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高齢者・障害者によるICT活用の推進に関する研究会
(ICTユニバーサル研) 第5回 議事要旨


【日時】    平成15年4月22日(火)1700分〜1850
【場所】   総務省6階第601会議室
【出席者】
    (研究会構成委員)
       高橋座長、内山委員、えとう委員、大坂委員、片岡委員(水島代理)、阪本委員、関根委員(榊原代理)、y谷委員、望月委員、山田委員、吉永委員、渡辺委員
 (オブザーバー)
    総務省 丸尾行政管理局行政情報システム企画課課長補佐
厚生労働省 井上老健局振興課課長補佐、石渡社会・援護局障害保健福祉部企画課障害福祉専門官

【議事内容】
(1)開会
(2)総務省飯島情報通信利用促進課長挨拶
(3)事務局より新オブザーバー紹介
(4)議事
  1 モニターアンケート結果の報告
    ※事務局より第三回モニターアンケートの集計結果を報告
  2 これまでの行政等の取組に対する評価について
   議事概要
  ・   情報通信機器、ウェブ等の標準化活動は進展しているが、いかに製品に活かされるか、また、実際にどの程度ガイドラインに従ったウェブができているかを定期的に評価し、結果を公表できる仕組みがあるとよいのではないか。
  ・ アクセシビリティの標準には定性的なものが多い。達成度合いに応じて、また先の達成目標を設定するというような、定常的な取組が重要ではないか。
  ・ 高齢者・障害者にICTが便利だからと利用を強要するのではなく、例えば電子メールを郵便配達できるサービスが視覚障害者には便利であるように、あまり意識をせずにICTの恩恵を受けられているという切り口もあるのではないか。
  3 とりまとめ骨子(案)について
   1) 高齢者・障害者によるICT活用の意義、検討する際の視点について
   議事概要
  ・   高齢者と障害者をひとくくりにせず、両者の違いを理解することが重要だ。ICTは障害者には役立つものだが、高齢者にはかえって不便になった場合もある。
  ・ 高齢者の市場は大きく、企業は顧客獲得のために自然と高齢者に便利なものを作る努力をする。障害者はビジネスターゲットになりにくいので、標準化が必要となる。
  ・ 高齢者は、皆がやっているから自分もやりたいという動機でICTを利用する例が多い。必要性のない人にまで無理に普及させるのではなく、使いたい人が使いづらいという現状を改善する取組が重要。
  ・ 障害者が研究開発段階で協力しても、製品化の段階でコストがかかりすぎるため、障害者向けの部分が切り離されてしまうことがあるが、そうならないようにしていただきたい。
  ・ 研究助成を受けて障害者向け製品の研究開発をしても、実際には法改正やパソコンのバージョンアップ等に対応しきれず、製品化に至らない場合がある。
  ・ 障害者向け市場は小さいが、障害者向けに研究開発した先端技術のノウハウを、高齢者の大きな市場で回収するという考え方やビジネスモデルもあるのではないか。
  ・ できるだけ多くの人に使いやすいような「ユニバーサルデザインアプローチ」で対応できる部分と、個別の対応が必要な部分がある。また、人権保障に関わるICT利用と、生活が便利になるレベルでのICT利用という整理もできる。
  ・ 基本的人権に関わる部分であれば、市場性がなくても対応する必要がある。個別対応が必要なものについては、政府が助成して研究開発すべきである。
   2) 内山委員より、自身のサポート連携について説明
  ・   サポートを提供する側は、目的が達成されたのか最後まで見届けることが大事。
   3) 機器、サービス、コンテンツ等のアクセシビリティ確保について
   議事概要
  ・   誰もがストレスなく、意識せずにICTの利便性を享受できるようなユビキタス研究開発の一分野として、アクセシビリティにも取組むよう、働きかけていただきたい。
  ・ Javaアプレットなどで作られた個人認証プログラムには、アクセシビリティに配慮されていないものがある。個人認証手続きのように、代換手段を提供する事が困難なプログラム部分のアクセシビリティ確保も必要。
   4) 高齢者・障害者へのICT活用支援について
   議事概要
  ・   アクセシビリティを確保したサービスの提供者は、その情報を積極的にPRすべき。
  ・ 障害の全体を見渡せる福祉工学の人材やICTを理解しているリハビリテーション専門職等の中間支援者の育成、支援技術に関する検定試験やeラーニング、情報提供ウェブサイト等への支援が必要である。
  ・ 高齢者・障害者自身がサポートを行う側となることも重要。高齢者にとっては、同世代に繰り返し教わることや、楽しいことも重要。
  ・ ボランティアへの金銭的な支援だけでなく、教育も重要。
(5)その他
   次回研究会は5月27日(火)16時開催に決定。
(6)閉会
以上


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