加入者系ネットワークにおけるxDSLの可能性

第5章 実証実験の早期実施


   1 実証実験の必要性

   2 実証実験の実施方法等

   3 実証実験の実施時期

   4 行政に求められる対応





1 実証実験の必要性

 xDSLサービスの導入に当たっては、第3章で述べたように様々な技術的課題が存在することから、その具体的な影響度合いや解決策を見極めるためには、実際のサービス提供環境に近い環境の下での実証実験(フィールド・テスト)を実施することが必要である。また、xDSLの品質・提供地域等サービス提供上の課題等の制度的課題についても、実証実験の中で、果たして実際の利用者に受け容れられるか、社会的コンセンサスが得られるかどうかについても検証を行う必要がある。




2 実証実験の実施方法等

 実証実験の実施は、自ら地域網を管理運営する地域事業者が主体的に実施する必要があるが、他事業者やxDSL装置のベンダーが多様なサービス・機器を提供したいとのニーズを有していることや、xDSLが地域アクセス網をめぐる競争政策上の重要課題の一つであることにも配慮し、
 広く他事業者やベンダー等の参加するオープンな形での実験とすること、
 また、実験結果についても、公表し、広く一般の意見を聞くこと、
が望ましい。




3 実証実験の実施時期

 実験の具体的実施時期等については、今後、地域事業者において早期に確定されることが望ましいが、xDSLの分野は技術変革が速く、欧米においても既に実験がかなり進められていることに鑑みると、本年夏頃を目途に開始し、1998年春までには実験結果について一定の評価を行うことを目標に進められることが望ましい。




4 行政に求められる対応

 行政においては、利用者、学識経験者等からなる実験評価委員会(仮称)を設置し、上記実験の実施状況や、ベンダー等の実験状況等を踏まえつつ、技術的課題等を継続検討することが望ましい。