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電波再配分のための給付金制度の具体化に関する研究会(第5回)議事要旨


日時:平成15年7月17日(木)1835分〜2005
場所:総務省8階 第1特別会議室
出席者(敬称略)
座長:多賀谷千葉大学副学長、座長代理:若尾社団法人電波産業会専務理事
池田情報通信ネットワーク産業協会専務理事、甲藤早稲田大学助教授、加藤東京電力株式会社電子通信部長、左藤KDDI株式会社上席理事、三邊横浜国立大学教授、田中日本電信電話株式会社第二部門電波室長、田村日本テレビ放送網株式会社技術統括局長、永井日本放送協会技術局計画部長、西岡株式会社メルコ取締役、山本東京大学助教授、丸山株式会社NTTドコモネットワーク本部電波部長(相上取締役代理)、木全J−フォン株式会社執行役員(五十嵐常務執行役員代理)、吉野東京ガス株式会社防災・供給センター技術調査・支援担当部長(大津賀防災・供給センター所長代理)、小笠原社団法人電子情報技術産業協会事務局長(金子専務理事代理)
《総務省出席者》
鬼頭電波部長、河内電波政策課長、炭田電波政策課企画官、田中電波環境課長 他

<配布資料>
   資料  「電波再配分のための給付金算定に関する基本方針(案)」に対して提出された意見の要旨及びこれに対する研究会の考え方(案)
  参考資料1  給付金制度の基本的考え方 他
  参考資料2  電波再配分のための給付金算定に関する基本方針(案)(6月11日報道発表)

<議事概要>
   意見交換
事務局から資料に基づき説明が行われた後、主として以下のような意見交換が行われた。

 今回、再配分の対象となる4.9GHzギガヘルツ-5.0GHzギガヘルツの中継系固定局(関東、近畿)は、全部で100局程度になるとの説明に対し、基準の公正性を考える上で、やはり個別に対応するのではなく、ある種のスタンダードを設ける必要があるとの意見が出された。
 透明性・公平性はどのように確保するのかとの質問に対し、給付金算定の基本方針を国民の意見を聴きつつまとめ、給付金総額を明らかにする予定との説明がされた。
 各免許人への給付金額は公表しないのかとの質問に対し、あまり詳細な金額まで公表すると各免許人の営業上の秘密に抵触するおそれがあるので難しいとの説明がされた。
 附帯設備や局舎、鉄塔等の範囲については公表すべきではないかとの意見に対し、原則的なルールは公表するが、詳細な線引きの公表は営業上の秘密と絡み難しい。ただし、総務省として、一定のルールの下、各免許人を公平に扱うことは当然との説明がされた。
 給付金額は対象設備の取得価格を基に算定する一方、耐用年数は各免許人が実際に用いるものではなく最も多く使用されているものを採用することについて、免許人を納得させるためにはもう少し説明が必要なのではないかとの意見があった。これについては、残存価値の客観的な算定方法として何がベストかは、これまで相当の時間をかけて議論した結果、企業会計とも整合性があり、既に法令において客観的に定められている耐用年数の利用がベストとの結論を得たもの。この場合、運用上、同様の設備でも異なる耐用年数が用いられている事例があるため、免許人間の公平性の確保を重視して、統一化が必要と判断し、その統一化の手法としては、最も多く使用されているものを採用することが適当との結論に到ったものとの説明がされたことについて、こうした事情を明記しておくことが必要と整理された。
 賃貸借契約の違約金まで損失補償で面倒を見るのは難しいのではないかとの見解に対して、現実には、親会社から関連会社にアウトソーシングするような形態もあり、こうした場合であれば、実質的には違約金が免許人の損失と考えられ、かつ、金額的にも残存簿価にほぼ匹敵するようなケースがあり得る。今後、具体的な事例も踏まえつつ、判断していくことが適当との説明や意見が出された。
 無線局の所有者と免許人が一致しない場合の給付金の対象は誰になるのかとの質問に対し、給付金の対象はあくまで免許人であり、所有者との配分等は民民間で調整すべき事項であるとの説明がされた。また、所有者との間で賃貸借契約を解除する際、違約金が常識外れに高い場合には、行政が全額を補填することは困難との意見が出された。
 中継系固定局やレーダ以外の再配分の場合、給付金の算定基準の策定はより複雑なものとなることが予想されるとの意見が出された。
 電波法第71条に基づく損失補償は処分性を有するものであるため、補償金額に不満がある場合は増額要求の訴訟を起こすことができるが、今回の給付金制度をどのように構成するかとの質問については、第71条と同様に強制力を有する処分性があるものとするか、それともアナアナ変換に適用されている給付金制度のように、あくまで免許人からの自主的な申請をベースとして、給付金を受給した場合に、免許人に周波数の移行義務が発生するとする形態とするかは、今後の行政の検討課題との説明がされた。
 p8中段にある税法上の控除対象については、税法上は、電波法第71条に基づく損失補償もアナアナ変換の給付金も対象となっており、今回もそういう方向で検討を進めたいが、最終的には財務省との調整の結果次第との説明がされた。

 2   その他
  今後、本日出された意見も踏まえ、電波再配分の給付金算定のあり方に関する基本方針については、座長一任の上で、適宜修正し公表することが了解された。



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