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光引込線に係る電柱添架手続きの簡素化等に関する検討会
(第1回)議事概要





日時 平成17年5月18日(水)14時00分〜1620
場所 総務省低層棟1階総務省第1会議室
出席者 各事業者出席者一覧のとおり
総務省料金サービス課 鈴木課長、泉企画官、深町補佐、片桐補佐


【議事要旨】
添架手続きの簡素化について
電力柱所有者から引込予定条数の管理等、その実効性について懸念が示された。
電柱所有者である電力会社及びNTT東西からNTTの現状の引込みポイント
(東京電力管内では6.1mメートル、関西電力管内では5.8mメートル)に新たに追加されるポイントにおいて、引込線を特別扱いとすることに懸念が示された。
新たな添架ポイントの提供について
NTT東西柱については、公のルール化が図れれば、他の一般添架ポイントの空きの有無にかかわらず、例えばNTT東エリアでは、現状の引き込みポイントである6.1mメートルポイントを引込線添架の第1順位とすることについて、基本的に了解された。
電柱所有者である電力会社及びNTT東西から、新たに追加されるポイントは、一般添架ポイントと同じ扱いになるとの見解が示された。
一束化への対応について
一束化とNTTの現状の引込みポイントへの添架については、優先順位を付けず選択可能として欲しい要望があった。

【主な発言】
務省:今回検討会を開催した趣旨は、先般のシェアドアクセスに係る引込線の接続料の見直しの際、当該見直しはNTT東西のリスクを接続事業者に移転することになることから接続事業者においても自ら引込線を敷設するという選択肢をとれるようにすることが適当であるとされたことによるもの。したがって、NTT東西の主端末回線に付属する引込線について、自前敷設であってもNTT東西の引込線を借りる場合と同等に電柱に添架できるようにするためにはどうすればよいかという観点から考えたい。CATV等の電柱添架についても改善すべき点があるかもしれないが、論点を拡散させないため、この点については、今回は考えないこととする。

添架手続きの簡素化について
JT -SBB:3点意見を述べさせて頂きたい。1)一般添架ポイントに空きがなければ6.1mメートルを開放という条件では、申請しても空きがない場合、再度申請しなければならない。これは時間がかかりあり得ない話と認識している。我々は早くやりたいし、早くサービスを開始したい。2)設備改修が大きな負担となる、これはユーザへの負担に繋がる。NTTの既存ポイントを使えれば改修が不要となるはずである。3)必要があれば強度計算を行うことはやぶさかではないが、申請の都度ではなくて、例えばあるエリアをまとめて申請することはできないか。営業的には提供エリアを明確にしたいし、ユーザに対して明確な情報を提供したい。
KD DI:議論を円滑に進めるため、NTTの既存ポイントか一般添架ポイントかを決めて、そこでの手続きの簡素化を議論してはいかがか。また、当社として申し上げたいのは、JT-SBB資料の5、6ページにあるような優位性がNTTにあって、果たして公正な競争ができるのかということ。
務省:ポイントによって手続きが違うのであろうから、まずポイントを議論し、それから一束化の議論をし、さらに手続きの簡素化について議論していきたい。
西電力:一定のエリアをまとめての申請についてであるが、管理上、予約のようなことは困難であると考えている。この意味で、NTT東西の報告については実務的に可能かどうか検討の余地があるのではないかと考えている。
  また、突き出し金具を設置するのであれば、必ず強度計算が必要になる。NTTの報告はほとんど一束化を拒否しているニュアンスであるが、関西エリアにおいて一束化は一般的に実施されており、添架は4ポジションを基本としてきた。新たにポジションを設けるには設備改修の増加等が懸念されるため、ブロードバンド普及の観点からみればNTTの現状の引込みポイントでの一束化を再考して欲しい。
務省:関西エリアを視察した限りでは、突き出し金具を設置せずに、一束化を実施している状況があることは認識している。一方で、一束化は工事調整が難しいといった声もあるようだ。東京電力のお考えはいかがか。
京電力:当社は関東で2万数千の共架利用者がおり、800万ポイントを提供している。光の引込線でもJT-SBBやKDDIの線が電柱に架かるとなるとそれは、共架の範疇に入る。FTTHに限定して議論されているが、電柱所有者として利用者の同等性は必要と思っており、他事業者との公平性を念頭に置いて議論を進めるべきと考える。

