Policyreports 郵政省

目次 郵政行政六法

電気通信事業法

第二章 電気通信事業


第四節電気通信設備

第一款 電気通信事業の用に供する電気通信設備

(電気通信設備の維持)
第四十一条 第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、その電気通信事業の用に供する電気通信設備(以下「事業用電気通信設備」 という。)を郵政省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。
 前項の技術基準は、これにより次の事項が確保されるものとして定められなければならない。
  電気通信設備の損壊又は故障により、電気通信役務の提供に著しい支障を及ぼさないようにすること。
  電気通信役務の品質が適正であるようにすること。
  通信の秘密が侵されないようにすること。
  利用者又は他の電気通信事業者の接続する電気通信設備を損傷し、又はその機能に障害を与えないようにすること。
  他の電気通信事業者の接続する電気通信設備との責任の分界が明確であるようにすること。

(技術基準適合命令)
第四十二条 郵政大臣は、事業用電気通信設備が前条第一項の郵政省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、第一種電気通信事業者又は特別第二種電気通信事業者に対し、その技術基準に適合するように当該設備を修理し、若しくは改造することを命じ、又はその使用を制限することができる。

(管理規程)
第四十三条 第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、電気通信役務の確実かつ安定的な提供を確保するため、郵政省令で定めるところにより、事業用電気通信設備の管理規程を定め、事業の開始前に、郵政大臣に届け出なければならない。
 第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、管理規程を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を郵政大臣に届け出なければならない。

(電気通信主任技術者)
第四十四条 第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、事業用電気通信設備の工事、維持及び運用に関する事項を監督させるため、郵政省令で定めるところにより、電気通信主任技術者資格者証の交付を受けている者のうちから、電気通信主任技術者を選任しなければならない。
 第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、前項の規定により電気通信主任技術者を選任したときは、遅滞なく、その旨を郵政大臣に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。

(電気通信主任技術者資格者証)
第四十五条 電気通信主任技術者資格者証の種類は、伝送交換技術及び線路技術について郵政省令で定める。
 電気通信主任技術者資格者証の交付を受けている者が監督することができる電気通信設備の工事、維持及び運用に関する事項の範囲は、前項の電気通信主任技術者資格者証の種類に応じて郵政省令で定める。
 郵政大臣は、次の各号の一に該当する者に対し、電気通信主任技術者資格者証を交付する。
  電気通信主任技術者試験に合格した者
  電気通信主任技術者資格者証の交付を受けようとする者の養成課程で、郵政大臣が郵政省令で定める基準に適合するものであることの認定をしたものを修了した者
  前二号に掲げる者と同等以上の専門的知識及び能力を有すると郵政大臣が認定した者
 郵政大臣は、前項の規定にかかわらず、次の各号の一に該当する者に対しては、電気通信主任技術者資格者証の交付を行わないことができる。
  次条の規定により電気通信主任技術者資格者証の返納を命ぜられ、その日から一年を経過しない者
  この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
 電気通信主任技術者資格者証の交付に関する手続的事項は、郵政省令で定める。

(電気通信主任技術者資格者証の返納)
第四十六条 郵政大臣は、電気通信主任技術者資格者証を受けている者がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反したときは、その電気通信主任技術者資格者証の返納を命ずることができる。

(電気通信主任技術者試験)
第四十七条 電気通信主任技術者試験は、電気通信設備の工事、維持及び運用に関して必要な専門的知識及び能力について行う。
 電気通信主任技術者試験は、電気通信主任技術者資格者証の種類ごとに、郵政大臣が行う。
 電気通信主任技術者試験の試験科目、受験手続その他電気通信主任技術者試験の実施細目は、郵政省令で定める。

(電気通信主任技術者の義務)
第四十八条 電気通信主任技術者は、事業用電気通信設備の工事、維持及び運用に関する事項の監督の職務を誠実に行わなければならない。

(電気通信番号の基準)
第四十八条の二 電気通信事業者は、電気通信番号(電気通信事業者が電気通信役務の提供に当たり送信の場所と受信の場所との間を接続するために電気通信設備を識別し、又は提供すべき電気通信役務の種類若しくは内容を識別するために用いる番号、記号その他の符号をいう。以下同じ。)を用いて電気通信役務を提供する場合においては、その電気通信番号が郵政省令で定める基準に適合するようにしなければならない。
 前項の基準は、これにより次の事項が確保されるものとして定められなければならない。
  電気通信番号により電気通信事業者及び利用者が電気通信設備の識別又は電気通信役務の種類若しくは内容の識別を明確かつ容易にできるようにすること。
  電気通信役務の提供に必要な電気通信番号が十分に確保されるようにすること。
  電気通信番号の変更ができるだけ生じないようにすること。
  電気通信番号が公平かつ効率的に使用されるようにすること。

