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全国均衡あるブロードバンド基盤の整備に関する研究会(第4回)議事要旨


1.   日時    平成16年10月14日(木) 13時30分〜15時40分

2.   場所    総務省 1階 第1会議室

3.   出席者
( 研究会委員)
会田委員、浅井委員、石川委員、泉谷委員、稲村代理、井上委員
尾ア委員、小田委員、加藤委員、木村委員、木村代理、黒川委員
齊藤委員、清水委員、新免委員、関口委員、中岡委員、中村委員
南浮委員、西村委員、藤田代理、前田代理、宮本委員
( 部外有識者)
榎本輝彦(兵庫県)
( 総務省)
有冨総合通信基盤局長、江嵜電気通信事業部長、吉田事業政策課長
鈴木料金サービス課長、江村地域放送課長、岩田高度通信網振興課長
秋本総務課調査官、玉田総務課課長補佐、渡辺高度通信網振興課長補佐

4.   議事
開会
座長から研究会の今後の進め方について説明。(下記5のとおり)
小田委員から資料4−1について説明。(下記6のとおり)
井上委員(服部氏)から資料4−2について説明。(下記6のとおり)
榎本氏から資料4−3について説明。(下記6のとおり)
質疑応答(下記7のとおり)
事務局から資料4−4−1及び資料4−4−2について説明。
質疑応答・意見交換(下記7のとおり)
次回研究会は、平成16年12月9日(木)15時30から分(予定)
閉会

5.   研究会の今後の進め方について
  これまでの会合での議論を通じ、1)採算性等の問題からブロードバンドサービスが受けられない地域での整備をどう進めるかが当面の大きな課題であること、2)ブロードバンド整備は民間主導ではあるが、地方公共団体の果たす役割も重要な場合があること、から年内を目処に地方公共団体を対象としたアウトプットを、例えば整備指針という形で取りまとめ、中間報告とすることが了承された。

6.   各委員からの説明の要旨
  ・小田委員(富士通株式会社)
 
     離島では実地アンケートによると緊急医療情報に対するニーズが高い。
     近隣離島においては、導入コストを重視した場合、5Gギガ帯、2.4Gギガ帯等の無線アクセスシステムが最適な通信手段になり得る。また、利用者のニーズ及び利便性を踏まえたシステムの検討が必要。
     三鷹市において、学校と家庭が連続した学習が出来るIT環境を提供する実証実験を行ったが、実験後のアンケート結果によると、教育コンテンツに支払っても良いと回答した利用料金が予想よりも非常に低かった。
     高度医療支援分野では、特に色に関するニーズが高く、肉眼で見るのと同等レベルの高画質な画像が求められる。
     今後の課題として、ネットワークインフラ整備と利用促進双方からの検討、自治体向け施策の充実等が必要。

  ・井上委員(服部氏)(日本電気株式会社)
 
     市町村間のディバイド是正の他に、市町村合併が進む中で、同一市町村内でのディバイド是正が大きな課題となっている。
     ブロードバンド基盤整備=インターネットではなく、放送は行政情報提供のための有効な手段ともなり得ることから、放送の受信も含めたブロードバンド基盤の整備という観点が重要。
     ネットワークの整備状況が全く異なる市町村が合併した自治体の基盤を整備する場合、シームレスな基盤を低コストで整備するために、無線の活用も視野に入れる必要がある。
     自治体が自ら整備する場合は、可能な限り民間に委託するという思想が必要。
     ブロードバンド基盤の活用事例として、IP告知放送システムがある。

  ・榎本氏(兵庫県)
 
     平成14年に民間事業者にブロードバンドサービスの未提供地域での今後の展開を確認したところ、1〜2箇所の電話局しか計画がなく、地域の情報格差の解消のため、「ブロードバンド100%整備プログラム」を創設。
     プログラムの内容は、民間事業者単独ではサービス提供が困難な地域を対象に、県と市町が共同してADSLや無線の初期投資の1/2の支援を行うもの。
     事前に市町が住民のニーズ調査を行い、加入希望世帯数が1電話局あたり200世帯に満たなかった地域を支援対象としている。
    93地域を整備対象とし、本年度末までに86地域が整備完了見込み。このうち、民間事業者による自主整備は51地域あり、ブロードバンドのニーズの喚起により事業者の整備が進むという波及効果もあった。
    本プログラムを活用し、事業者による加入世帯数に応じた利用料金の設定、町による単独支援等、独自の取組みを行っている事例もある。
     今後の課題として、DSLの全県的な普及から新たな整備目標の在り方、FTTH及び衛星インターネットも含めた多様な手段について検討が必要。

7.   質疑応答・意見交換等
  地上デジタル放送が進む中で、難視聴地域が出ないかということを自治体として危惧している。本研究会のテーマであるブロードバンド基盤の整備ということと、表裏一体の関係にある利活用の促進を考えた場合に、放送への活用は非常に重要な要素である。
  競争を民間事業者に完全に任せた場合の展開度合いと、様々な形で援助した場合の展開度合いについて、特に類似地域との比較においてもっと厳密な検証が必要。
  無線をアクセス網に利用しようという議論について、今後、国民全体が光ファイバの恩恵を享受するようになると、無線だと不満が出てしまう可能性がある。二重投資にならないようにする観点が非常に重要。
  無線の位置づけを含め、最終的な整備目標をどのように設定するか、光ファイバが入るまでの間に一度無線を取り入れるのか。条件不利地域は無線でということについて、皆が納得するような前提条件があるのか等、検討すべき。
  自治体がブロードバンド整備を促進する際に、一昔前のように補助事業があるから、地域の活性化のために基盤整備を何となく進めるだけでは効果は当然上がらない。総合計画等の中でニーズ等の現状把握をしっかりやる必要がある。検討すべき項目や整備効果についてまとめた一定のガイドラインを示す必要がある。
  コストの問題も含め、今まで出た課題について、モデル事業を起こして、地域を指定して一気に検証するというのが一番良い方法である。
  光ファイバ網の開放手続について、建物については指定管理者制度により民間で維持管理が可能なのに、総務省がなぜそこから出ている光ファイバ網を備品と見なす考え方をしている。開放手続マニュアルの次の版を分かりやすくすべき。
  ユニバーサルファンドでやって情報通信サービス全体で条件不利地域について配慮するのか、税の負担で支援するのかが分かれるところ。電気通信基盤充実臨時措置法の改正時に、どこまでも民間主導で行くのか、条件不利地域論を入れ込むのかが問われる。
  国が条件不利地域への補助金スキームを新たに作ることが困難な中で、ブロードバンド化について、上手いアイデアでかつ民間の力を利用して広げていくことがどうやって出来るのかという観点から、国や市町村の役割等についてもう一度根本的に議論したほうが良い。
  経済効果について、地域における産業分野の活性化のためにブロードバンド基盤の整備を進める場合も当然あるので、産業界あるいは経済界における費用効果も盛り込んでおくべきだ。
   
  以上



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