新たな添架ポイントの提供と一束化への対応について
NT T:説明を聞いていてわからない点があるのだが、当社のポイントを使うと設備の改修がいらなくなるというのはどういう意味なのか。
JT -SBB:一般の添架ポイントを使用する場合は、地上との高さ及び電力装置との離隔確保が必要となる。離隔がない場合にトランスのかさ上げ工事や電柱の建替えが必要となる。NTTが使っているポイントであれば、もともと当該ポイントを使用することを前提に電柱が作られていることから、そのようなことは考えられないはずである。我々は実際に一般添架ポイントがない場合に、トランスを上げてもらってポイントを作ってもらったことがある。これでは、ユーザへの提供が遅れてしまう。
務省:東京電力管内でも、実際にそういうケースがあるということか。一般添架ポイントが4ポイントあるから大丈夫だということにならないと。
NT T:当社の電柱ではポイントがないからNGとしたケースはほとんどないと認識している。
JT -SBB:実際に改修がどれくらい必要になったか、データは今手元にないが次回提出させて頂けると思う。

務省:接続事業者としては、まずは一般添架ポイントでなく、6.1mメートルポイントを最初から使わせてくれないかということを言っている。この点についてNTT東西はどのように考えるか。
西電力:補足するが、関西エリアで言うと、6.1mメートルではなくて5.8mメートル、5.5mメートルの話になる。
NT T:シェアドアクセス方式の引込線を敷設する事業者だけに優先権を与えて良いのかという問題があると考える。CATV、有線など今まで一般添架ポイントを利用してきた事業者との公平性を考えれば、光の引込線を添架する事業者であっても、まずは一般添架ポイントの利用を検討し、空きがない場合には、現状の引込みポイントを使用するものと考えている。しかしながら、添架の順番として、他の一般添架ポイントの空きの有無にかかわらず、現状の引込みポイントを第1順位に利用することに関しては、各事業者が納得し公のルールとして行うのであれば、当社は最初から現状の引込みポイントを使うこととしても構わない。
務省:冒頭説明したとおり、CATV事業者等に対する添架については、今回の議論の範疇ではない。
KD DI:NTTがそこまで言うなら、電柱の在り方から考えないといけないのでは。
NT T:確認させて欲しい。現在、2点論点がある。1つ目が添架ポイントの添架順位の話、2つ目が光の引込線を添架する事業者の引込線専用にするという話。1つ目の問題については添架事業者や添架設備を特別扱いせず、公のルール化が図れることが前提であれば、この検討会の場で話し合えば良いと考えるが、2つ目の問題については、懸念がある。電力、CATV、有線と電柱の利用事業者がおり、ガイドラインに基づき公平に使用してもらっている。現状の引込みポイントを開放するとした場合、引込線だけに特化したポイントとする設備上の制約はないため、どの事業者も公平に利用できるようにすることが基本であり、光の引込線を添架する通信事業者の引込線だけの利用とするといった差別的取扱はできないものと考えている。仮に光の引込線を添架する通信事業者の引込線専用とするのであれば、この検討会の場の議論だけで結論を出して良いのか疑問。
JT -SBB:当社はガイドラインと接続ルールは全く別であるとの認識で本検討会に参加している。まず、接続ルールありき。ガイドラインを全く無視するわけではないが、我々はNTTの主端末回線を借りてPOI点から先の引込線部分を敷設するだけという認識。ガイドラインは基本的には主端末回線のような、幹線部分を引く際のためのものであって、引込線は別であるはず。
NT T:取りあえず引込線に限定して議論を進めるとして、今後何か決めていく段階で、もう一度ガイドラインにおける平等性について立ち戻って議論できるのか。
務省:シェアドアクセスの最後の部分をNTTに代わり他事業者が引くということなので、本検討会の結果がガイドラインへ影響を及ぼすことはないと認識しているが、いずれにせよ、ガイドラインは年に1回見直しをしており、フィードバックは可能。
NT T:了解した。ガイドラインは考えないとして、接続事業者が引込線を添架する際に現状の引込みポイントを第1順位とすることについて、関係者間で合意が取れ、公のルール化が図られるのであれば、それで良いと思っている。しかしながら、引込線専用とすることの公平性の問題に関しては、後でも構わないので、議論させて欲しい。

