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IPv6によるインターネット高度利用化に関する研究会
IPv4アドレス在庫枯渇対応に関する広報戦略ワーキンググループ(第3回会合)議事概要

日時

平成21年10月7日(水) 13:00〜15:00

場所

総務省 8階 第1特別会議室

出席者(敬称略)

(1) 主査
江ア 浩(東京大学)
(2) 副主査
中村 修(慶應義塾大学)
(3) 構成員
阿賀谷匡章(代理:吉田氏)(株式会社ジュピターテレコム)、内山昌洋(パナソニックコミュニケーションズ株式会社)、榎本洋一(ソフトバンクテレコム株式会社)、小畑至弘(イー・アクセス株式会社)、笠原秀一(株式会社ウィルコム)、菊池正郎(ソネットエンタテインメント株式会社)、岸川徳幸(NECビッグローブ株式会社)、木下剛(シスコシステムズ合同会社)、木村孝(ニフティ株式会社)、瀧塚博志(ソニー株式会社)、橘俊郎(株式会社ケイ・オプティコム)、立石聡明(社団法人日本インターネットプロバイダー協会)、田中寛(KDDI株式会社)、鶴巻悟(ソフトバンクBB株式会社)、永見健一(株式会社インテック・ネットコア)、濱口和子(株式会社日立製作所)、馬場達也(株式会社NTTデータ)、前村昌紀(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)、松村敏弘(東京大学)、三膳孝通(株式会社インターネットイニシアティブ)、山下良蔵(日本ケーブルラボ)
(4) 総務省
福岡電気通信事業部長、山田総合通信基盤局総務課長、長塩データ通信課長、中沢データ通信課企画官、武馬データ通信課課長補佐

議題

  1. 構成員からのプレゼンテーション
    (1) So-netのIPv4枯渇に関する認識と対応スタンス(菊池構成員)
    (2) KDDIのIPv6対応の取り組みと課題(田中構成員)
    (3) 当社のIPv6対応に向けた取組みと課題(橘構成員)
    (4) IIJにおけるIPv6への取り組み(三膳構成員)
    (5) ソニーのネットワーク戦略とIPv6に関する広報についての考え方について(瀧塚構成員)
    (6) IPv4アドレス枯渇の課題と広報対策について(永見構成員)
    (7) グローバルでのIPv6への取り組み、広報活動について(木下構成員)
  2. 自由討議
  3. その他

議事要旨

【構成員からのプレゼンテーションについて】
(1) 菊池構成員より「So-netのIPv4枯渇に関する認識と対応スタンス」(資料WG広3−1)について説明。

 ○IPv6対応後のカスタマーサポートが大変になることについて、情報共有しておきたいと思う。

(2) 田中構成員より「KDDIのIPv6対応の取り組みと課題」(資料WG広3−2)について説明。

 ○IP電話をどのようにIPv6に対応させるかは重要な問題だと思っている。IP電話では、アクセス回線、IPアドレス提供、電話サービス提供の3つについて、それぞれ対応を検討しないといけないとが、それは非常に難しいだろう。何らかの方向性が見えてこないと、つながらないのではないかと思っている。どのようにIPv6対応させるかについて、KDDIでは検討されているか。
 ○IP電話で問題があるということは認識していなかった。今後、情報共有できればと思う。
 ○今はIPv4グローバルアドレスでサービスができているが、今後プライベートアドレスを利用することになった場合に、問題が出てくるだろう。ISP、電話会社、ユーザーについて対応が必要だが、個別に検討するのは難しいので、議論できるような機会を作ることが必要ではないか。

(3) 橘構成員より「当社のIPv6対応に向けた取組みと課題」(資料WG広3−3)について説明。

 ○主要なIXはIPv6対応が終わっていると思っている。ここで言っているIXについて、具体的に教えて欲しい。
 ○今後、NTTのNGNにおいて、NGNに直接接続する事業者が3社出てくるが、NGN内でトラヒックが交換されることを考えると、3社はIX的な立場になる。NGNを利用しないCATV会社や電力系の地域事業者は、それらの事業者のネットワークとピアリングする必要があり、余分な負担が生じる懸念がある。
 ○現在IPv4でトランジットがあるので、そこをIPv6対応にすれば良いのではないか。
 ○この場合、IPv4とIPv6でトラヒックの流れが異なると思われるので、ネットワーク構成を考えると良くないと思う。小さな事業者が新たなネットワークを構築することになれば、負担が大きくなるので、理解を得るための広報が必要ではないか。

