められている旅券、住民基本台帳カード等について、架空名義や成りすましによる不正な取得あるいは偽造が発生しており、また、架空の預金口座や契約者が特定できない携帯電話を利用した犯罪が多発している。このようなことから、 1)架空名義や成りすましなどの不正を防止するため本人確認を的確に実施すること、 2)その際、手続の申請者や顧客に必要以上の負担をかけないように配慮することが求められている。
 この調査は、このような状況を踏まえ、申請者等の負担に配慮しつつ、不正を防止するための的確な本人確認の実施を推進する観点から、行政機関や民間事業者における本人確認の実施状況を調査し、関係行政の改善に資するために実施するものである。

 主要調査項目と調査の視点
  1.  行政機関における本人確認の実施状況
     行政機関による証明書の発行、登録、金銭の給付等の手続における本人確認の実態を調査
  2.  民間事業者における本人確認の実施状況
     預貯金口座の開設や携帯電話の購入等の手続における本人確認の実態を調査
  3.  本人確認の実施状況の横断的な比較・分析
     上記1、2の調査結果に基づき、国民(申請者や顧客)の負担に配慮しつつ、不正を防止するための的確な本人確認の実施方策を検討

 主要調査対象
 [調査対象機関] 国家公安委員会(警察庁)、防衛庁、金融庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省
 [関連調査等対象機関]   都道府県、市町村、関係団体、事業者等

 参考数字等
  •  本人確認とは、架空名義や成りすましを防ぐために、行政機関や民間事業者が、申請者や顧客の実在性と同一性を書面等により確認するもの
  •  本人確認を要する行政手続:年間平均取扱件数が10万件以上のものが約150手続

連絡先:財務、経済産業等担当評価監視官[米澤(よねざわ)] 電話(直通) 03−52535433
       FAX 03−52535436
    メールアドレス : kans2024@soumu.go.jp


4)  アスベスト対策に関する調査 使用状況の実態把握等を中心として

 調査の背景
 アスベスト(石綿)は、防音性、耐熱性、耐薬品性等に優れた特性を持っていることから建築材や各種の工業製品等に幅広く使用されてきたが、吸引により健康障害を発生するおそれがあるとされている。
 このため、国は、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)等の改正により、昭和50年に吹付けアスベストの原則禁止、平成7年に青石綿・茶石綿の製造・使用等の禁止、16年にその他の石綿の製造・使用の原則禁止等の措置を講じてきている。
 しかし、最近、アスベストが原因とみられる健康被害が社会問題となったことから、国は、アスベストの使用実態調査を行うとともに、アスベスト問題に関する関係閣僚会合を開催し、平成17年12月27日、健康被害者の救済、今後の被害発生防止、国民の不安解消を柱とする「アスベスト問題に係る総合対策」を取りまとめたところである。
 今後、アスベストによる被害の拡大を防止するためには、建築物等におけるアスベストの使用状況を確実に把握することが不可欠であり、また、建築物の解体作業現場等におけるアスベストの飛散防止を図ることや、アスベスト廃棄物の最終処分を的確に実施することが必要となっている。
 この実態調査は、このような状況を踏まえ、アスベストによる被害の拡大を防止する観点から、建築物等におけるアスベストの使用実態の把握状況、建築物解体時のアスベストの飛散防止措置等の実施状況、アスベスト廃棄物の処分の実施状況等を調査し、関係行政の改善に資するものである。

 主要調査項目と調査の視点
  1.  建築物等におけるアスベストの使用実態の把握状況
     各府省が実施したアスベスト使用建築物の実態調査の結果とその結果に基づく除去等の措置の実施状況を調査
  2.  建築物の解体現場等におけるアスベストの飛散防止対策の実施状況
     建築物等の解体等作業における届出や作業基準の励行状況及び解体事業者等に対する指導監督の状況を調査
  3.  アスベスト廃棄物の処理状況
     アスベスト廃棄物の排出事業者における法令の遵守状況及び事業者に対する指導監督の状況を調査

 主要調査対象
 [調査対象機関] 内閣府、宮内庁、国家公安委員会(警察庁)、防衛庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省
 [関連調査等対象機関]  都道府県、市町村、関係団体等

 参考数字等
  • アスベストの総輸入量:982万5,684トン206事業者(昭和5年〜平成16年累計)
  • アスベストの施工量・施工面積
    吹付けアスベスト:12万7,376t(昭和30〜49年)、吹付けロックウール:9,535万3,000m2平方メートル(昭和43〜54年)、スレート材等:40億8,799万7,000m2平方メートル(昭和46〜平成13年)
  • アスベスト使用建築物の実態調査結果(アスベスト使用建築物数)(主な実態調査結果)
    民間建築物:1万1,851、国の機関の建築物:698、学校等:8,514、病院:2,275、社会福祉施設:4,597

  • 労働安全衛生法等に基づく労働基準監督署への建築物等の解体の届出数:7,372件(平成17年)

 連絡先:地方業務室[松本(まつもと)] 電話(直通) 03−52535413
    FAX 03−52535418
    メールアドレス kans2052@soumu.go.jp


5)  府省共通事務に関する行政評価・監視

 調査の背景
 「簡素で効率的な政府」を実現することは、政府にとって喫緊かつ最重要課題の一つとなっている。
 「今後の行政改革の方針」(平成16年12月24日閣議決定)においては、各府省が作成した行政効率化推進計画に基づき、公用車、公共調達、出張旅費の効率化、アウトソーシング等関係府省に共通する主要な取組を実施するなど行政の効率化を推進することとされており、また、「行政改革の重要方針」(平成17年12月24日閣議決定)においても、「小さくて効率的な政府」の実現を図るため、行政のスリム化、効率化の一層の徹底が必要であるとされている。
 政府においては、行政の無駄を省き、「簡素で効率的な政府」を実現するため、内閣に設置された行政効率化関係省庁連絡会議において、「行政効率化推進計画」が取りまとめられ(平成16年6月15日。17年6月30日改定)、各府省は、行政効率化に取り組んでいる。
 各府省に共通する物品・役務の調達、庁舎の維持・管理等に係る事務・経費についても、一層の効率化・合理化に向けた不断の取組が求められている。
 この行政評価・監視は、これらの状況を踏まえ、行政のスリム化、効率化を図る観点から、各府省に共通する物品・役務の調達、庁舎の維持・管理、旅費等の事務について、その実施状況、外部委託の状況、効率化の取組状況等を調査し、先進的な取組事例の普及や導入の促進も含め、関係行政の改善に資するため実施するものである。

 主要調査項目と調査の視点
  1.  物品等の調達・管理の実施状況
     大量に購入する物品及び購入単価が比較的高額な物品を中心に物品等の調達状況等を調査
  2.  アウトソーシングの実施状況
     公用車の運転業務、出張関係業務及び内部管理業務を中心にこれら業務に係るアウトソーシングの実態等を調査
  3.  府省共通事務に係る効率化の取組状況
     各府省の本府省、地方支分部局等における府省共通事務に係る効率化の取組状況を調査
  4.  地方公共団体及び民間企業における事務の効率化の取組状況
     地方公共団体や民間企業における先進的な事務の効率化の取組を調査
 主要調査対象
 [調査対象機関] 全府省
 [関連調査等対象機関]  都道府県、市町村、事業者等

 連絡先:規制改革等担当評価監視官[小森(こもり)] 電話(直通) 03−52535440
    FAX 03−52535436
    メールアドレス kans2035@soumu.go.jp