JT -SBB:NTTの主張は、後から入ってくるのは虫が良すぎるということで、CATV等の事業者に対して公平にすべきということなのだろう。しかしながら、我々の論点は違う。我々が求めているのはNTTと電力会社と我々との公平性。これまで他事業者が不自由さを感じていたのかも知れないが、それは話が違うということ。
NT T:現行の枠組みでも、例えばパワードコムなどは一般添架ポイントを利用して展開している。ちゃんと準備さえすれば現行の枠組みでも十分にやっていけるはず。
務省:幹線部分については既存の取り決めの中で確かにやっているところはある。この検討会は引込線に限定した話であり、幹線部分については別途議論すべき。ここまでの議論を電力会社はどう考えるか。
京電力:当社のモットーは公平な電柱共架ポイントの利用である。一般添架ポイントとしてある既存の4ポイントに加え、新たに6.1mメートルに1ポイント増えた場合、この増えたポイントが引込線専用ポイントなのかと聞かれれば、電柱所有者の立場からすれば、それは一般添架ポイントであると答えることになると考えている。
KD DI:東京電力の場合、6.1mメートルポイントに新たな突き出し金具を付ければ、新たなポイント新設となるが、5.5mメートル、5.8mメートルでのNTTとの一束化は、ポイント新設には当たらないのか。
京電力:検討する必要はあるが、一束化するならば、新たなポイントではないと考えることもできるように思われる。

務省:金具を取り付けるか否かで、取扱いが異なるということか。そもそも、NTTは現在東京電力エリアにおいて6.1mメートルポイントを使っているのか。
NT T:使っている。主としては、引込線を引っかけて加入者宅に落とすために利用しているが、引込線を這わせることもある。この点についてはNTT西日本も同様(関西電力エリアでは5.8mメートルポイント)。
務省:主たる利用が、引込線を落とすために引っかけるだけということであれば、実際に6.1mメートルポイントを使っている電柱は少ないという理解で良いのか。
NT T:実際の利用状況はともかくとして、当社資料の3ページの図のとおり、L字金具というものを設置している。これは、当社が開放しようとしているポイントから90度ずれた位置にある(開放ポイントは電柱の道路側にあるのに対し、L字金具は電柱の中央部にある)。引込線を這わせる場合もこの金具を利用している。ここから横に離隔をとる必要があるため突き出し金具を設置することとして他事業者に新たなポイントを提供するので当社の利用の有無によって他事業者が利用できる、利用できないといった問題は生じない。
JT -SBB:光ファイバは電気でなくて光を流しているわけだから、離隔はいらないのではないか。
NT T:ケーブルが近接する場合には、工事や保守の際に相互に支障となることも想定されるため、離隔は可能な限り確保されるべきと考える。反対にいえば無理に近づける必要はない。考えるべきことは、有限なリソースをいかに有効に使うかということ。
KD DI:JT-SBB資料の9ページの図でお話しするが、現状の引込みポイントにNTTのつり線はあるのか、ないのか。またメタル線はあるのか、ないのか。
NT T:基本的にはないはずである。
KD DI:同資料の6ページにある、「既存メタル設備の支持線を共用する」ことを我々に許してくれないのか。
務省:少し、議論を整理する。まず、NTTの現状の引込みポイントを引込線添架の第1順位にすることについてNTTは合意が取れるならそれでいいとのこと。また、既存のメタル設備の支持線との一束化については、それがどういう形態で行われているのか不明なので、それがどういう形態なのか情報が欲しいといったところ。
NT T:シェアドアクセスによる接続形態によりけりで色々考えられると思うのだが、接続事業者が分岐するなら接続事業者のクロージャが必要。一束化の話の前に接続形態を決めることが先ではないか。同資料の9ページの図であるが、5.5mメートル、5.8mメートルポイントへの他事業者のPOI-BOX設置は、もともと当該ポイントには当社のクロージャが設置されているため難しいと考える。よって、他事業者のPOI-BOXは他のポイントに添架することになるが、6.1mメートルに接続事業者がPOI-BOXを設置する際にはメッセンジャワイヤ等が必要となる。したがって、わざわざ5.5mメートル、5.8mメートルの当社設備を利用するのではなく、敷設した自前設備(メッセンジャワイヤ等)に引込線を取り付ければよいと考える。
KD DI:では、クロージャを設置する際はそのようにしましょうとして、シェアドアクセスと同じ形態ではやらせてくれないのか、なるべく小さいクロージャの設置も可能である。それでどうなのか。
NT T:その辺含めて最初に接続の形態を決める必要があるのではないか。