(4) 三膳構成員より「IIJにおけるIPv6への取り組み」(資料WG広3−4)について説明。

 ○カスタマーサポートについて、IIJではどう考えているか。
 ○今は、IPv6についての知識がある人が使っているので問題ないが、今後はどうなるか分からない。個人がインターネットを使えなくなるという状況にしてはいけないと思っている。そのため、やはりカスタマーサポートは大変になるだろう。企業ユーザーに対しては、社内がIPv4のうちは大丈夫だと思っている。また、クラウドについては、ネットワーク側で対応できる部分があるのではないかと思っている。

(5) 瀧塚構成員より「ソニーのネットワーク戦略とIPv6に関する広報についての考え方について」(資料WG広3−5)について説明。

 ○ソニーのウェブサイトがIPv6対応したことは大きなトピックだと思う。
 ○URLをipv6.sonyとしているが、エンドユーザーが知らないうちにIPv6を使っているということであれば、明示しない方が良いのではないか。PCの設定は、IPv4、IPv6を意識しなくてよいので、ドメインを分けるのは、良い戦略ではないのではないか。
 ○システム設計上、様々な方法があるため、現状はトライアルの部分も大きいと思う。
 ○IPv6移行は、エンドユーザーに意識させない方が良いと思っている。サーバー側でデュアルスタックの運用をした方が良いのでないか。その辺りについて、議論した方が良いと思う。

(6) 永見構成員より「IPv4アドレス枯渇の課題と広報対策について」(資料WG広3−6)について説明。

 ○利用状況の統計については、OECDでの議論もあるが、それとの違いは何か。
 ○OECDの項目を把握できていないので、今後精査が必要だと思う。

(7) 木下構成員より「グローバルでのIPv6への取り組み、広報活動について」(資料WG広3−7)について説明。

 ○エンドユーザー市場のデータはあるのか。
 ○IPv6利用状況を調査している状況である。具体的には、100万のウェブサイトのリーチャビリティなどを調査している。

【自由討議】
○IP電話の問題、CSPでのロギングの問題、URLの問題、中小・地方ISPにおけるIXの問題、技術者教育の問題、IPv6に関する調査の問題が、今回あげられた。
○インターネットが今後どうなっていくのか、スケジュールも含めて全体は見えていない。ISPがLSNを入れざるを得ないことは見えてきたが、そうなるとIPv6オンリーに向けては2段階の対応になってしまう。どれくらいの規模でどういうスケジュールで2段階の対応をするのかをはっきりさせないと、IPv6対応の影響がいつ出てくるのかは分からないだろう。そのため、規模感やスケジュールを共有する必要があるのではないか。
○様々なプレイヤーがいて、それぞれ相手がいることなので、非常に難しい問題だ。
○RIPEが2010年にトラヒックの25%をIPv6にすると言っている。それは、環境問題においてCo2を25%削減させるという目標よりもイメージしやすいと思う。そのため、IPv6対応については、動きが取りやすいのではないか。つまり、RIPEの声明のように、いつまでにIPv6対応するというのを業界毎に宣言するのが良いのではないか。個々に移行モデルを発表するのは難しいので、業界毎が良いだろう。また、IPv6移行の必要性を示すようなデータが積みあがっていて、ISPが声明を出せば、IPv6対応は急速に進むのではないか。
○2011年には80%以上のISPがIPv6対応するというメッセージが出せるのではないかと思う。
○ユーザー負担が発生する部分もあると思うので、メッセージを出すことには注意が必要だろう。
○ユーザーに負担を強いるというのは、このWGではあまり出てきていない。ISPの多くは、ユーザーが混乱しないように対応すると言っていると感じている。
○NGNのマルチプレフィックス問題の解決にあたっては、ユーザー料金が上がる可能性があることに注意が必要だ。
○今はユーザーの負担について、業界でのコンセンサスはないので、各論ではなく、大きな方向性とスケジュール感を業界として出すのが良いのではないか。
○料金の問題よりも、IPv6の方がIPv4より通信速度が遅いとか、特定のサービスが使えないとかの方が問題が大きく、議論が必要なのではないか。
○このWGでは、ISPのほとんどが2011年までにIPv6対応をすると言っているので、そこを出していくのが良いと思う。どういうメッセージを出すかということは重要なことなので、各自で整理して欲しい。

【その他】
○ 次回の開催日時(10月21日15時〜)について連絡。

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