情報通信のトップへ

インデックスへ 調査研究会


電波再配分のための給付金制度の具体化に関する研究会(第2回)議事要旨


日時:平成15年3月10日(月)1830分〜2030
場所:総務省10階 1001会議室
出席者(敬称略)
座長:多賀谷千葉大学副学長、座長代理:若尾社団法人電波産業会専務理事
相上株式会社NTTドコモ取締役、大津賀東京ガス株式会社防災・供給センター所長、甲藤早稲田大学助教授、金子社団法人電子情報技術産業協会専務理事、左藤KDDI株式会社上席理事、三邊横浜国立大学教授、橋東京電力株式会社理事、田中日本電信電話株式会社第二部門電波室長、田村日本テレビ放送網株式会社技術統括局長、中西日本放送協会技術局計画部長、西岡株式会社メルコ取締役、西谷横浜国立大学教授、山本東京大学助教授、木全J−フォン株式会社執行役員(五十嵐常務代理)、跡部情報通信ネットワーク産業協会サービス部長(池田専務理事代理)
 《総務省出席者》
鬼頭電波部長、河内電波政策課長、炭田電波政策課調査官、武居基幹通信課長、富永移動通信課長、田中電波環境課長、奥電波利用料企画室長 他

<配布資料>
   資料1   給付金の算定要素について
  資料2 耐用年数及び償却年数の取扱いについて
  資料3 撤去費用の取扱いについて
  資料4 対象とする設備の範囲について
  参考資料1   耐用年数に関する参考資料
  参考資料2 算定方法に損失補償の考え方を取り入れている交付金の事例

<議事概要>
 1    意見交換
(1)    給付金の算定要素、耐用年数及び償却年数の取扱いについて
   事務局から資料1、資料2及び参考資料1に基づき説明が行われた後、主として以下のような意見交換が行われた。
   算定方法は、土地にも鑑定があるようにマーケットバリューで検討すべきとの意見があり、再配分に伴う撤去無線設備には中古品の市場はほとんど想定できないことや電波法第71条の移行命令との整合性等を踏まえ、会計上の残存価値のような客観的な算定要素とすることが適当との説明があった。
   従来の免許人の協力による移行のほか、第71条の移行命令があるとのことだが、どのような場合に適用されるのかとの質問があり、第71条は船舶、航空機等の義務設置局(免許期間は無期限)の移行を条約に基づいて行う場合に適用される旨の説明があった。
   給付金制度の導入により、給付金が支給される場合にのみ移行に応じるような逆インセンティブが働き、免許人の協力による移行は困難とならないかとの意見に対し、給付金制度は、可能な限り、時間をかけて免許人の協力を得ながら進める従来型の移行を大切にした上で、公益上、迅速に対応することが必要な場合に適用するものである旨説明があった。
   算定要素としての耐用年数は、全ての設備を一括りに設定するのではなく、税法上も様々であるという実態を踏まえ、例えば、いくつかのグルーピングができないかとの意見があり、資料2にある3つの案も実態を勘案しつつ作成したものではある旨の説明があった。
   資料2の第3案では、税法上の耐用年数を参考としつつ、最も多く使用している耐用年数とするという別の観点が入っているのはなぜかとの質問があり、税法上の年数もあるが、免許人の協力による移行期間(10年)や免許の有効期間(5年)との整合性も考慮する必要があるとの説明があった。
   再免許は新たな地位の設定だとしても、免許人には更新という意識がある以上、給付金の算定要素を法律論からのみ説明するのは説得的かとの意見があり、そもそも今回の給付金制度自体が、別の研究会での議論の結果、免許の有効期間という法律論とこれまでの更新的な運用を総合的に勘案して提言されたものである旨の説明があった。
   耐用年数の扱いは個々の設備の取得日により異なるが、この点をどう考えるかとの質問があり、個別の設備の更改は様々であるが、実際には無線局の運用開始後、全体として費用を回収している点や今回の基準には客観性が求められることにかんがみ、運用開始日である免許日を基準とするのが適当ではないかとの説明があった。

(2)    撤去費用の取扱い、対象とする設備の範囲について
   事務局から資料3、資料4及び参考資料2に基づき説明が行われた後、主として以下のような意見交換が行われた。
   設備の撤去は再配分がなくても、いずれ行われるとあるが、局舎や鉄塔は撤去を前提としていないという実態があるのではないかとの意見があり、電波法の免許の法的性格、免許の有効期間に照らし、制度上はいずれ撤去するものとして捉えているとの説明があった。
   対象設備の範囲は、給付金が行政処分の変更に伴う実質的な損失補償であるから、電波法上免許審査対象となるものに厳密に限定すべきではないかとの意見があった。
   また、撤去と再配分に因果関係があることは当然であり、さらに免許を与えたことに伴う損失か否かを見ることが必要ではないかとの意見があった。
   5GHzギガヘルツ帯のマイクロ固定局を撤去した場合、同一鉄塔を用いて11GHzギガヘルツ帯のエントランス回線があれば、鉄塔は引続き使用可能なので補償の対象外ではないかとの意見があった。
   再配分を特定地域のみに限定したとしても、他地域の関連ネットワークにも波及するので、その場合には、他地域の関連設備も給付対象とすべきではないかとの意見があった。
   土地収用や本四連絡橋の補償の場合、補償の原因が予測不可能なケースであるため、完全補償となっているが、無線局の場合、免許を受けた時点で免許人は使用できなくなるリスクを有していると考えれば、あとは免許人の受忍の程度を検討することになるのではないかとの意見があった。
   撤去費用等のみならず、本研究会の検討全般に関わることだが、抽象的な議論ではなく、各設備について企業がどう取り扱っているのか等の実態がわかるデータを出して検討すべきとの意見があった。

 2    次回日程について
次回研究会は3月28日(金)1830分より開催


トップへ