FTTHの実現に向けたネットワーク展望と課題
第2章 FTTH実現に向けたネットワークの展望


5 通信サービスと料金のイメージ


   (1) 通信サービスと料金のイメージ策定の必要性

   (2) 具体的な通信サービスと料金のイメージ






第2章 FTTH実現に向けたネットワークの展望

5 通信サービスと料金のイメージ

(1) 通信サービスと料金のイメージ策定の必要性
 現在、広帯域通信サービスの料金は、例えば、6Mbpsの専用サー ビスが、月額190〜410万円程度(東京−大阪間)となっており、 大幅な低廉化が必要である。
 一般ユーザにとっては、通信サービスに対する支出には自ずと限界が ある。また、現実に地方公共団体等において、公的アプリケーションの 開発・導入の情報化の取組が行なわれているが、高い通信料金の負担の 制約から、高速・広帯域のサービスが利用できず、低速の通信サービス で受忍している事例がある。
 また、光ファイバをベースとする高速・広帯域の通信サービス料金の 大幅な低廉化の可能性については、前節「4 ネットワーク構築コスト の展望」で示したとおりである。

 今後、光ファイバネットワークを活用した各種アプリケーションの早 期立ち上げを図るためにも、ユーザニーズとして、どの程度の料金が望 まれているかとの側面に加え、高速・広帯域の通信サービスがどの程度 の料金で利用できるかというイメージを示すことが重要である。





(2) 具体的な通信サービスと料金のイメージ
 光ファイバ網の全国整備が完了する2010年の通信料金水準は、電気通信審議会答申「情報通信21世紀ビジョン」において、20Mbpsの回線が月定額7,800円程度で利用可能と示されたところである。したがって、ここでは、2010年に至る光ファイバ網整備の過程における通信サービスと料金のイメージについて検討を行った。

 ア  2000年頃については、この時期の通信サービスや料金は、 通信事業者においては、既に具体的な事業計画に着手しつつあるが、加入者系光ファイバ網の整備コストがメタル並みに低コスト化すると見込まれることから、高速・広帯域の通信サービスの大幅な低廉化が期待されるところである。
 イ  2005年頃の家庭における伝送速度のニーズは、「1.5Mbpsから10Mbps程度」と想定される。この時期の一般家庭における通信サービスに対するニーズは、現行のTVと同程度の画質の映像通信(ビデオ・オン・デマンド等)1chを利用できる程度とし、6Mbpsの通信サービスについて、一定の条件の下で想定すると、月定額12,000円程度と試算される。これについては、今後の電気通信事業者等の努力により、さらなるサービス水準の向上、低廉な料金水準の実現が望まれる。
 なお、試算は、次の前提の下に行った。
 (1)加入者数
2005年: 2,000万加入
 (2)ネットワークの基本形態
加入者系回線: 光ファイバケーブル(ATM−PDS方式)
バックボーン回線: 上位と下位の2階層構成(ATM方式)

   2005年   6Mbps  月定額 12,000円程度

   2010年  20Mbps  月定額  7,800円程度