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IPv6によるインターネット利用高度化に関する研究会第12回会合議事概要

日時

平成23年6月15日(木) 15:30〜17:30

場所

総務省第1会議室

出席者(敬称略)

(1) 座長
齊藤忠夫(東京大学)
(2) 構成員
荒野高志(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)、依田高典(京都大学)、今井恵一(社団法人テレコムサービス協会)、江ア浩(東京大学)、近藤 寛人(社団法人電気通信事業者協会)、清水博(財団法人電気通信端末機器審査協会)、高橋徹(財団法人インターネット協会)、中村修(慶應義塾大学)、松本修一(一般社団法人日本ケーブルラボ)、村松茂(財団法人日本データ通信協会)
(3) 総務省
桜井総合通信基盤局長、原口電気通信事業部長、前川総合通信基盤局総務課長、泉データ通信課長、中沢データ通信課企画官、田邉データ通信課課長補佐

議題

(1) IPv6インターネット接続サービスの提供状況等について(オブザーバーからのプレゼンテーション)
(2) その他

議事要旨

・資料12-1〜12-5について、東日本電信電話(株)、 NTTコミュニケーションズ(株)、日本ネットワークイネイブラー(株)、BBIX(株)/ソフトバンクBB(株)、NECビッグローブ(株)から説明。

○ 各社ともIPv6インターネット接続サービスでは、追加料金がないようだが、資料12-4にあるネイティブ方式のコストの増というのはどういうことか。
○ 誇張して書いている部分も多い。
○ トンネル方式のコスト増がないことはない。どちらの方式もコストはかかる。

○ デュアルスタックのユーザー数の伸びに関して、NTTコミュニケーションズはどう考えているか。
○ アダプタをいかにユーザーに配っていくかというのがポイント。ユーザーが、IPv6のサービスではなく、Wi-Fiアダプタを買うというようなプロモーションにより、アダプタを普及させていきたい。どれだけ増やすかの目標値は言えないが、アダプタをサービスパッケージ化し、メイン商財として提供していきたいと考えている。

○ ユーザーは、自分がネイティブ方式かトンネルか分からないが、このアダプタは、すべてのプロバイダーで利用可能か。
○ アダプタ、IPv6ルーターは、PPPoE、IPv4終端機能も搭載する予定。規格上はNTT東西のガイドラインに沿った形になっており、まだ確認が必要な点もあるが、他でも使うことが可能だと思う。
○ また、IPv6のステートフルファイアウォール機能が具備されており、アダプタ配下のネットワーク部分に関しては、不要な通信を遮断できる。NTTコミュニケーションズがネイティブ方式を選ばなかった理由の1つは、ネイティブ方式はアダプタがなくIPv6通信を素通ししてしまうため。IPv4のホームルーターではステートフルファイアウォールが入っており、IPv6でも同等のセキュリティー環境を提供するため、何らかの追加端末が必要だと判断した。
○ アダプタの保証は誰がするのか。
○ NTTコミュニケーションズがアダプタの保証をしないと言っているだけであって、ベンダーの保証はついており、機械が壊れたらベンダーが取りかえる。
○ レンタルでの提供は考えているか。
○ 考えている。

○ IPv6のエンドユーザーが増えてくると、はじめてコンテンツプロバイダーの意識も変わってくるだろう。顧客が一気に増えないと、例えば数万ぐらい増えても、あまりインパクトがない。どの程度IPv6ユーザーが増えたかを、どこかで集めるべきだと思う。
○ NAT444に使う機械や、DS-liteに使う機械は、極めてコストが高く、それをユーザーに転嫁しようとすると、ビジネスモデル的に厳しいということ。NTTコミュニケーションズにはIPv6対応する十分なインセンティブがあると考えてもいいと思う。それがIPv6ユーザーの増加につながるのではないか。
○ ソフトバンクとしては、条件が揃えば全ての通信をIPv6プラットフォームに乗せたいと思っている。
○ IPv6関連資料として、DNSで何割ぐらいがAAAAクエリーを出しているかというデータがあり、客観的なデータとして使えると思う。

