第1章-1 21世紀の情報通信


(1)情報通信のトレンド

 インターネット及びモバイル通信は、我が国の情報通信分野において急速にその重要性を増してきている。現在、自宅でパソコンを利用する人の9割近くがインターネットなどに接続しているか、接続する意向を持っている。11年度におけるパソコンの国内出荷台数は、対前年度比31.9%増の994.1万台、カラーテレビの国内出荷台数は、対前年度比0.3%減の1014.6万台となっている( 図表1 )。また、東西NTT加入電話契約数は、11年度末には、5545万となったが、モバイル通信(携帯・自動車電話及びPHS)の契約数の合計は5685万台となっている( 図表2a )。さらに、11年から開始された携帯電話端末単体でのインターネットアクセスサービスは、インターネットへのアクセスを身近なものとした。例えば、NTTドコモグループのiモードは、サービス開始のおよそ1年後である12年2月末現在で447万契約に達しており、@Nifty(366万契約)、BIGLOBE(285万契約)等の他の大手プロバイダなどと比較しても、我が国で最も契約数の多いISPとなっている( 図表2b )。


図表1 パソコンとテレビの国内出荷台数。この図表では、平成4年度から11年度までのパソコンとカラーテレビの国内出荷台数の推移を示している。平成4年度には、カラーテレビの出荷台数がパソコンの出荷台数を大きく上回っていたが、両者の差は徐々に縮まり、平成11年度にはほとんどなくなっている。
※カラーテレビの出荷台数は、ハイビジョンテレビ及び液晶カラーテレビを含む。
(社)日本電子機械工業会資料及び(社)日本電子工業振興協会資料により作成


図表2a モバイル通信と加入電話の契約数の推移。この図表では、携帯・自動車電話及びPHSの契約数と東西NTTの加入電話数の推移を示している。平成7年度末には加入電話数は、モバイルの契約数の5倍以上となっていたが、平成11年度末には両者の数値は逆転した。
郵政省資料により作成


図表2b 主要ISPとiモードの契約数。この図表では、iモードと主要ISP4社の契約数を比較している。iモードがサービス開始およそ1年後の12年2月末現在、447万契約に達したのに対し、@Niftyは366万契約、BIGLOBEは285万契約、So-netは109万契約、OCNは102万契約となっている。
※ BIGLOBEについては11年末現在、So-netは12年1月末現在、その他は12年2月末現在。
各社資料により作成

(2)インターネットの普及

 11年末における我が国の15〜69歳までのインターネット利用者数は2706万人(対前年比59.7%増)と推計され、17年(2005年)には7670万人に達するものと推計される。また、インターネット普及率は、世帯が19.1%、事業所が31.8%、企業が88.6%となっており、様々な場所におけるインターネットの利用が拡大を続けている(図表3)。


図表3 我が国におけるインターネット普及状況。この図表では、個人、世帯、事業所、企業におけるインターネットの普及率の推移を示している。我が国における個人のインターネット利用者数は2706万人であり、平成17年(2005年)には現在の3倍近い利用者数になるものと予想される。
※1 事業所は全国(郵便業及び通信業を除く。)従業者数5人以上の事業所。
※2 企業は全国の(農業、林業、漁業及び鉱業を除く。)従業者数300人以上の企業。
「生活の情報化調査」、「通信利用動向調査」(郵政省)により作成


(3)モバイル通信の普及

 電気通信技術審議会「次世代移動通信方式委員会報告」(11年9月)では、IMT-2000だけでなく、携帯・自動車電話及びPHSを含めた将来の公衆陸上移動通信サービス全体に対する需要を予測しており、12年度末(2000年度末)には6450万契約、22年度末(2010年度末)は8100万契約に達するとしている。この数値を参考に17年度末(2005年度末)の総契約数を試算すると、7903万契約に達するものと推計される(図表4)。


図表4 モバイル通信サービスの契約数の推移及び将来予測。この図表では、携帯・自動車電話とPHSの契約数の推移について示している。平成17年度末(2005年度末)の将来予測については、電気通信技術審議会「次世代移動通信方式委員会報告」(平成11年9月)の将来予測を基に推計(IMT-2000を含む。)を行った。
※ 17年度末(2005年度末)の予測値には、IMT-2000も含まれる。
郵政省資料により作成


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