情報通信のトップへ

インデックスへ 調査研究会

ユビキタス時代における航空・海上通信システムの在り方に関する調査研究会(第5回)
議事要旨

 日時  平成16年2月13日(金) 14時00分〜16時00分

 場所  総務省 第3特別会議室(中央合同庁舎第2号館9階)

 出席者
(1) 構成員(五十音順、敬称略)
秋山 泰平、安藤 勝美、木村 祐二(遠藤構成員の代理)、葛城 慎輔、滝下 洋一(加藤構成員の代理)、小出 保之、佐藤 透、三浦 龍(鈴木構成員の代理)、高畑 文雄、武内 賢次、鷲見 民次郎(ストレイト構成員の代理)、中原 秀樹、中村 勝英、名取 直幸、西 泰樹、西尾 裕一郎、松崎 滋、山崎 保昭、若尾 正義
(2) 総務省
竹田電波部長、山内衛星移動通信課長、米子衛星移動通信課企画官、中澤衛星移動通信課課長補佐

 議事
(1) 開会
(2) 資料確認
(3) 議事
1)  第4回会合議事要旨(案)の確認
 座長から資料5−1議事要旨(案)について確認の発言があり、事務局から説明を行った後、了承された。
2)  構成員からのプレゼンテーション(その5)
 松崎構成員、佐藤構成員、中原構成員及び若尾構成員から資料5−2、資料5−3、資料5−4に基づき、プレゼンテーションがあった。質疑応答は以下のとおり。
  [1]  ユビキタス時代の航空通信
 航空通信における通信媒体は、現在利用しているVHF、HF、SATCOMは搭載が必須なのか。
 VHFとHFは義務装備である。しかしながら、HFは音質があまり良くない等のため、新型機はSATCOMを装備している。管制側がSATCOMに対応していない場合もあるので、航空管制通信(音声)はHFで行っている。
 VHFのセパレーションはどのようになっているのか。
 25kHzキロヘルツのセパレーションである。ヨーロッパにおいてはVHFのチャンネルが足りないということもあり、8.33kHzキロヘルツのセパレーションを導入している。
 今後の航空通信の情報量について、VDL Mode−2は30.5kbpsキロビーピーエスとあるが、陸上系の通信と比べて伝送速度が遅いと思われる。機内でのニーズはどの位の情報量なのか。また、今後の通信媒体としてMEOLEO衛星とあるが、具体的なシステムがあるのか。
 情報量のニーズについては、現在のACARSというデータ通信は1 ブロック当たり1.6kbitキロビット程度で、マルチブロックとしても10倍程度である。今後はリアルタイムの気象データなどの情報も必要とされているので、VDL Mode−2では30.5kbpsキロビーピーエスの高速データ通信を目指している。MEOLEO衛星については、現在構想段階であるが、航空電子技術委員会(AEEC)では、次世代の機上用機器としてMEOLEO用アビオニクス機器の仕様開発している。
 業務通信よりは、顧客対応の面でブロードバンドが必要となるのだろう。
  [2]  航空通信のニーズと将来像
 機内通信サービスにおける端末は通常のパソコンと想定されるが、携帯端末による機内での通話など音声のサービスも考えているのか。
 2004年度より導入するCBBサービスは、乗客がCBB社と契約し、パソコンを持ち込んで端末として使うものである。将来的には携帯電話による音声サービスも考えているが、具体的な検討にはまだ入っていない。例えばブースの設置など使用方法についても検討項目が考えられるが、検討は始まっていない。
 日本で使っている携帯電話を海外でも使用出来るようになればよいと考えている。その間を結ぶ航空機内で使用できるようにすることはメリットがあると考える。船舶も同様である。その実現のために携帯電話の基地局を航空機内や船舶内に設置しようとする場合、電波法上、基地局の移動は認められていない。その辺が法制上の課題と考えられる。
 システムができれば、それを実現するために法整備を検討していくことになるだろう。
 5GHzギガヘルツ帯無線LANのチャンネル設定、屋内、屋外使用において世界的な基盤整備が必要とあるが、欧米は制約が少ない。なるべく早期に欧米に合わせる方向での整備がなされれば、航空機におけるユビキタスの需要に応えられると思う。
 ユーザーとしても欧米との調和が望ましいと考えている。
 ユビキタス対応のための受信アンテナを航空機に搭載する場合は、国内でも可能なのか、又は機体メーカーでの取り付けが必要となるのか。
 装備の取り付けに関しては米国の航空局のSTCの取得、日本の国土交通省の型式設計書の取得が必要である。STCの取得に関しては、日本においても連邦航空局の検査が可能であるので、国内でも取り付けができる。
 機内における通信サービスにつき、有線LANによるサービスは考えているのか。
 有線LANを構築する場合の機体の改造費用、機体重量の増加等を考え合わせると、無線LANによるサービスを基本にと考えている。
 機体には意外にスペースがなく、通信機器を追加して搭載することが難しいと聞いている。通信サービスが普及していけば機体メーカー側で標準装備となっていくだろう。
 改造費用や機体を使用できない期間がなくなるという点からみても、ユビキタス時代においては、機体への標準装備は望ましいと考えている。
  [3]  電波利用システムの標準化
 電子レンジの無線LANに与える影響は非常に大きい。電子レンジは2.4GHzギガヘルツ帯のほとんど全体を占めている。航空機内無線LAN実験に関する調査は順調に進んでいるのか。
 スケジュールどおり進んでいる。
  [4]  その他
 携帯電話の基地局を航空機や船舶に積むといった場合における現状はどのようになっているのか。
 携帯電話を機内や船内で使う場合、基地局ということになるのか。又は、例えば地下街での再送信といった場合と同様になるのか。整理も必要である。
 電波法上は基地局は固定していないとならない。動いてしまうと干渉をばらまいてしまうために動いてはならないとされていると考える。仮に基地局を積むとなるとかなりコストがかかると思われるが、技術的には興味深い。
 航空機と地上はどのように結ぶことが考えられるか。
 地上からの電波と衛星とが考えられるが、グローバル的な面を考えれば衛星だろう。
 現状を知り、どの位のハードルなのかを知るのは重要である。
3)  その他
 今後の審議スケジュールについて、第6回会合は平成16年3月16日(火)14時から開催することとなった。また、第7回会合は平成16年4月23日(金)に開催することとなった。
(4) 閉会


トップへ