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2010年代のケーブルテレビの在り方に関する研究会」
(第2回会合)議事要旨



  1.  日時
    平成18年3月30日(木) 1000分〜1155

  2.  場所
    総務省 第1特別会議室(8階)

  3.  出席者
    (1)  構成員(五十音順、敬称略)
    石橋庸敏、大塚隆史、音好宏、後藤滋樹、清水俊彦、多賀谷一照、竹岡哲朗、
    寺坂和利、中村正孝、森忠久、森田圭、山口博續、山下東子、(代理)小池不二男
    (2)  総務省
    河野大臣官房審議官、大内放送技術課技術企画官、今林衛星放送課長、岡ア地域放送課長、波多野地域放送課企画官、本間地域放送課技術企画官、梅村地域放送課課長補佐
    (3)  説明者
     森泉知行株式会社ジュピターテレコム代表取締役社長

  4.  議事内容
    (1)  開会
    (2)  ケーブルテレビ事業者等からのヒアリング
    株式会社ジュピターテレコム、西会津町、KDDI株式会社
    (3)  閉会

  5.  主な議論
     株式会社ジュピターテレコム、西会津町、KDDI株式会社から事業概要等につき説明がなされた後、それぞれについて以下のような質疑応答が行われた。
    (1)  株式会社ジュピターテレコム
    FTTHと比べたHFCのメリットとして、同軸ケーブルの建設・原材料コストが低いとの説明があったが、設備の維持という観点から見てどのようなメリットがあると考えるか。
    設置工事について、FTTHに比べて期間が短く・割安に行うことができる。
    トリプルプレイサービスの個々のサービスについて、全てのサービスが利益のリソースとなっているものなのか。
    現時点では、テレビ・電話・インターネット接続サービスについては利益を出せる構造になっている。一方、「インタラクTV」のような、それ自体では利益が出るものではないが、解約率を下げる等、間接的にメリットが生じるようなサービスもある。
    ARPU(加入世帯当たりの月次収益)が約7500円とのことであるが、サービスの利用状況はどのようなものか。
    平均で1ユーザーが1.72サービスを利用している。サービス利用数を挙げることがARPUの上昇につながる。
    USENが行っているGyaOについては、映像伝送という点で競合していると思われるが、所感を教えてほしい。
    広告収入による無料でのサービス提供という新しいモデルを作られたことは画期的であると思うが、ビジネスで見た場合、広告収入だけで賄っていくのは難しいのではないかと思う。また、このようなサービスが増えていくと、回線を逼迫させることとなり、現時点でその負担は通信事業者が負っている。今後、このコストについても議論されることになると思う。
    ARPUが他のケーブルテレビ事業者より高く、効率的なサービス提供を行っているものと思われるが、その要因について教えてほしい。
    多くのケーブルテレビ事業者が提供している電話サービスは、050番号のVoIPであり、110番・119番に繋がらないなどの課題があるが、当社が行っているものはNTTと同様のものであり、基本料・使用料を払ってもらえる。この点は当社の特徴である。また、テレビサービスについても、ベーシックやプレミアムのチャンネル数が多い。
    サービス提供地域が人工密集地域になっていることがARPUの高さに影響しているのではないか。
    一般的に都市部の平均所得は高く、この点もARPUに関連していると思う。

    (2)  西会津町
    ケーブルテレビの活用などの町の施策により、一人当たりの国民健康保険税が下がっているが、ここにケーブルテレビがどれだけ寄与したものと考えるか。
    町民への啓蒙活動が非常に重要であると感じており、そのためのケーブルテレビの活用などの結果が現れているものと思う。
    町内のケーブルテレビの加入率が約91.7%ということであるが、2011年に地上放送がデジタル化する際、ケーブルテレビに加入していない残りの世帯へはどのような対策を取る予定なのか。
    テレビを見ないという理由でケーブルテレビに加入していない方もいるが、普及を進めていきたい。9%はそれほど大きな数字とは思っていない。いずれにしても、地上放送のデジタル化に向けて啓蒙活動を行ってまいりたい。
    農村型のケーブルテレビについて、地上放送のデジタル化対応などにより今後の展開が不透明になっているとの説明があったが、それに対する解決策としてどのようなものを考えているか。
    全国の市町村はそれぞれ様々な課題を抱えている。自ら対応できる町村もあればそうではない町村もある。やはり国や地方自治体の支援がなければ解決できないものであると思っている。
    課題の解決法の一つとして、農村型の事業者が近隣のケーブルテレビ事業者とヘッドエンドの共用化を図ることも一つの選択肢になると思う。

    (3)  KDDI株式会社
    テレビサービスでのパケットの優先制御について、通信ビルから加入者宅までの区間でのQOSはどのように確保しているのか。
    末端までパケットの優先制御を行っている。
    STBの機能のうちの「ゼロアドミニストレーション」の意味は何か。
    ユーザー側が意識することなく、自動的に設定作業を行うもの。
    品質を確認する際に客観的な指標によることができないかということが議論になっている。サービスの品質確認はどのように行っているのか。
    ユーザー宅内での目視による確認はできないが、網内については目視による品質チェックを行っている。ただし、目視は主観的な評価となるため、現在、当社の研究所において、様々なレイヤにおける客観的な評価ができるシステムを構築しているところである。
    放送対象地域内への限定配信ができるとのことだが、このシステムではいわゆる区域外再送信を行うことは可能なのか。
    可能である。あとは制御の問題となる。
    光プラスサービスとケーブルプラス電話の方向性は、衝突する関係にあるのではないか。
    当社は地域アクセス網を持っていない事業者である。基本的には光プラスサービスをメインとすることが当社のスタンスであるが、そのアクセス系光ファイバはNTTの設備をシェアしているのが現状である。今後、いかにしてケーブルテレビ事業者などのアクセス系ネットワーク事業者と連携を図るかが課題となっている。

(以上)


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