(適合命令)
第四十八条の三 郵政大臣は、電気通信事業者が他の電気通信事業者と電気通信設備の接続をしている場合(一般第二種電気通信事業者が他の一般第二種電気通信事業者と電気通信設備の接続をしている場合を除く。)に用いる電気通信番号又は電気通信事業者が公共の利益のため緊急に行うことを要する通信を取り扱うために用いる電気通信番号が前条第一項の郵政省令で定める基準に適合していないと認めるときは、当該電気通信事業者に対し、その基準に適合するように当該電気通信番号を変更することを命じ、又はその使用を禁止することができる。

第二款 端末設備の接続等

(端末設備の接続の技術基準)
第四十九条 第一種電気通信事業者は、利用者から端末設備(電気通信回線設備の一端に接続される電気通信設備であつて、一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(これに準ずる区域内を含む。)又は同一の建物内であるものをいう。以下同じ。)をその電気通信回線設備に接続すべき旨の請求を受けたときは、その接続が郵政省令で定める技術基準(当該第一種電気通信事業者が郵政大臣の認可を受けて定める技術的条件を含む。次項及び第五十一条において同じ。)に適合しない場合その他郵政省令で定める場合を除き、その請求を拒むことができない。
 前項の技術基準は、これにより次の事項が確保されるものとして定められなければならない。
  電気通信回線設備を損傷し、又はその機能に障害を与えないようにすること。
  電気通信回線設備を利用する他の利用者に迷惑を及ぼさないようにすること。
  第一種電気通信事業者の設置する電気通信回線設備と利用者の接続する端末設備との責任の分界が明確であるようにすること。

(端末機器技術基準適合認定)
第五十条 郵政大臣は、申請により、郵政省令で定める種類の端末設備の機器(以下「端末機器」という。)について、前条第一項の郵政省令で定める技術基準に適合していることの認定(以下「技術基準適合認定」という。)を行う。
 郵政大臣は、前項の申請があつた場合には、郵政省令で定めるところにより審査を行い、当該申請に係る端末機器が前条第一項の郵政省令で定める技術基準に適合していると認めるときに限り、技術基準適合認定を行うものとする。
 前項の審査は、第一項の申請が、当該申請に係る端末機器について次条第一項又は第五十条の三第一項の認定を受けた者が郵政省令で定めるところにより行つた当該認定に係る試験の結果を記載した書類を添えてなされたものであるときは、その一部を省略することができる。
 郵政大臣は、技術基準適合認定をしたときは、郵政省令で定めるところにより、その端末機器に技術基準適合認定をした旨の表示を付するものとする。
 何人も、前項(第七十二条又は第七十二条の三第五項において準用する場合を含む。)又は第五十条の四第五項(第七十二条の二第三項又は第七十二条の三第八項において準用する場合を含む。)の規定により表示を付する場合を除くほか、国内において端末機器にこれらの表示又はこれらと紛らわしい表示を付してはならない。

(事業者の試験能力の認定)
第五十条の二 端末機器の試験の事業を行う者は、郵政省令で定める区分ごとに、郵政大臣に申請して、その事業が次の各号に適合している旨の認定を受けることができる。
  端末機器の試験の能力が郵政省令で定める技術上の基準を満たすものであること。
  郵政省令で定める測定器その他の設備であつて、郵政省令で定める較正を受けたものを使用して端末機器の試験を行うものであること。
  端末機器の試験を適正に行うのに必要な業務の実施の方法が定められているものであること。
 郵政大臣は、前項の認定を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。
  前項各号のいずれかに適合しなくなつたとき。
  不正な手段により前項の認定を受けたとき。
 前二項に規定するもののほか、第一項の認定及びその取消しに関し必要な事項は、郵政省令で定める。

(外国事業者の試験能力の認定)
第五十条の三 外国において端末機器の試験の事業を行う者は、前条第一項の郵政省令で定める区分ごとに、郵政大臣に申請して、その事業が同項各号に適合している旨の認定を受けることができる。
 郵政大臣は、前項の認定を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。
  前条第一項各号のいずれかに適合しなくなつたとき。
  不正な手段により前項の認定を受けたとき。
  郵政大臣が第九十二条第五項において準用する同条第二項の規定により前項の認定を受けた者に対し報告をさせようとした場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。
  郵政大臣が第九十二条第五項において準用する同条第二項の規定によりその職員に前項の認定を受けた者の事務所又は事業所において検査をさせようとした場合において、その検査が拒まれ、妨げられ、又は忌避されたとき。
 前二項に規定するもののほか、第一項の認定及びその取消しに関し必要な事項は、郵政省令で定める。

