凡例 第1章 特集 ITがひらく21世紀 第2章 情報通信の現況 第3章 情報通信政策の動向 情報通信年表・注記・調査概要

第2章 第3節

1 基幹網

(1)概況

JIHの運用開始で国際網との相互乗り入れが容易に

 国内の電気通信網は、11年4月にKDDによる100Gbpsの光海底ケーブルJIH(Japan Information Highway)の運用が開始されたことで、高速な国際網との相互乗り入れが容易となり、本格的な高速ネットワーク時代を迎えようとしている。
 各電気通信事業者においてはさらに、将来的なトラフィック増加を見込み、大都市間の伝送帯域の増加やWDM(Wavelengh Division Multiplexing:波長分割多重)網の増設を計画している。
 11年2月に電力会社系NCC10社が連合して設立した「パワー・ネッツ・ジャパン」では、11年12月より、DWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing:高密度波長分割多重)による100Gbps(東京-名古屋-大阪、サービス開始当初は、2.5〜10Gbps程度)のバックボーンの構築を進めており、12年夏に運用開始を予定している(図表1))。
 我が国周辺の国際海底ケーブルについても、インターネット等のトラフィックの増加に対応するため、増強が図られている(図表2))。また、DWDM技術により、日本、台湾、韓国、中国、香港、マレイシア及びシンガポールをループ状に結ぶ光海底ケーブルであるAPCN2の構築が1999年6月に始まり、2002年に運用開始が予定されている。このAPCN2はループ構成であるため、一部に障害が起こっても瞬時に自動復旧する機能を持つ信頼性の高いケーブルシステムであり、回線容量も1,280Gbpsまで拡大が可能である。完成後は、現在建設中のChina-USケーブルネットワークやJapan-USケーブルネットワーク等と接続されることになっており、今後ますます増加が見込まれるアジアから米国への通信需要への対応が可能となる(図表3))。

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各社資料により作成

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各種資料により作成

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各種資料により作成