●過疎地域自立促進特別措置法の制定・改正
(1)過疎地域自立促進特別措置法の制定
 過疎地域活性化特別措置法の平成12年3月失効を控えて、平成10年以降関係地方公共団体から過疎対策の継続、拡大を求めて要望、意見書の提出等が行われ、国会はじめ関係各方面で検討が進められました。検討に当たっての関係者の基本的な認識はおおむね次のとおりでした。
 すなわち、昭和45年以降の3次にわたる過疎立法に基づき、30年にわたって過疎対策が展開されてきた結果、住民の生活の基盤である公共施設等の整備は相当進んできたものの、住民生活の基本的な部分において未だ大きな格差が残されていました。
 平成12年当時の過疎地域の人口減少は、一時のような激しさは見られなくなったものの、社会減に加え、自然減が重みを増してきており、高齢化のさらなる進行、引き続く若年者の流出に、将来に不安を感じる市町村が少なくないなど、状況的にはむしろ以前より厳しいものがありました。
 地域経済についても、かつての基幹産業であった農林水産業が著しく停滞した上に、経済環境の悪化などから製造業等の企業立地も極めて困難な状況にありました。
 公共施設の整備も、道路等が未だ不十分であるほか、上水道、下水道、情報通信施設、医療施設など生活の基本的部分で依然大きな格差が残されていました。
 一方、「多様で美しく風格ある国づくりへの寄与」、「国民が新しい生活様式を実現できる場としての役割」及び「長寿高齢化社会の先駆けとしての役割」など、21世紀の我が国のあるべき将来像を形づくる上で、過疎地域が担うべき新しい意義・役割が明確になってきている中で、地域格差是正など過疎地域の生活基盤等の整備を図る視点にとどまらず、過疎地域と都市との交流を通じて、相互補完関係にある新しい生活空間を確保し自立的な地域社会を構築することは、21世紀にふさわしい真に豊かな国民生活を実現するために不可欠なことでした。
 こうした事情を背景に、国会はじめ関係各方面において幅広い検討が進められた結果、平成12年3月、過疎地域自立促進特別措置法案が衆議院地方行政委員長から国会に提出され、3月24日に全会一致で成立、3月31日に法律第15号として公布され、4月1日から施行されました。

(2)過疎地域自立促進特別措置法の改正
 過疎地域自立促進特別措置法に基づく10年間をはじめ、これまで40年間にわたり、過疎対策立法に基づき、過疎地域市町村を中心に、関係都道府県、国の3者が一体となって時代に対応した過疎対策に着実に取り組み、過疎地域の産業振興や交通通信基盤・生産基盤の整備などに一定の成果を上げてきました。
 しかしながら、過疎地域では、1990年代前半に一時期緩やかになった人口減少も再び加速し、著しい高齢化の進行とあわせて、地域によっては存続が危ぶまれる集落の増加、地域医療体制の弱体化など、過疎地域の抱える課題は一層深刻さを増しています。一方で、過疎地域は国民全体の安全・安心な生活を支える重要な公益的機能を有しており、過疎対策の推進に当たっては、この公益的機能について国民全体が適切に認識し、積極的に評価した上で、過疎問題の解決を国民全体の課題と捉え、過疎地域の住民のいのちと暮らしを守る実効性ある対策を講じていくことが求められています。また、過疎地域を取り巻く厳しい現状を踏まえれば、今後は、これまでのハード事業に加え、いわゆるソフト事業の重要性がますます高まっていくものと考えられます。
  このような中、全国過疎地域自立促進連盟をはじめ地方6団体、各都道府県、各市町村などから新法制定に向けた切実な提言・活動が危機感をもって展開されました。こうした声に応え、過疎対策を切れ目なく実施するための現行過疎法を拡充・延長する法律案は、各党間の協議を経て取りまとめられ、平成22年3月2日衆議院総務委員会委員長提案の法案として国会に提出され、当日の衆議院本会議に緊急上程、全会一致で可決、3月9日の参議院総務委員会及び3月10日の参議院本会議で全会一致で可決、成立、3月17日に公布され、過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律として、平成22年4月1日に施行されました。

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