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ユニバーサル・コミュニケーション技術に関する調査研究会(第7回)
議事要旨

  1.  日時
     平成17年12月8日(木) 1330分〜1530

  2.  場所
     三田共用会議所 4階 第4特別会議室

  3.  出席者
    (1)  調査研究会構成員(50音順、敬称略)
    青井孝敏(松下電器産業)、淺川和雄(富士通研究所、代理:潮田明)、
    岩浪剛太(インフォシティ)、榎並和雅(日本放送協会、代理:渡辺敏英)、
    大森慎吾(情報通信研究機構)、春日井眞一郎(東京放送、代理:杉原啓介)、
    後藤幹雄(電通総研)、原島博(東京大学)、所眞理雄(ソニー株式会社)、
    羽鳥好律(東京工業大学)、平田康夫(KDDI研究所)、廣瀬通孝(東京大学)、福永泰(日立製作所)、畚野信義(国際電気通信基礎技術研究所)、
    三木俊雄(NTTドコモ、代理:大矢智之)、村上輝康(野村総合研究所)、
    山田敬嗣(日本電気)
    (2)  事務局(総務省)
    松本技術総括審議官、武井技術政策課長、竹内研究推進室長、山内技術政策課企画官、平技術企画調整官

  4.  配布資料
    資料7−1 ユニバーサル・コミュニケーション技術に関する調査研究会
      (第6回)議事要旨(案)
    資料7−2 ユニバーサル・コミュニケーション技術に関する調査研究会
     最終報告書(案)
    資料7−3 ユニバーサル・コミュニケーション技術に関する調査研究会
      最終報告 概要版(案)

  5.  議事
    1.  開会
    2.  議事
      (1) 最終報告案について
      (2) その他
    3.  閉会

    (1) 最終報告書(案)について事務局から資料7−3に基づき説明。主な質疑は次のとおり。
    (竹内室長) 報告書60ページに、12枚目の一人一人のイメージ図として白紙のページを付け加えることを提案したい。
    (構成員) 了。

    (岩浪構成員) (概要版の5ぺージのライフログの技術について)ライフログ技術といえば国防総省とかマイクロソフトのイメージがある。しかし、国内においても研究開発の取り組みがあり、5月に消費行動や生活行動に関する研究開発をデジタルバイオグラフィーという名前で紹介した。報告書のどこかに入れておいて欲しい。
    (原島座長) 一種の固有名詞と捉えられるなら、一般的な名称に変えてもよい。
    (廣瀬構成員) 国内の先生方もライフログと言っており、またバーチャルリアリティーという言葉が一般的になったことと同じで、流通しているところもある。英訳をしたときに間違えられることが懸念。
    (原島座長) 「括弧書き」で「・・・技術(ライフログ技術等)」と書く方法もある。
    (岩浪構成員) 報告書31ページでライフログ(米)などと書かれているし、そもそもアメリカの固有名詞だと思われる。
    (事務局) 例示で書き換えるなど、修正する。
    (構成員) 了。

    (平田構成員) 概要版の4−2のイメージ図について、事例の4つの中で「地域・家族の絆」が最初にあるが、今までの議論の流れからいうと唐突だと感じる。安心・安全から始めるとよいと思う。
    (原島座長) 本文は立体テレビで始まり家族の絆で終わっているが、順番を入れ替えた理由はあるのか。
    (竹内室長) 4つの基盤技術に対応して、利用シーンを割り当てている。
    (平田構成員) 家族の絆ありきで始まると本来のユニバーサル・コミュニケーションの狙いとは違う。
    (原島座長) 報告書の本文に対応して書いていけばよいかと思う。
    (羽鳥構成員) 利用シーン2の国際交渉でこれは正装なのか、普段着なのか。
    (原島座長) 国の報告書なのできちんとしたほうがよい。
    (原島座長) 衣装翻訳もやっていると考えられる。国際間の交渉はそれなりの礼儀があるし、口語の言葉も相手にきちんとした言葉に翻訳されて伝えられていると考えられる。絵について変える必要はあるのか。
    (後藤構成員) この辺りはかなり気をつかい総務省や関係者との間で議論があった。途中に何回も書き換えるチャンスもあった。ここで変えてしまうと全部を変えることになるし、本質ではないところで時間をロスすることになることになると思われる。
    (原島座長) これを認めていただき、社会からの反応を見ることでどうか。
    (廣瀬構成員) 国際交渉と書いたのは意味があるのか。「国際交渉」と言うこと自体、議論のタネとする人がいる。
    (竹内室長) 多言語翻訳を考えたときに、微妙な言葉のニュアンスとかやり取りをより高いレベルで求められる一番ふさわしいシーンとして「国際交渉」を取り上げたものである。

    (村上構成員) 概要版2−1において、コミュニケーション手段として「放送」というキーワードは入れないのか。
    (竹内室長) 放送は文化的問題などがあり、この図には収まらないと考える。入れるならもうひとつ別の軸が必要かと思う。手段として同じかというと使用方法や内容が違い、手紙と電話、電話とデータ通信の間に入るのかなどどこに入れるのかが難しい。
    (原島座長) コミュニケーションという立場で考えたとき少し性格が違う。
    (三木構成員) 理由があり、記載していないのであれば結構です。

