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IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会第23回会合議事概要

日時

平成25年4月24日(水) 10:00〜11:40

場所

中央合同庁舎第2号館(総務省) 10階 総務省第1会議室

出席者(敬称略)

(1)座長
齊藤忠夫(東京大学)
(2)構成員
会津泉(多摩大学)、伊藤公祐(一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)、今井恵一(一般社団法人テレコムサービス協会)、江ア浩(東京大学)、奥山八州夫(一般社団法人電気通信事業者協会)、清水博(一般財団法人電気通信端末機器審査協会)、立石聡明(一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会)、中村修(慶應義塾大学)、松村敏弘(東京大学)、松本修一(一般社団法人日本ケーブルラボ)、渡辺久晃(一般財団法人日本データ通信協会)
(3)総務省
吉良総合通信基盤局長、安藤電気通信事業部長、安藤総合通信基盤局総務課長、吉田事業政策課長、齋藤データ通信課長、中西データ通信課企画官、佐藤データ通信課課長補佐、内藤料金サービス課課長補佐、根本電気通信技術システム課課長補佐

議題

  1. 研究会の今後の進め方
  2. 民間事業者からのプレゼンテーション
  3. その他

議事要旨

(1) 研究会の今後の進め方
・資料23-1について、事務局より説明。

○特に意見無し。

(2)民間事業者からのプレゼンテーション
・資料23-2〜23-4について、KDDI株式会社、BBIX株式会社、日本ネットワークイネイブラー株式会社(以下、JPNE)より説明。

○資料23-3のBBIX株式会社の説明資料の中で、NTT東西が提供するHGWの仕様が変更された際には事前の情報提供が必須であるという話があった。これに関して、HGWにIPv6アダプタ機能やv6プラス機能が追加されたり、今後も多様な機能追加が考えられるが、仕様を公開すれば良いということか。

○利用者の立場からすれば、箱が複数あるより一体化した方が利便性も高くなると思われるが、一体型ルータへの機能実装によりサービスが制限されてしまっては困る。そのため、短期的な解としてHGWの仕様公開と、長期的な解としてアンバンドルを要望したい。

○JPNEとしては、v6プラス(IPoE方式におけるIPv4 over IPv6機能)の提供にあたり、宅内機器の追加が無く、いち早くお客様へサービスを提供できることを念頭に置いて検討した結果、HGWへの機能追加という形態を選択した。勿論、法人向けサービスを提供しているISPにおいては、HGWの透明性担保が必要となるケースもあると思うので、透明性を否定している訳では無い。

○一体化HGWは、一見すると便利であるが、インターネットはレイヤを分け、様々な機能を切り離したことで多様性を確保し発展してきた。一体化の件は逆戻りになるのではないかという懸念を感じた。一体型ルータの仕様開示で透明性は確保できるが、セキュリティの懸念や、リリース前に仕様開示ができるかといった問題があり、難しい議論である。

○HGWの仕様に関しては、よりフレキシブルにした方が競争力の促進に繋がると思われるが、まだ様々な議論が必要と思われる。

○資料23-2のKDDI株式会社の説明資料の中で、今年度上期中に全国エリアのホーム、マンションのIPv6対応が完了する計画となっているが、これは今年度上期末を目途にauひかりのIPv4/IPv6デュアルスタック化が完了するということか。

○然り。

○資料23-4のJPNEの説明資料の中で、申込手続の簡素化の例として「みなし同意」という説明があった。これに関して、既にKDDIやソフトバンクがIPv6インターネット接続サービスのデフォルト提供を開始しており、問題なく運用できていることから、みなし同意を取り入れても問題がないという段階まで来ていると理解してよいか。

○VNEとしては、利用者と直接関わりがないため、利用者の声を拾うことはできないが、ISPから聞いている話では、IPv6デフォルト提供に伴うトラブル等に関する話は聞こえてこない。また、NTT東日本において、新規契約者に対しフレッツv6オプションをデフォルトで提供しているが、これに関してもトラブル等があったという話は聞こえてこないので、IPv6インターネット接続サービスは問題なく利用できるものと認識している。

○この場合のデフォルトというのは、利用者が何も知らないうちにIPv4ではなく、IPv6で通信するようになるということか。

○IPv4だけでなく、IPv6による通信も利用できる状態にするということ。

○IPv6においても、IPv4と変わりなく通信ができることは素晴らしいことであるが、現時点では、コンテンツプロバイダ等のIPv6対応があまり進んでいないという認識でよいか。

○然り。昨年まではNGN環境においてIPv4を使っていた利用者について、コンテンツをIPv6対応させると遅延問題が発生する(フォールバック問題)等の課題があり、一昨年のWorld IPv6 Dayや昨年のWorld IPv6 Launchを通じて、関係事業者各社が当該課題への対応策やIPv6を利用可能にするためのノウハウを蓄積し、これまで運用してきたところ。一方で、先ほどの「みなし同意」に関する質問の趣旨は、先行してIPv4/IPv6のデュアルスタック環境を運用している事業者において、サービスが使いにくくなる等の問合せが利用者から寄せられるような懸念もなく、既存利用者へ「みなし同意」でIPv4/IPv6のデュアルスタック環境を提供してもよい状況に来ているのか、という点である。

