凡例 第1章 特集 ITがひらく21世紀 第2章 情報通信の現況 第3章 情報通信政策の動向 情報通信年表・注記・調査概要

第3章 第4節

12 地球環境計測技術の研究開発

地球環境の変動メカニズムの解明に向けて

 地球温暖化、オゾン層の破壊、熱帯林の減少等の地球規模の環境問題に有効な対策を講ずるためには、これらの現象の詳しい観測・計測による状況の把握、発生要因の解明が不可欠である。このため、通信総合研究所では、地球環境保全国際情報ネットワークの推進や地球環境のための高度電磁波利用技術に関する国際共同研究等、地球環境の保全・改善・実態把握に向けて、研究開発等に取り組んでいる(図表)。
 とりわけ、地球環境のための高度電磁波利用技術に関する国際共同研究は、日米科学技術協力協定に基づく国際共同研究として、5年度から中層大気の6種の計測機器、対流圏及び熱圏の3種の計測機器の開発を行い、順次アラスカに設置して極域大気の観測実験を行ってきたところであり、11年度は、オーロラ光等から風速・温度測定を行うファブリ・ペロー干渉計、成層圏の風の高度分布を測定するドップラー検出系のライダーへの取り付けなどを実施した。12年度には、上層の風を測定する分反射レーダーと、下層大気の微量化学物質を測定するヘテロダイン分光計の開発を終了させ、アラスカに設置する。また、オーロラ観測に適する冬季に米国側との特別共同観測を予定している。

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