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電波再配分のための給付金制度の具体化に関する研究会(第4回)議事要旨


日時:平成15年4月24日(木)1830分〜1950
場所:総務省9階 第3特別会議室
出席者(敬称略)
座長:多賀谷千葉大学副学長、座長代理:若尾社団法人電波産業会専務理事
相上株式会社NTTドコモ取締役、大津賀東京ガス株式会社防災・供給センター所長、金子社団法人電子情報技術産業協会専務理事、左藤KDDI株式会社上席理事、三邊横浜国立大学教授、田中日本電信電話株式会社第二部門電波室長、田村日本テレビ放送網株式会社技術統括局長、中西日本放送協会技術局計画部長、西岡株式会社メルコ取締役、西谷横浜国立大学教授、山本東京大学助教授、跡部情報通信ネットワーク産業協会部長(池田専務理事代理)、木全J−フォン株式会社執行役員(五十嵐常務代理)、山田東京電力株式会社通信企画グループマネジャー課長(橋理事代理)
《総務省出席者》
鬼頭電波部長、河内電波政策課長、炭田電波政策課調査官、武居基幹通信課長、富永移動通信課長、田中電波環境課長、奥電波利用料企画室長 他

<配布資料>
   資料1 給付金制度の骨子(案)
  資料2 給付金額の算定における例外的取扱いについて
  資料3 再配分を円滑に実施するためのインセンティブの付与
  参考資料   5GHzギガヘルツ帯気象レーダ局(雷レーダ局)の現状

<議事概要>
   意見交換
(1)   給付金制度の骨子(案)及び給付金額の算定における例外的取扱いについて
  事務局から資料1及び資料2に基づき説明が行われた後、主として以下のような意見交換が行われた。
  パブリックコメントを募集する際には、構成員からの意見やこれに対する回答など、今回の方針案に到った経緯等を分かるように配慮すべきとの意見が出された。
  給付金はどの時点で支給するのが原則かとの質問に対し、最終使用期限において残存価値を算定し、給付金を支給することが原則である旨の説明がされた。
  借入金と自己資金を半々とする理由は、実態は個々の企業で異なっても、概数的には概ね半々であると説明可能であれば、通常性に適うとの意見が出された。これに対し、計画的な設備更新は自己資金で行っても、迅速な再配分は免許人には突発的な事態であり、借入金で対応する部分も出てくるので、理論的にも半々とする説明が可能との補足説明がなされた。
  給付金の支給について、最終使用期限が再配分計画の公表から10年を超える場合には、一切補償をしないとすることは、個々のケースではともかく、10年を前提とした経営が免許人の通常性に適うと言えるのであれば良いとの意見が出された。これに対し、免許の有効期間は、そもそも5年間であるが、従来、最短の場合、10年程度の準備期間を設けて補償もなく周波数移行を実施してきた事例がいくつかある。そこで、免許人も10年という準備期間が一つの境目であることは意識しているはずであるとの説明がなされた。
  給付金額の算定に当たり、既存免許人から収入の一定額を差し引く考え方については、既存免許人の利益を一律的に算定することは困難であり、現実的ではないとの意見が出された。
  マイクロ波固定局の帯域を、全体の一部である100MHzメガヘルツ幅だけ再配分した場合には、引き続き、残りの周波数について使用可能な局舎、鉄塔等の共通設備については、一切補償対象としないこととすると、最後に残った100MHzメガヘルツの再配分の段階で、一挙に局舎、鉄塔等が補償対象となり合理的でない、また、新規免許人に負担の不公平が生じるのではないかとの意見があった。これに対し、最初の再配分が行われてから最後の再配分により局舎、鉄塔等が撤去されるまでには相当な期間が経過することが想定され、残存簿価等も減少しているのではないか、現実に撤去されない設備までを給付金の対象とすることは、給付金の負担者となる電波利用者等の理解を得ることは困難ではないか、また、新規免許人への負担が過大とならないよう再配分計画の策定にあたり考慮されるのではないか、などの意見が出された。
  再配分までの準備期間が5年以上10年以内のケースにおいて、何故、期間損失分を見ないかの理由を明確にすべきではないかとの意見があった。これに対して、5年で免許の有効期間が切れるにも係わらず、例外的措置として5年以上の準備期間を設定しているのであって、この場合にまで期間損失分を補償することには無理があるとの意見が出された。

(2)   再配分を円滑に実施するためのインセンティブの付与について
  事務局から資料3に基づき説明が行われた後、主として以下のような意見交換が行われた。
  早期の新規参入が可能となることを条件と付す以上、前倒しに合意しない免許人が一人でも存在したために、新規参入が出来ない場合、インセンティブは付与されないのかとの質問に対し、その通りであるとの回答がされた。
  1案(給付金の支給時期を実際の撤去日とする)の場合も2案(実際の撤去日を基準に給付金額を算定する)の場合も前倒しに伴う金融費用は同じではないかとの質問に対し、1案では給付金額は変わらないが、早期に支給する分、観念的には金利負担が増加すると考えられ、一方、2案では期間損失や残存簿価も増加するので、給付金額は大きく変わり得る旨の説明がされた。
  過去の設備投資に対して、最終使用期限における未償却率ではなく、前倒しの時点での未償却率を用いることは、説明が可能なのかとの意見が出された。
  新規参入者が予め決まっているのであれば、既存免許人との間で前倒しについて交渉可能ではないかとの意見に対し、政府が関与するのは最終使用期限までの既存免許人による電波利用の終了までであり、これ以上の前倒しは、原則、当事者間の交渉次第としつつも、政府による最低限の措置として、2案が提案されているとの説明がなされた。
  2案における給付金の増加分は誰が負担するのかとの質問に対し、新規免許人だけでなく、電波利用料から負担する部分も増えることになるとの説明がなされたが、給付金の増加分について、利用料負担分も増加するのは経済合理性の観点から不適当との意見が出された。
  2案を採用すると再配分計画の策定時において給付金額は確定されていないのに対して、1案を採用した場合は給付金額がほぼ確定するので望ましいとの説明が行われた。

 2   その他
  今後、本日の骨子案について、上記意見等も踏まえて、適宜修正及び加筆した上で、電波再配分の給付金算定のあり方に関する基本方針案を公表し、パブリックコメントを募集することが了解された。また、当該基本方針案の内容及び公表時期等の詳細については、座長に一任された。

 3   次回日程について
  次回研究会は、パブリックコメント募集終了後、速やかに開催することとされた。


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