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IPv6を用いた環境分野のクラウドサービスワーキンググループ(第4回会合)議事概要

日時

平成22年6月15日(火) 10:00〜11:30

場所

総務省8階 第一特別会議室

出席者(敬称略)

(1) 主査
江ア 浩(東京大学)
(2) 副主査
中村 修(慶應義塾大学)
(3) 構成員
今井恵一(社団法人テレコムサービス協会)、今田正実(特定非営利活動法人ASP・SaaSインダストリ・コンソーシアム)、内山昌洋(パナソニック システムネットワークス株式会社)、緒方 司郎(オムロン株式会社)、喜多裕彦(代理:三瓶氏)(社団法人電気通信事業者協会)、北村倫夫(株式会社野村総合研究所)、木下剛(シスコシステムズ合同会社)、坂口肇(UQコミュニケーションズ株式会社)、紫関昭光(日本アイ・ビー・エム株式会社)、高瀬晶彦(株式会社日立製作所)、立石聡明(代理:木村氏)(社団法人日本インターネットプロバイダー協会)、田中寛(KDDI株式会社)、出口幹雄(富士通株式会社)、馬場覚志(NTTコミュニケーションズ株式会社)、松本佳宏(株式会社ケイ・オプティコム)、宮坂肇(株式会社NTTデータ)、三膳孝通(代理:江幡 太)(株式会社インターネットイニシアティブ)
(4) 総務省
福岡電気通信事業部長、長塩データ通信課長、中沢データ通信課企画官、
武馬データ通信課課長補佐

議題

  1. 構成員からのプレゼンテーション
    (1) 環境クラウド 〜環境負荷推定とスマート化効果可視化〜(高瀬構成員:日立製作所)
  2. IPv6を用いた環境分野のクラウドサービスワーキンググループ中間取りまとめ(論点整理)(案)について
  3. 自由討議
  4. その他

議事要旨

【構成員からのプレゼンテーション】
高瀬構成員より「環境クラウド 〜環境負荷推定とスマート化効果可視化〜」(資料WG環4−1)について説明。

○ 現在では、環境負荷を評価するシステムパラメータは、データセンターやスマートグリッド等セグメント毎にいくつかの標準化団体において検討が進められているが、トータルシステムとしての評価にはほど遠い状況。
○ システムとシステムに対するセキュリティ要件はトレードオフの関係にあるため、環境負荷の評価手法を検討する際は、この2つをセットで検討する必要がある。
○ システムパラメータの一つである「ネットワーク状態」は、インフラの種類によって距離や経路の概念が変わるがどう考慮しているのか。
○ 環境負荷を評価しネットワークの運用の見直しに役立ててもらい、環境負荷低減効果(差分)を生み出してもらうことが目的であり、インフラの種類の違いによって環境負荷を比較できるようにすることを目的としていない。そのため、そのような議論にはならない。
○ PUEは、全体に対する割合で効率を求める指標であり、データセンターのエネルギー効率を高めていこうという意志が働くため頻繁に使用される。そのため、サブシステム毎の環境負荷の絶対値を足し算して絶対値で結果を出すより、割合で求める方がよい。
○ そのとおりなので、サブシステムを足し合わせて、その後に、改善度が分かる数値に変換することにする。
○ これは難しい課題であるため、早急にガイドラインに含めるのではなく、引き続き議論する必要のあるもの。

【IPv6を用いた環境分野のクラウドサービスワーキンググループ中間取りまとめ(論点整理)(案)について】
事務局より「IPv6を用いた環境分野のクラウドサービスワーキンググループ中間取りまとめ(論点整理)(案)」(資料WG環4−2)、「IPv6環境クラウドサービスの構築・運用ガイドライン骨子(案)」(資料WG環4−3)について説明。

○ (資料WG環4−2の2ページ)IPv6環境クラウドサービスにインターネットを使う理由として、多種多様なモノを繋げるにはインターネット技術しかない等、効率性以外の理由を加えた方が良いだろう。

○ インターネットの利活用が環境対策に有効である事例を、システムの拡張性やセキュリティ面の利点を含めて、ご紹介することは可能。
○ (資料WG環4−2の6ページ)いきなりセンサーネットワークの話に切り替わっているので、センサーネットワークにおける問題を解決すれば環境クラウドサービスが解決するという説明を入れた方がよい。

○ 資料WG環4−2全体について、中間取りまとめにクラウドの創設に関する技術課題や、クラウド自体がIPv6化できるかという問題を加えた方が良い。

○ (資料WG環4−2の9、10ページ)環境負荷低減効果の「見える化」については、IPv6環境クラウドサービス自身のエネルギー利用量とそれによる効果という両者の視点で整理し、記述すべきではないか。
また、3つのクラウド構築モデルにおける環境負荷低減効果の「見える化」については、例えばセンサーを高密度に設置しコントロールしたことによるCO2削減効果の計測や、大量のデータをリアルタイムに近い形で計測することなどが重要となる。