○今回の「v6プラス」は、IPv4の通信を利用している利用者に対して、いつの間にかIPv6通信も利用可能とするもので、IPv4/IPv6のデュアルスタック環境に移行しても問題がないという前提で考えている。

○これまでIPv4/IPv6のデュアルスタック環境を提供してきて、利用者からのクレーム等は届いていない。また、IPv6利用者数の増加に伴い、品質の劣化等が起きていないかも確認しており、仮に問題が発生したら随時対処していく方針で取り組んでいる。

○IPv4とIPv6の通信を同時に利用して、全く問題なくインターネット接続サービスを利用できているという状況が確認されれば、他の事業者においても同様の方向で進めることができると思う。先ほどの「みなし同意」についても、これまでの経験を事業者間で共有し、今回の議論で合意されれば、大きな進展となる。

○NTT東西が提供する「フレッツ・v6オプション」をデフォルトで提供することは、IPv6の普及に大きく進展すると思う。一方、「フレッツ・v6オプション」は、NGNプラットフォームにおける1つの機能であり、これをオンにすることで、NTT東西とISPの双方に影響を与えかねないため、その点を含めた議論が必要なのではないか。

○「みなし同意」によって、加入者情報の取り扱いの考え方が変わる可能性がある。関係事業者の業務条件に変更や支障が生じるようなことがあれば、その点については慎重に議論をする必要がある。

○ISPの中には、IPv6を申込制、或いは有料としている者もいる。これは、設備の改修に伴う投資や、IPv4とIPv6を分けて運用することに伴うコスト負担等によるものであり、ISP各社においてこれらの課題が解決されることが必要。次回参加される関係者とも議論をした方がよいと思う。

○法人契約者においては、一般個人の利用とは異なる利用形態もあることから、HGWに様々な機能が搭載されることによる弊害はないのか。

○中・小規模の法人契約者においては、個人とほぼ同じような利用形態であるが、規模の大きい法人契約者においては、HGWを付けないケースが多いことから、今回の「v6プラス」のような機能は提供できない。ここには個人利用とは異なるニーズが存在しているものと考える。

○フランチャイズ店舗を展開する大企業等において各店舗の端末を集中監視する場合に、NGNを利用するとデフォルトで各店舗との通信は確立されず、各店舗の端末において設定変更が必要となる。また、HEMSネットワークを構築する際に、家庭内に電力系ネットワークとユーザが利用するネットワークとセグメントを分けたい場合に、NGNにおいてはひかり電話を契約しないとセグメントを分けることができないという課題がある。これらの点について、自由なネットワーク環境とは言えないと考える。

○大変貴重な話だと思う。IPv6通信を利用していく上で、色々な利用者の視点から様々な問題がある。しかし、一般個人の利用であれば、かなり経験が積まれてきたとも言える。この点、本日議論いただいた内容の他にも、関係者から様々な情報を提供してもらい、最後の取りまとめの中に記載することは、IPv6の普及に向けてとても大事なことだと思う。是非ご協力いただきたい。

○ひかり電話とのバンドルでかなり機能的な制限がでていることは、この場で議論するのが適当かどうか悩ましいが、大きなポリシーレベルでの話であり、非常に重要なポイントである。

○インターネットにおけるバンドル、アンバンドルという用語について、法律には定められていないという理解でよいか。

○法律用語としては「アンバンドル」は用いられていないが、接続の文脈では、NGNを含むNTT東西の第一種指定電気設備の機能について、事業者間接続の対象とすることをアンバンドルと言っている。ただ、先ほどのプレゼンで説明のあった、HGWやONUといった機器のアンバンドルについては、事業者間接続における意味合いとは異なり、一体として提供されているものを個別に提供できるようにするという、一般名詞としての理解でよいと思う。

・資料23-5、23-6について、一般社団法人日本ケーブルラボ、株式会社ジュピターテレコムより説明。

○資料23-6の株式会社ジュピターテレコムの説明資料の中で、160M対応サービスはDOCCIS3.0に対応された設備で運用しているので、追加費用なくIPv6を提供できるという理解でよいか。

○然り。新規加入者、既存利用者含め、追加費用なくIPv6を提供できる体制としたい。

○何故、160M対応サービスの新規加入者に対して、申込ベースでIPv6を提供することとしているのか。新規加入者についてはIPv6をデフォルトで提供している事業者もあることから、御社も同様にデフォルトで提供していき、運用ノウハウを蓄積してはどうか。

○現時点では、初めは申込ベースとして、ある程度経験を積んだ上でデフォルト化していく考え。引き続き、検討事項としたい。

○これまで研究会でも申込手続の簡素化について議論してきたとおり、最初に申込手続を必要としてしまうと、そこに1つの障壁が生じてしまう。追加費用なくIPv6サービスを提供できるのであれば、既にデフォルトで提供している事業者からノウハウを吸収し、新規加入者に対してIPv6をデフォルトで提供すべきと考える。

(3) その他

○次回会合は、5月23日(木)15時からの開催を予定。詳細は別途連絡する。

以上

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