3 生産性 昭和55年からの情報通信産業の労働生産性年平均成長率は5.1% 1)産業別労働生産性の比較(図表1))  10年における情報通信産業の労働生産性(実質国内生産額÷就業者数)は2,948万円となっており、昭和55年以来順調に伸びている。  昭和55年から平成10年における労働生産性の年平均成長率を、情報通信産業と主な産業で比較すると、情報通信産業が最も高く5.1%となっている。  その他の主な産業について見てみると、電気機械の労働生産性の年平均成長率は比較的高く4.5%、次いで鉄鋼の3.0%、輸送機械の2.7%と続いている。 2)情報通信産業における部門別労働生産性の比較(図表2))  労働生産性を情報通信産業における部門別で比較すると、昭和55年から平成10年における年平均成長率の伸びが最も高い部門は電気通信の11.4%であり、10年における6,531万円は、昭和55年の値の約7倍となっている。また、10年における労働生産性が最も高い部門は情報通信機器賃貸の1億9,615万円である。 3)産業別全要素生産性(TFP:Total Factor Productivity)成長率の比較(図表3))  全要素生産性成長率(注13)とは、生産に対する寄与の中で、中間投入・労働・資本の定量的な寄与以外のすべての要因による生産量の成長率を意味しており、労働生産性、資本生産性、技術革新の他、法律や規制等の制度的な要因も含まれる。すなわち全要素生産性成長率とは、生産量の成長率から全生産要素の成長率を除いた値である。  2年から10年における全要素生産性成長率を情報通信産業と主な産業について比較してみると、最も高いのは情報通信産業の18.6%、次いで電気機械の7.9%、鉄鋼の2.7%となっている。また、全産業計の全要素生産性成長率が-2.4%であることを鑑みても、情報通信産業の全要素生産性成長率は非常に高いことが分かる。