加入者系ネットワークにおけるxDSLの可能性

第7章 まとめ


 インターネットが急速に普及し、画像等の大容量の情報の伝送も広く行われるようになってきている状況の下で、特に、アクセス回線の高速化が喫緊の課題となっている。
 こうしたなかで、既存のメタル回線上での高速アクセスを可能にするxDSL技術が実用化の段階を迎えており、諸外国においても、導入に向けた取組みが活発に進められているところである。
 xDSLは、FTTH実現を待たずに、メガビット級のアクセス速度を可能にする技術であり、その導入により、新しいアプリケーションの開発も進むことが期待されるなど、情報通信の分野に大きな変革をもたらすことが期待されることから、我が国においても、その早期実現が強く望まれるところである。
 したがって、xDSL実現のために必要な技術的課題の解決やユーザニーズの把握等のために、地域事業者において、1998年春には一定の評価を行うことを目標に実証実験を早急に実施するなど、その実現に向けた努力を行うことが必要である。
 また、xDSLは技術変革の激しい分野であることからも、できる限り競争的な環境の下で、サービスが提供されることが望ましいことから、他事業者のxDSL装置の設置に関して、技術面、制度面、通信インフラ整備、経営面の課題について、更なる検討を早急に行うことが必要である。
 このうち、特に、技術的課題については、上記実証実験のなかで検証しうるよう、実証実験を他事業者及びベンダー等の参加したオープンな形で行い、その評価についても、中立的な専門家の意見が反映されるような形で行われることが望まれる。