目 次

2 BS(放送衛星)による放送

(4)BS−4への対応

 BS−4段階の放送については、平成5年5月の電波監理審議会答申において、「平成9年よりアナログ放送を開始する」等とされていたが、その後の事情の変化等を踏まえ、平成8年5月の電波監理審議会答申により再検討を行い、平成9年5月の電波監理審議会答申において「BS−4後発機の在り方の方針」が策定され、これを受けて所要の制度整備が平成10年に行われたところ。今後、BSデジタル放送の実現に向けた手続きを進めていく予定。


ア 平成8年5月の電波監理審議会答申

 電波監理審議会の答申(平成8年5月)
  電波監理審議会に放送普及基本計画の一部変更を諮問し、答申を得る。
   BS−4先発機と後発機の取り扱いを分ける
   先発機4チャンネルは、平成9年を目途に、現在の放送を引き継ぐ形で開始
   後発機については、できる限り早期に放送を開始
(具体的な取扱いについては、環境変化を踏まえ今後1年程度で検討)

イ BS−4後発機の在り方に対する検討

   「衛星デジタル放送技術検討会」(平成8年7月〜12月)
 各要素技術の開発動向、放送設備、受信設備等の実用化動向等について、学識経験者からなる検討会を開催し検討。
   「BS−4後発機検討会」(平成8年10月〜平成9年2月)
 放送方式、利用方法、事業主体等について、学識経験者からなる検討会を開催し検討。

ウ BS−4後発機の在り方の方針決定(電波監理審議会答申(平成9年5月))

 電波監理審議会に放送普及基本計画の一部変更を諮問し、答申を得る。
   平成12年を目途にデジタル放送を開始
   先発機と同内容の放送を行う移行チャンネルを後発機に確保
   以外については、高精細度テレビジョン放送が中心
   受託・委託放送制度を導入

エ 放送開始に向けた制度整備(カ参照(電波監理審議会答申(平成10年4月)実施は同年6月)

   放送普及基本計画「数の目標」、放送用周波数使用計画の策定
   BSデジタル用のマスメディア集中排除原則の策定
   放送衛星局等の無線設備の技術的条件を定め、BSデジタル放送の送信の標準方式を策定

オ 受託放送事業者・委託放送事業者の決定

   平成10年7月に受託放送事業者を決定((株)放送衛星システム)。
   平成10年10月に委託放送事業者を決定(HDTV、SDTV、超短波のみ)。
   データ放送については、平成11年中に技術基準を策定し、委託放送事業者決定を行う。

カ BSデジタル放送の開始に向けた制度整備の概要(平成10年6月3日公布)

1 放送普及基本計画及び放送用周波数使用計画の変更
 (1)  BSデジタル放送に関する委託放送業務の指針及び基本的事項を定める。
 (2)  BSデジタル放送について、放送の種別ごとの放送番組の数の目標を定める。
 BS−4により行われる放送(BSアナログ放送)と同一の放送を同時に行うこととするための放送番組の数の目標を定める。
 以外の放送については、次のとおり放送番組の数の目標を定める。
高精細度テレビジョン放送(HDTV)・・・・・・6番組
標準テレビジョン放送(SDTV)・・・・・・・20番組程度
超短波(音声)放送・・・・・・・・・・・・・・20番組程度
注1 SDTVについては、HDTVが行われない場合に限る。
 2 データ放送については、所要の制度整備後に定める。
 (3)  BSデジタル放送に使用する4周波数を追加する。

2 マスメディア集中排除原則の運用方針の変更
 (1)  マスメディア集中排除は、放送が有限な周波数資源を用いること、国民生活や表現・言論を支える重要なマスメディアとして社会的影響力が大きいことを理由として、できる限り事業者の多様化を図るための制度であり、BSデジタル放送についても適用する。
 (2)  BSデジタル放送においては、一の委託放送事業者が使用可能な周波数資源を1秒当たりのシンボル数により次のとおり定める。
全体(合計値)・・・・・・・14,430,000個(14.430Mbaud(メガボー))
 テレビジョン放送・・・・13,227,500個(13.2275Mbaud(メガボー))
    (HDTV1番組又はSDTV3番組程度
 超短波(音声)放送・・・・・601,250個(0.60125Mbaud(メガボー))
注1 データ放送については、所要の制度整備後に定めることとする。
 2 「シンボル」とは、任意の変調方式の下で同時に情報を伝送する能力の最小単位をいう。
「ボー」とは、1秒当たりに伝送される「シンボル」の数をいう。
 (3)  衛星放送事業者は、直接参入することができる。また、地上放送事業者は、3分の1未満の出資による別会社によってのみ参入することができる。

3 放送衛星局の技術基準等の設定
 (1)  BSデジタル放送を行う放送衛星局等の無線設備の技術的条件を定める。
 (2)  BSデジタル放送をする放送衛星局の行う標準テレビジョン放送等のうちデジタル放送の送信の標準方式を定める。
   映像表示方式・・・480i、480p及び1080i
 720pについては、実証実験を行った後に規定を追加する。また、1080pについては、技術的実現性を確認する。
   伝送帯域幅・・・34.5MHz(28.860Mbaud(メガボー))
   変調方式・・・・8PSK、QPSK及びBPSKの切替え又は併用
   情報源符号化方式
(ア) 映像・・・・・MPEG−2 Video
(イ) 音声・・・・・MPEG−2 Audio(AAC(Advanced Audio Coding))