(端末機器の設計についての認証)
第五十条の四 郵政大臣は、申請により、端末機器を、第四十九条第一項の郵政省令で定める技術基準に適合するものとして、その設計(当該設計に合致することの確認の方法を含む。第五項、第七十二条の二第一項及び第七十二条の三第六項において同じ。)について認証する。
 前項の認証の申請は、外国において本邦内で使用されることとなる端末機器を取り扱うことを業とする者(以下「外国取扱業者」という。)も行うことができる。
 郵政大臣は、第一項の申請があつた場合には、郵政省令で定めるところにより審査を行い、当該申請に係る設計が第四十九条第一項の郵政省令で定める技術基準に適合するものであり、かつ、当該設計に基づく端末機器のいずれもが当該設計に合致するものとなることを確保することができると認めるときに限り、第一項の認証を行うものとする。
 前項の審査は、第一項の申請が、当該申請に係る設計に基づく端末機器について第五十条の二第一項又は前条第一項の認定を受けた者が郵政省令で定めるところにより行つた当該認定に係る試験の結果を記載した書類を添えてなされたものであるときは、その一部を省略することができる。
 第一項の認証に係る設計に基づく端末機器であつて、当該認証を受けた者により郵政省令で定める表示が付されているものは、技術基準適合認定を受けた端末機器とみなす。
 郵政大臣は、第一項の認証に係る設計が第四十九条第一項の郵政省令で定める技術基準に適合しなくなり、又は当該設計に基づく端末機器のいずれもが当該設計に合致するものとなることを確保することができなくなつたと認めるときは、その認証を取り消すことができる。
 前項の規定によるほか、郵政大臣は、第一項の認証を受けた外国取扱業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認証を取り消すことができる。
  郵政大臣が第九十二条第三項の規定により当該外国取扱業者に対し報告をさせようとした場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。
  郵政大臣が第九十二条第三項の規定によりその職員に当該外国取扱業者の事務所又は事業所において検査をさせようとした場合において、その検査が拒まれ、妨げられ、又は忌避されたとき。

(端末設備の接続の検査)
第五十一条 利用者は、技術基準適合認定を受けた端末機器を接続する場合その他郵政省令で定める場合を除き、第一種電気通信事業者の電気通信回線設備に端末設備を接続したときは、当該第一種電気通信事業者の検査を受け、その接続が第四十九条第一項の技術基準に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。これを変更したときも、同様とする。
 第一種電気通信事業者は、端末設備に異常がある場合その他電気通信役務の円滑な提供に支障がある場合において必要と認めるときは、利用者に対し、その端末設備の接続が第四十九条第一項の技術基準に適合するかどうかの検査を受けるべきことを求めることができる。この場合において、当該利用者は、正当な理由がある場合その他郵政省令で定める場合を除き、その請求を拒んではならない。
 前二項の検査に従事する者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

(自営電気通信設備の接続)
第五十二条 第一種電気通信事業者は、第一種電気通信事業者以外の者からその電気通信設備(端末設備以外のものに限る。以下「自営電気通信設備」という。)をその電気通信回線設備に接続すべき旨の請求を受けたときは、次に掲げる場合を除き、その請求を拒むことができない。
  その自営電気通信設備の接続が、郵政省令で定める技術基準(当該第一種電気通信事業者が郵政大臣の認可を受けて定める技術的条件を含む。)に適合しないとき。
  その自営電気通信設備を接続することにより当該第一種電気通信事業者の電気通信回線設備の保持が経営上困難となることについて当該第一種電気通信事業者が郵政大臣の認定を受けたとき。
 第四十九条第二項の規定は前項第一号の技術基準について、前条の規定は同項の請求に係る自営電気通信設備の接続の検査について準用する。この場合において、同条第一項及び第二項中「第四十九条第一項の技術基準」とあるのは、「第五十二条第一項第一号の技術基準(同号の技術的条件を含む。)」と読み替えるものとする。

(工事担任者による工事の実施及び監督)
第五十三条 利用者は、端末設備又は自営電気通信設備を接続するときは、工事担任者資格者証の交付を受けている者(以下「工事担任者」という。)に、当該工事担任者資格者証の種類に応じ、これに係る工事を行わせ、又は実地に監督させなければならない。ただし、郵政省令で定める場合は、この限りでない。
 工事担任者は、その工事の実施又は監督の職務を誠実に行わなければならない。

(工事担任者資格者証)
第五十四条 工事担任者資格者証の種類及び工事担任者が行い、又は監督することができる端末設備若しくは自営電気通信設備の接続に係る工事の範囲は、郵政省令で定める。
 第四十五条第三項から第五項まで及び第四十六条の規定は、工事担任者資格者証について準用する。この場合において、第四十五条第三項第一号中「電気通信主任技術者試験」とあるのは「工事担任者試験」と、同項第三号中「専門的知識及び能力」とあるのは「知識及び技能」と読み替えるものとする。

(工事担任者試験)
第五十五条 工事担任者試験は、端末設備及び自営電気通信設備の接続に関して必要な知識及び技能について行う。
 第四十七条第二項及び第三項の規定は、工事担任者試験について準用する。この場合において、同条第二項中「電気通信主任技術者資格者証」とあるのは、「工事担任者資格者証」と読み替えるものとする。




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