●過疎対策の沿革
昭和30年代以降の高度経済成長に伴い、農山漁村地域から都市地域に向けて若者を中心として大きな人口移動が起こり、都市地域においては人口の集中による過密問題が発生する一方、農山漁村地域では住民の減少により地域社会の基礎的生活条件の確保にも支障をきたすような、いわゆる過疎問題が発生しました。
これに対処するため、昭和45年に議員立法により10年間の時限立法として過疎地域対策緊急措置法が制定されました。この法律においては、年率2%を超える人口減少が続く中で、人口の急激な減少により地域社会の基盤が変動し、生活水準及び生産機能の維持が困難となっている地域(=過疎地域)について、緊急に生活環境、産業基盤等の整備に関する総合的かつ計画的な対策を実施するために必要な特別措置を講じることにより、人口の過度の減少を防止するとともに地域社会の基盤を強化し、住民福祉の向上と地域格差の是正に寄与することが目的とされました。
昭和50年代に入ると人口減少率自体は落ち着いてきましたが、人口が著しく減少したことにより、地域社会の機能が低下し、生活水準及び生産機能が他の地域に比較して低位にあることが過疎地域の課題として捉えられ、こうした地域の振興を図り、もって住民福祉の向上、雇用の増大及び地域格差の是正に寄与することを目的に昭和55年に過疎地域振興特別措置法が制定されました。
平成2年に制定された過疎地域活性化特別措置法においては、人口減少そのものに起因する問題とともに、過去の著しい人口減少に起因して若者が少なく高齢者が多いという人口の年齢構成の偏りの問題を合わせて、地域の活力が低下していることを過疎問題と捉え、将来に向かって活性化するための対策を講じ、もって住民福祉の向上、雇用の増大及び地域格差の是正に寄与することがその目的とされました。
平成12年4月1日、平成21年度までの10年間の時限立法として施行された過疎地域自立促進特別措置法は、人口の著しい減少に伴って地域社会の活力が低下し、生産機能及び生活環境の整備等が他地域と比較して低位にある過疎地域の自立促進を図ることにより、住民の福祉の向上、雇用の増大、地域格差の是正に寄与するという従来からの目的に加え、過疎地域が、豊かな自然環境に恵まれた21世紀にふさわしい生活空間としての役割を果たすとともに、地域産業と地域文化の振興等による個性豊かで自立的な地域社会を構築することにより、我が国が全体として多様で変化に富んだ、美しく風格ある国土となっていくことに寄与することも目的としているところです。
このように4次にわたり議員立法として制定された過疎対策立法の下、これまで過疎地域市町村を中心に、関係都道府県、国の3者が一体となって時代に対応した過疎対策に取り組み、一定の成果を上げてきましたが、過疎地域は、公共施設の整備水準等について全国との差がなお存在するほか、財政状況は厳しく、著しい人口減少と高齢化の進展、将来の維持が危ぶまれる集落の発生などの様々な問題に直面しています。一方で、過疎地域は、安全・安心な食料や水、エネルギーの供給、国土の保全など、国民全体の安全・安心な生活を支える重要な公益的機能を有しています。
こうしたことを踏まえ、失効期限の6年間延長、過疎地域の要件の追加、過疎対策事業債のソフト事業への拡充・対象施設の追加などを内容とする「過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律」が平成22年4月1日に施行されました。
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