目 次

1 衛星放送の概要

(1) 衛星放送の特徴

 衛星放送とは、人工衛星(上空36,000km)を利用して行う放送であり、放送衛星(BS)を用いるものと通信衛星(CS)を用いるものがある。
 いずれも簡易な受信設備を用いて、受信することが可能。

ア 広域性、経済性
 一つの送信点(静止軌道位置)から一波で全国をカバー。経済的、効率的に全国放送を実現。地上系の放送事業に比べ全国展開が容易。(離島等における難視聴を解消。CSにおいては国境をも超える広域性。)
イ 大容量性
 広帯域(帯域幅がBSアナログは27MHz、BSデジタルは34.5MHz、CSは27MHz、地上テレビは6MHz)の伝送路の設定が可能。
 大量の情報伝送能力があり、地上波では困難な新しい放送サービスの提供が可能。
ウ 柔軟性、耐災害性、即時性
 衛星への送信は地球局1局で可能。主地球局の障害時には副地球局の代替で対処し、地上災害の影響を回避可能。また、可搬地球局を利用し現場からの生中継を即時に実現。
エ 高品質
 衛星からの電波が高仰角で直接地上のアンテナに到来するため、ビル、地形等の影響を受けにくく、伝送品質の劣化が少ない。(ゴースト障害等を解消。)