政策評価フォーラムの概要


日時  平成20年3月21日(金)13時30分〜16時00分
会場  総務省講堂
主催  総務省
後援  社団法人日本経済団体連合会


13時30分〜13時40分    開会挨拶
            大橋 洋治 全日本空輸株式会社取締役会長、
                    政策評価・独立行政法人評価委員会委員長

政策フォーラム写真

 昨年4月から政策評価・独立行政法人評価委員会の委員長を拝命いたしました。
 従来の我が国の行政においては、法律の制定や予算の獲得に重きが置かれ、政策効果の検証や社会経済情勢の変化に基づき政策を積極的に見直すといった評価機能が軽視されがちでありました。
 民間では、コンスタントに高い業績を上げるためには、常に既存の業務を見直し、コスト削減に努めるとともに、現場の事例を吸い上げて、良い取組をどんどん広げていくことが不可欠です。事前事後に政策効果を把握・点検し、不断の見直しを行うことが民間と同様に行われることが重要であるという認識のもとに、平成13年の省庁再編に際し、政策評価制度が導入されました。
 世界経済は刻々と変化しています。行政を取り巻く環境も変化しています。政府におかれても、「評価」に基づいて、常に自らを振り返り、変化への対応を図っていくことが今後ますます重要になるのではないでしょうか。
 平成14年4月に「行政機関が行う政策の評価に関する法律」(政策評価法)が施行され、平成17年には法施行3年後の制度見直しも行われました。昨年以降の最近の政府の取組について簡単に御紹介いたします。
 一番目は、規制の評価についてです。
 皆さんの毎日の生活に、また、お仕事に、規制は関わりが深いものだと思います。代表的なものは許認可です。企業の方にとって監督官庁とのやりとりは数多いものですし、新規に事業を立ち上げるベンチャー・ビジネスにとっても、規制のあるなしは非常に大きな問題です。規制の在り方が我が国全体の成長力や競争力、また、イノベーションといたものに大きく影響するのではないかと思います。
 このような規制について、規制を導入することに伴う費用と便益をあらかじめ明らかにし、導入の可否を判断するための情報を提供するのが規制の事前評価です。諸外国ではRIA(規制影響分析:Regulatory Impact Analysis)と呼ばれることが多いです。このような評価が昨年10月から義務付けられました。我が国の政策立案過程の一層の透明化に役立つことを期待しています。
 二番目は、評価の重要対象分野の選定です。
 政府の政策や事業はあまたございますが、それが確実に評価され、改善・見直しが進むようにしなければなりません。そのため、この中から特に重要なものについて、昨年から、経済財政諮問会議との連携を強化し、政策評価の重要対象分野を選定することとされました。私が委員長を務める総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会において審議を重ね、昨年11月に少子化対策や若年者雇用対策などを重要対象分野として選定し、増田総務大臣から諮問会議に報告したところです。
 様々な角度から政策評価に注目が当たることで、緊張感のある評価の活動が行われるとともに、諮問会議などの場で評価結果が大いに活用されることを期待しています。
 昨今は、食品安全の問題など、顧客へ的確でわかりやすい説明を行っていくことが企業の命運を左右します。同時に組織のコンプライアンス(法令遵守)を高めることも求められております。これらは政府においても共通の課題です。
 信頼される行政とするために、また、国民に開かれた行政であるために、なすべきことは多いと思います。政策評価によって、政府の活動をきちんと説明していくこともその一つではないかと思います。
 政策評価は着実に政府の中に浸透してきているように見受けられます。しかしながら、今日、お越しの皆様を始め、もっともっと広く大勢の方に政策評価を知ってもらうことが必要ですし、政府が行う政策評価に目を光らせ、民間の立場から必要な意見を述べていくことも重要です。
 本日は、政策評価と最近の行政の事情についてご造詣の深い2人の有識者の方にご講演をお願いしております。これらの話を契機にして、皆様方におかれましても、政策評価に是非ご注目いただき、貴重な御意見を賜ればと思っております。


13時40分〜14時40分 講演1  
「政策評価の現状と課題」
田辺 国昭   東京大学大学院法学政治学研究科教授
政策評価・独立行政法人評価委員会政策評価分科会臨時委員
→(資料参照(PDF))

講演1 「政策評価の現状と課題」


14時50分〜15時50分 講演2  
「政策評価を考える:ルールとその担い手」
三宅 伸吾   日本経済新聞社編集委員
→(資料参照(PDF))

講演2 「政策評価を考える:ルールとその担い手」


16時00分 閉会  

会場の様子 (会場の様子)

(注)  この概要は、事務局(総務省行政評価局政策評価官室)の責任において取りまとめたものであり、事後修正の可能性があります。




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