JT -SBB:突き出し金具を出すとポイントが1つ増えるということは理解した。そこで1つ確認したい。そのポイントの運用の権利はNTTではなく電柱所有者にあるということでよいか。
NT T:そのように考える。東京電力エリアでいえば6.4mメートルメートル、6.7mメートルポイントと同じ一般添架ポイントが1つ増えるということ。既存の一般添架ポイントと同じように使用して頂いて結構ですということ。NTTとしては新たなポイントで引込線をどんどん敷設してもらってかまわないが、懸念しているのは光の引込線を添架する事業者の引込線専用とすること。ケーブルを敷設したいという事業者がでてきた際に、その事業者はダメ、ケーブルはダメという明確な理由はなく、断ることは難しいのではないかと考えている。
務省:電力柱についてはいかがか。
京電力:NTTと同じである。
西電力:関西の現状を説明すると、第1、第2ポジション(6.4mメートル、6.1mメートル)は電力保安通信線、第3、第4ポジション(5.8mメートル、5.5mメートル)はNTTのケーブル用。ただし、第2、第3ポジションは他事業者と共同利用と基本的に整理し、一束化をしてもらっているし、既に開放している。第3ポジションがNTTの専用ポジションという認識はない。
NT T:それは、14mメートル柱の話であって、4ポジションしか取れない電柱の話ではないのか。もっと長い電柱であれば5〜6ポジションとれるではないか。
西電力:長い電柱も確かにあるが、そういう電柱には通常高圧線が2カ所に設置される。個別に見ればご指摘のケースもあるかも知れないが、基本は我々の説明したとおりである。

NT T:NTTの優位性ということで色々と書かれているが、JT-SBBとしても添架ポイントは他の事業者と離れていた方が良いと思っているのではないか。
JT -SBB:我々は一束化と単独添架とに優先順位を設けているところが問題だといっている。申し込んでNGが返ってきてからでないと一束化できないということでは時間がかかりすぎるため困る。机上でいけると思っても、現地に行ったら実際できないということも多い。したがって、一束化か単独添架かを自由に選択させて欲しい。
NT T:事業者も他事業者との一束化は大変であることを認めている。大変であることはNTTとの一束化であっても同じであり、当社との一束化であっても解決しなければならない課題は多い。課題の多い一束化よりも空きポイントがあればそこを使った単独添架がお互いの事業者にとってよいと考えている。
JT -SBB:御社の内部の事情はよく知らないので、教えて頂きたい。
務省:予定の時間となったので本日はここまでとする。今回の議論を踏まえて追加で提出いただける資料があったら次回に提出してもらいたい。次回は、2、3週間後に行う予定。また、別途日程は連絡する。
 
以上


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