外交・在外業務実施体制及び運営に関する行政評価・監視
(『外務省改革「行動計画」』を中心として)
の結果に基づく通知に伴う改善措置状況(回答)の概要

【調査の実施時期等】  
 1 実施時期 平成15年12月〜17年2月
 2 調査対象機関

外務省、在留邦人、外交・在外業務に知見を有する者等
【通知日及び通知先】

平成17年3月11日 外務省に対し通知
【回答年月日】 外務省 平成18年3月22日

 [評価・監視の背景事情等]
 外務本省と世界各地に設置されている在外公館の担う役割は極めて重要となっているが、近年の外務本省と在外公館における一連の不祥事の発生は、我が国外務行政に対する国民の信頼を著しく損ねることとなった。
 外務省は、これに対し、有識者により構成された外務大臣の私的懇談会「変える会」の外務省改革に関する最終報告等を踏まえ、平成14年8月、(1)組織としての政策構想力と危機管理対応能力の強化、(2)外務省職員の意識改革と徹底した競争原理の導入、(3)外交施策の透明性と効率性の確保及び4)国民へのサービスの向上を目指した領事業務の強化を主眼とする外務省改革「行動計画」を発表。
 外務省は、この外務省改革「行動計画」に基づき実施期限を定めて改善措置を順次講ずるとともに、その進捗状況を平成15年3月、8月及び12月並びに16年7月の4回にわたり公表するなどの取組を進めてきているが、国民の信頼を取り戻し、外務省が国益を担う強力な外交政策を遂行できるようにするためには、今後も引き続き外務省改革を継続的・計画的に推進することが必要。
 本行政評価・監視は、以上のような状況を踏まえ、現在、外務省が進めている改革が着実に実施され成果を上げているかなどの観点から、外交・在外業務の実施体制及び運営状況について調査し、関係行政の改善に資するために実施したもの。


主な通知事項 外務省が講じた改善措置状況
 外務省は、外務省改革「行動計画」において推進することとしている改革について、一層の成果を上げるとともに、国民への説明責任を果たすため、今回の当省の調査結果を踏まえ、次の措置を講ずる必要がある。

[→: 「回答」時に確認した改善措置状況]
(1 ) 外務省改革「行動計画」に定められた14項目160事項のうち、措置が講じられているものの、i1)措置が十分でなくその改善が進んでいないもの、ii2)措置は講じられたがなお実態に即して一層の運用改善を図っていく必要があるものについては、改善の促進を図るための実効性のある措置を速やかに講ずること。
 また、措置が講じられていないものについては、早急に検討を進め、必要な措置を講ずること。

表 14の項目別の判定結果
(単位:事項、%)
項目 事項数 措置が講じられているもの   措置が講じられていないもの
うち改善する必要があるもの うち改善する必要があるか否か判断できなかったもの うち実績や成果が上がっており改善が進められているもの 
1  政・官の在り方
2 2 0 0 2 0
2  外務省職員の意識改革
11 11 8 0 3 0
3  人事制度の再構築
34 34 11 5 18 0
4  秘密保持の徹底
10 10 3 1 6 0
5  ODAの効率化・透明化
13 13 2 3 8 0
6  外務省予算の効率的使用・透明性の確保
8 8 3 0 5 0
7  NGOとの新しい関係
7 7 0 1 6 0
8  広報・広聴体制の再構築
11 11 3 0 8 0
9  大使館などの業務の見直し
24 23 11 1 11 1
10  政策立案過程などの透明化
11 9 4 0 5 2
11  危機管理体制の整備
8 8 3 2 3 0
12  政策構想力の強化
14 14 2 5 7 0
13  事務の合理化
3 3 2 0 1 0
14  外務省改革実施体制
4 4 0 0 4 0
合計
 (構成比)
160
(100.0)
157
(98.1)
52
(32.5)
18
(11.3)
87
(54.3)
3
(1.9)
(注)1  当省の調査結果による。
 表中の「合計」欄の( )内の数字は、160事項を母数とする構成比である。

→(1 ) 外務省改革「行動計画」に定められた14項目160事項中、措置が講じられているものの、i1)措置が十分でなくその改善が進んでいないものは11事項、ii2)措置は講じられたがなお実態に即して一層の運用改善を図っていく必要があるものは41事項で、計52事項である。このうち、23事項については、今回の通知を踏まえ、平成17年12月までに改善の促進を図るための実効性のある措置を講じた。今後とも、この措置を踏まえ、改善の促進を図ってまいりたい。残りの29事項については、18年度までに改善の促進を図るための実効性のある措置を講じる予定である。
 また、160事項中、措置が講じられていないものは3事項である。このうち、2事項については、今回の通知を踏まえ、平成17年12月までに改善の促進を図るための実効性のある措置を講じた。今後とも、この措置を踏まえ、改善の促進を図ってまいりたい。残りの1事項については、18年度までに改善の促進を図るための実効性のある措置を講じる予定である。
 なお、160事項中、改善する必要があるか否か判断できなかったもの18事項については、平成17年12月までに一層の運用改善のための措置を講じたところである。このうち、9事項については、改善の促進を図るための実効性のある措置を講じた。今後とも、この措置を踏まえ、改善の促進を図ってまいりたい。残りの9事項については、18年度までに改善の促進を図るための実効性のある措置を講じる予定である。
(2 ) 外務省改革を不断に推し進めるため、引き続き外務省改革「行動計画」のフォローアップを定期的に行い、その結果を公表すること。
 また、その公表に当たっては、改善を必要とする措置ごとに、「何を行ったか」という実績の公表にとどまらず、その措置によって「具体的に何が達成されたか」という成果を公表するなど、国民に対して目に見える形で分かりやすく説明すること。
→(2 ) 外務省改革「行動計画」のフォローアップについては、今回の通知を踏まえ、平成17年度においても定期的に実施してきているところであり、18年度中には、その結果がまとまり次第、公表する予定である。
 なお、この公表に当たっては、今回の通知を踏まえ、特に国民に密接な領事分野を中心に、改善措置によって「具体的に何が達成されたか」という成果を公表するなど、国民に対して目に見える形で分かりやすく説明を行う予定である。