○ 最初に論点整理するときに、どういう背景や要求があってIPv6環境クラウドが必要かということをまとめるべき。また、資料WG環4−2の8ページでは、どのようなサービスが出てくるかがイメージできていない段階で、民間に投げる表現になっている。もう少しサービスイメージが出来上がってから民間の検討に投げるべきと思う。

○ なぜIPv6環境クラウドかというところについては、幅広にはアメリカのスマートグリッドの議論が参照先としては分かりやすいだろう。様々なモノが総合的に機能するに当たって、インターネット技術の重要性や優位性が記述されるといいと思う。また、資料WG環4−2の8ページ目のいきなり民間に投げていいのかという点については、ステークホルダー自体が完全には発足されていないというのが現状なので、もう少し柔らかな表現にした方がよいだろう。

○ (資料WG環4−2の8ページ)ビジネスモデルや今後のステークホルダーが決まっていく中で、事業者間で取り決めをかわしていく性質の課題と、プライバシーに関するセンサー情報の取扱いなど、国、関係団体、研究会等である程度の指針なりを示しておかないと利用者が安心して利活用できない課題がある。後者は利用者にとってセンシティブになる情報も含まれると考えられるため、当研究会の中で方針を決めればよいと思う。

○ プライバシーや情報の取扱いについては、国としての指針ができていないと、情報を扱う企業はどこにそのデータを置いていいという判断ができないだろう。国としての指針を作ることが当WGのコンセンサスではあるが、中間取りまとめにどこまで書き込むかは政策も絡む話なので事務局としてこういう表現にしたというところ。今後、どのように扱うか議論していく必要がある。

○ 資料WG環4−2については、ゲートウェイからネットワーク、データセンターなどのアプリケーションを乗せるまでのクラウド基盤をつくることを重要視しており、6ページ以降のセンサーネットワークの部分はそのフォーカスからは少し外れていると理解した。また、10ページのエネルギー効率については、プラスの要因はアプリケーションに依存するが、マイナスの要因は固定的な部分なのでそこをまず明確にしていくという観点でこれをまとめられたのではないかと理解した。

○ 資料WG環4−2については、環境クラウドの基盤となる部分とそれ以外のセンサーネットワークやビジネス的な課題に関する部分を記述するという構成にしている。環境負荷低減効果の測定については、プラスの要因は何かしらの方法で測定可能だが、マイナスの要因は今計測できない。軽減効果についてもプラスの要因は何らかの方法で決めることができる、今できないことは何だろうかということでマイナスの要因のことだけを書いてしまっている。こうした考えを踏まえた構成になっているという説明を追加する。

○ 今の説明のとおり整理した方がいい。バックエンドのクラウドの部分、データベースの部分、アプリケーションの部分、収集系の部分においてのそれぞれのプライバシー、責任分解等をきちんとやらないといけない。エネルギー効率の話もそれぞれのレイヤーで独立した議論をすべき。

○ (資料WG環4−2の8ページ)知的財産などはセンサーに限らず制御情報などの供給する側にも発生するし責任区分も発生すると思う。

○ (資料WG環4−2の7ページ)技術的な問題がセンサーネットワーク側に依存しているものだけが列挙されてしまっている。そのため、センサー側ではなく、データを収集する側の問題点として、技術的課題が同列に書かれることがいいと思う。

○ (資料WG環4−2の7ページ)収集系と制御系、バックエンドのクラウドの部分、それを使うアプリケーションの部分というふうに分ければすっきりする。特にクラウドの部分は、異種間クラウドの連携が難しいという問題点はあるものの、このWGで直接クラウドの本体の部分を詳しく議論しているわけではないので、当WGで議論できる範囲で把握しているものを整理してまとめるのが順当。問題となる部分を分けて、今回はこの部分を掘り下げたというのが理にかなった報告の仕方であろう。

○ 制度面、利活用面、ビジネス面の課題の扱いについて、原案ではまずは民間に検討してもらうとしているが、主査がまとめたように、当WG、民間、中間的な場でそれぞれ議論、検討していけるよう課題を整理しておく必要がある。ビジネスとしてどういう形で立ち上がっていくか分からないようなものを国の場で議論していくのもかえって普及の妨げになるのではないかという議論もあったので、ひとつの選択肢としてこの場で意見をいただいた方々にも関与してもらうことや、民間主導の場を設けるということがうまく工夫できないか等を主査と相談させていただき、検討していきたい。さらには親会への報告の中で、親会の意見を聞いてみたいと考えている。

○ 技術面の課題については、他のレイヤーの部分も課題としてはきちんと出す。当WGとしては詳細検討には至ってないが基本的な問題は存在しているということを記述する。資料WG環4−2の8ページの記述は事務局と主査で相談する。



【その他】
主査より、今日の議論を含めた形で、中間とりまとめについては主査、副主査及び事務局に一任とさせていただく。
事務局より、7月1日の親会で中間取りまとめの報告を江崎主査よりしていただく。次回WGについては別途連絡。


以上

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