第3章 FTTH実現に向けた課題と推進方策

3 自営の光ファイバ網の電気通信事業等への活用

 最近、地方公共団体が自ら光ファイバ網を整備し、これにより地域の情報化の推進を図ろうとする動きがみられ、その利活用について様々な形での検討がなされている。
 このような地方公共団体の光ファイバ網の利活用については、基本的には地域の情報化の一環としての取組であり、公共アプリケーションの開発・普及にもつながる先進的取組として評価される。こうした自営回線を、公正・透明なルールの下で電気通信事業者等に供する場合は、民間主体の光ファイバ網整備の補完的役割を果たすこと等により、地域通信分野におけるネットワークの整備促進に資する等の効果が期待される。
 一方、地方公共団体がこのような回線を利用して、電気通信事業者と競合するような通信サービスを提供することを目的とする場合には、電気通信サービスが、民間主導の公正有効競争の下でその発展が図られるべきものであることを考慮すれば、電気通信事業者とのイコールフッティング等について慎重な検討が必要である。
 また、鉄道事業者等の民間企業が自営通信のために保有している光ファイバ網についても、電気通信事業等への活用が考えられる。
 したがって、国においては、自営の光ファイバネットワークの整備動向を注視しつつ、ネットワーク整備に関する民間主導原則との整合性に十分留意のうえ、自営の光ファイバ網の電気通信事業等への活用の在り方について、具体的な検討を進めていくことが望まれる。