○ トンネル方式もネイティブ方式もNTTのフレッツ光ネクストを利用することが前提になっている。アクセス網とISPを分離する政策があるなかで、ソフトバンクでも色々なビジネス上の見直しもあった上で、この方式を利用して鋭意頑張っていくということでよいのか。他に困る事業者は出てこないのか。
○ BBIXとして今取れる選択肢としては、ネイティブ方式がビジネス的にはいいと考えている。基本的にはアンバンドルを進めていく必要があると思う。
○ 資料12-5を見ると、ユーザーがIPv6サービスを利用する際にはビッグローブの認証ID、パスワードの入力に加えて、フレッツ光のID、アクセスキー入力する必要があるようだ。今のままでは煩雑でスムーズIPv6を利用できないと思うので、フレッツ光ネクストを利用する際には、自動的に全てIPv6に切り替わると良いと思う。
○ フレッツ光ネクストに移る際に、工事費が28,455円かかるのはなぜか。始めにフレッツ光ネクスト以外のサービスを始めた際にも工事費がかかっているので、2回とることになるのではないか。
○ 資料12-1の8ページにおいて、例えば、NTT西日本のフレッツ光プレミアムやBフレッツのネットワークとフレッツ光ネクストのNGNネットワークは別のネットワークである。そのため、NGNへの切り替えには、局外工事や端末交換も起こり得るので、所定の工事費を設定している。ユーザーの負担感なしにネットワークを統合化すべく、数年がかりでNGNへの移行を行っていく。工事費不要で移行させる仕組みも考えたい。移行後には、Bフレッツの契約でもIPv6インターネットが利用できるように考えている。
○ 資料12-1の5ページで、ISPの網終端装置は、NGN側にIPv6用のものがある。既存の光網側の網終端装置は、IPv4のトンネルしかサポートしていないので、既存の網の網終端装置にIPv6接続機能を持たせれば良いが、装置が老朽化しているので、ネットワークを移行したときに、IPv4とIPv6が共用できるような設備を新設していきたい。IPv6インターネット接続の対応は、ネットワーク統合後、順次実施していきたい。今後ISPのメニュー提供とあわせて、ネットワーク移行の段階で網終端装置の機能のあり方みたいなことも考えていきたい。
○ これはドミナント的に言うと、かなり有利な立場で巻き取るということが起こるので、慎重に議論しないといけない問題でもある。今は、NGNに移ることに追加コストがかかるということは、NTTにとってみると、独占を加速させる方向にはいかないという見方もできる。

○ 全体的なコンセンサスとしては、IPv4に加えてIPv6のサービスをする際に、追加料金は取らなくても良いのではないかということ。これは業界の皆さん、ISPの方々のご努力により、進み始めているというのが1点目。2点目としては、ターミナルアダプタの扱いにより、囲い込みやサービスに紐付くようなことがないよう注意が必要ということ。例えば、レンタルやリースとして月額の費用の中に含めるのか、それとも何でも使えるという形にするというようなことを、検討してほしいということだと思う。
○ 資料12-4にあるCPEはレンタルにするつもり。
○ コンシューマー向けはIPv4サービスにIPv6サービスを追加しても、料金は取らない流れになっていると思う。資料12-2にある企業向けのサービスに関しても、デュアルサービスは標準で提供して、追加料金は取らないということでよいか。
○ そのとおり。
○ IPv4のときに、アドレス数によって料金が変わっていた。IPv6でも、アドレス数になるのか分からないが、今後は企業向けであっても、IPv4とIPv6両方で提供しても、IPv4の料金と変わらない流れになるのかを確認したい。
○ IPv4では、固定IPアドレスを使う場合は、ダイナミックアドレスよりも値段を高くいていた。また、固定IPアドレスの数でも料金設定をしている。IPv6のアドレス提供の形式についは、IPv6の特性上、アドレスの数は、個人であろうと企業であろうと、ある程度の数が割り当てられるので、プレフィックスサイズが/64なのか/60なのか/56なのかというのはあるかもしれないが、数自体でということではあまり関係していないと思う。
○ ダイナミックにするかスタティックにするかということは、ISP内部のルーターのルーティングの集約という問題に帰着しており、ルーターのメモリをどれぐらい効率的に使えるかということと、密接に関係している。よって、スタティックの場合は、料金が変わる可能性は十分あると思う。なお、企業向けのサービスについては、そもそもダイナミックレンジという考え方がない。
○ IIJの企業向けサービスも付加料金はないようだ。マーケット的には、自然と落ち着くところに落ち着いていると思う。
○ アダプタとビジネスの囲い込みの話に関しては、それなりにコストをかけてISPが作ったものを他でも使うというのは、難しい面もある。他の機器ベンダーもアダプタを出してくるという動きが出てくることが好ましいと思う。

○ World IPv6 Dayに関して、皆様方がしっかりご対応いただいたことに感謝の意を表したいと思う。
○ 色々なデータを皆さん少しずつ出していただいているが、断片的にしか出ていない状態なので、その1日で何が起きたのかということを、もう少し詳細に調査したいなと思っている。どういう体制がいいのかというところも含めて、相談しながら進めていきたい。IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースを主体に置きながら、各業界の方々にご協力願えればと思っている。
○ 実働部隊はタスクフォースでよいが、やはりこの場でそういうことが合意されるとか、総務省にも協力いただきたいところもある。
○ タスクフォースで整理し、本研究会の報告の中に入れるというのが、一番使いやすいデータになるのではないか。

【その他】
○ 次回の開催等について連絡。

以上

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