    (原島座長) 修正点については座長預かりと言うことで、以上の議論を以て本案を最終報告としてご了承頂けますか。
    (構成員) 了。

    続いて各構成員一人一人から、感想が述べられた。以下、概略。
    (畚野構成員) 研究開発を進めていくにあたり、肩に力をいれず、柔軟な姿勢が大事
    (福永構成員) この研究会に参加してみて、テクノロジーは沢山あるのだと改めて認識した。重要なのは、これらをまとめて実行していくことだ。報告書によって構成はできたので、あとは実行していくことが必要。
    (廣瀬構成員) テクノロジーの新しいフレームワークに触れることができた。報告書の方向というのは非常に重要である。すばらしい技術は沢山あるが、いかにして生存させて、活かせるかが大事。
    (平田構成員) フォーラムに期待。視野の広い研究者を育てていって欲しい。標準化の実施について、何を国際的な標準化にするか/しないかを判断する場合、人材が非常に重要である。フォーラムを通じて、人材を育てていきたい。
    (羽鳥構成員) 個人的には高齢化問題を意識して取り組んできた。これはユニバーサル・コミュニケーションを進める上で大義名分となる。何が求められているかを考えて研究開発を推進していって欲しい。
    (所構成員) この報告書はコミットメントなのか、夢なのかはっきりしていないと思われる。また、本報告書は大学や独法の取組としてはよくまとまっていると思われるが、産業面から意見を述べると、今後、如何にしてこれらの基幹技術をビジネスにつなげていけるかが重要であると考える。
    (後藤構成員) マルチメディアでは、昔は技術や制度など中間部分にボトルネックがあった。現在では、中間部分ではなくエンドユーザーがボトルネックになっている。ユーザーを考えて研究開発するかが大事。
    (春日井構成員) 夢を着実に前に進めていることを次の世代に如何にして伝えていくかが大切。放送も一役を担いたい。
    (大森構成員) 何十年後かにはネットワークがないと生活ができなくなる。人間活動を支えるのはユニバーサル・コミュニケーションであり、人間生活を変える技術を作っていきたい。フォーラムでは日本の叡智を結集するので、NICTが一役を担いたい。
    (榎並構成員) 推進していく中では連携が非常に重要となるであろう。放送もその一役を担っていきたい。
    (岩浪構成員) 国を挙げて取り組んでいくことは大賛成。一方では、人々に使用されないと意味がない。以前はデジタルデバイドを克服するための研究開発であったがこれからはユーザーリテラシーを考え、研究開発を推進すべきである。
    (淺川構成員) 技術的な側面について今の技術がどれくらいまで発展するのかを議論して欲しい。コミュニケーションは人が入ってくるので、人文科学的な部分もつきあわせて考える必要がある。
    (青井構成員) ブロードバンド化でスピードが早くなり、インフラ面でのネットワークが整ってきている中、人と人とのコミュニケーションの重要性が増している。また、まだまだ基礎研究が重要であり、デスバレーを克服するなど実用化することが大事であり、その中でフォーラムには期待している。
    (武井課長) 今回の研究会でユニバーサル・コミュニケーションに関する概略は検討できたが、まだまだ深く議論するべきである。報告書においてイメージ図とかは冒頭にもってきてもよいと思う。
    (竹内室長) 来年度以降も進化した形のユニバーサル・コミュニケーションの実現に取り組んでいきたい。
    (山内企画官) この分野は非常に難しいが、ニーズを外さず、推進していくのが大事。
    (平調整官) 人の利用を中心とした研究開発はユニバーサル・コミュニケーションに拘わらずこれからの研究開発では重要。
    (山田構成員) 人と人とのコミュニケーションを大事としている中、「ルネサンス」という言葉は重要だと感じた。若い人に情報通信の技術に夢を与えていきたい。また若い人にビジネスとしてトライアルできるように準備をしていくべき。
    (三木構成員) テレ・コミュニケーションからユニバーサル・コミュニケーションへと移る中で、人の利用を中心にして研究開発をすることが大事。
    (村上構成員) ユニバーサル・コミュニケーションという分かりにくい領域を明確化できたのは良いことであった。2015年でなくて2010年に向けて重要な課題もあるはずなので、フォーラムの中で考えていって欲しい。
    (原島座長) 楽しい、懐かしい研究会であった。20年前にヒューマン・コミュニケーションという分野の学会を作ったが、これはユニバーサル・コミュニケーションと通じるところがある。
    当時はありのままを伝えるのが通信の課題であったが、現在は人と人とをどうやって結びつけるかなど、コミュニケーションをサポートすることが課題となっている。その中で知的コミュニケーション、感性コミュニケーション、「線でつなぐコミュニケーション」から「空間でつなぐコミュニケーション」への移行が大事となっている。また、「何ができるか」という発想から「何がしたいか」という発想の転換がこれからの時代において非常に重要になってくると考えている。
    今回の研究会では、「いつでも、どこでも、誰でも、何でも」のコンセプトの下で、ユニバーサル・コミュニケーションの実現に向けた取組が議論してきたが、コミュニケーションをしたくない人もいるはずで、今後はこれらの人々を対象にした技術もあった方がよいと思う。ユニバーサル・コミュニケーションの先には、各々がコミュニケーション環境をカスタマイズできる環境が重要となってくると思われる。
    (松本技総審) 今までの研究開発の中心は、欧米・アジアに負けないことを念頭においた研究開発であったが、このユニバーサル・コミュニケーションの研究開発は社会問題解決型の研究開発であり、これが上手くいけば世界をリードすることができる。
    この報告書において「可能である」と記載されているものについて、可能とすべく実現に向けて努力をしていかないといけない。

    最後に事務局から今後の進め方(報道発表予定)について説明があり閉会。
(以上)







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